ハタヨーガとマッツェーンドラ(1) | 開運と幸福人生の案内人/ムー(MU)さんの日記

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幸福の技法

ハタヨーガとマッツェーンドラ(1)

毎日寒い日が続いますが、今朝も起床してすぐにヨーガ(Yoga)のトレーニングを行いました。
この3年間ほど、ほぼ毎日朝の日課として簡単なアーサナ(ヨーガのポーズ)と瞑想を繰り返すようにしています。
日々のヨーガのトレーニングは、健康の維持と精神修養に役立つとその効果を実感しています。

ここでいうヨーガはいわゆるハタヨーガです。
この章では、数百もあるというアーサナの中で、特に筆者のお気に入りのアーサナ呼吸法(プラーナーヤーマ)を紹介したいと思います。
が、その前に背景としてのヨーガの歴史について触れてみます。
(相変わらず、前置きが長くて恐縮です)

ヨーガの歴史

紀元前2500年頃、インダス文明の遺跡からはヨーガを彷彿させる遺物が見つかっています。
その一つが、頭に水牛の角を持った人物の坐像を刻んだ印章です。
これはモヘンジョ・ダロから出土したものです。

 

 


[ヨーガをするプロト・シヴァ神?の印章]

モヘンジョダロ遺跡出土品
 

この人物は、左右の足を身体の前で合わせ、つま先を下に向けています。
ハタヨーガの合蹠(がっせき)坐-バッダコーナ・アーサナ-そのものです。
両手は膝の上に掌を下に向けています。
この像の主は、くつろいで瞑想をしているようにも見うけられます。
これはヨーガと深い関わりのある、プロトタイプのシヴァの神像ではないかと
いわれています。

この遺跡からは、いわゆる「神官王」の像も出土しています。

 

[神官王像]

モヘンジョダロ遺跡出土品(Wikipediaより)

 

胴体の部分は失われていますが、この半身像は、目を半眼にし心を一点に集中しているように見えることから、瞑想者あるいはヨーガ行者と想像されたり、インド古代宗教の司祭や神官王のような人物ではないかと推定されています。

すなわち今から4500年以上も前の時代に、ヨーガの源と考えられるアーサナ(ポーズ)をとることや、瞑想することが行われていたようです。

その後の歴史時代におけるヨーガの痕跡は、紀元前6世紀頃に発生したジャイナ教や仏教の生活規範にたどる説があります。
これは、この時代のバラモン的な価値、カースト制を否認、解消をしようとする非アーリア的で反権威主義的な思想の中で、ヨーガが一つの手法として重用されたのではないかという説です。
筆者もこの説に賛成しています。

文献上は、ヨーガはもう少し前の古ウパニシャッドが成立する時代から言及されはじめます。
例えば『チャーンドーギヤ・ウパニシャッド』には

「すべての感覚器官を固定させ、神聖な場所以外で、すべての生きものを
傷つけない人
-そのような人間は(中略)ブラフマンの世界に到達する。」
というような記述がみられます。

また仏教の成立前後に作られたとされる『タイッティリーヤ・ウパニシャッド』では「ヨーガ」という言葉が「ヨーガ・アートマー」として出てきます。
意味は良くわかっていなようですが、「ヨーガは胴体なり」と訳されています。一種の宗教的・精神的な心境を表す語として解釈されて、瞑想の修行を積んだ人が達する平和で安定した心の状態を指すという説が唱えられています。

このウパニシャッドとは、サンスクリット語で書かれたバラモン教の教典『ヴェーダ』の
関連書物の総称です。「奥義書」という意味の言葉です。
特に仏教成立以前の紀元前800年頃から紀元前500年頃に書かれた古ウパニシャッドは
バラモン教の教典ヴェーダの最後の部分に属しています。

この古ウパニシャッドのヨーガは『プレクラシカル・ヨーガ』とも称せられ、宗教や精神修養と深く関わっていたようです。

現在、世界中で行われている『モダンスタイル・ヨーガ』では美容や健康のためのエクササイズの一環のようなイメージだったり、非常に難しいアクロバティックなポーズを完成させる体操という趣きが強いようですが、ウパニシャッド哲学では解脱に至る大切なメソッドの一つだったのです。

なかなかハタヨーガの成立まで話がすすみません。
次回は、この後編としてハタヨーガとその成立に深く関わった人物、マッツェーンドラ師について述べたいと思います。

 

本日も最後までお読みいただきお礼申し上げます。