幸福の技法
14.1_音楽の効能1
音楽がわたし達の心を癒し、気持ちを鎮め、あるいは高揚感を高めることは古来から語られています。
このことは、わたし達自身も日常に生活の中で、よく実感するところです。
実際にインドの神秘家は苦痛を制御するために音楽を用いますし、チベットやアフリカでは音楽は魔法のような力があると信じられています。
リラクゼーションの音楽を開拓したニューエイジアーティストのステファン・ハルパーンは次のように述べています。
「雪の結晶の形態や、花の曼荼羅のような概観は、自然のハーモニーへの共鳴なのです。水晶も植物も人間も形を与えられた音楽とみなすことができます」
今ならさしずめ、すべては波動でできていると表現するところでしょうか。
音楽に対する科学的アプローチ
ドイツの物理学者のエルネスト・クラドニーはバイオリンの音色が生み出すパターンを、金属の円盤の上に砂をまき、音に共鳴した砂の移動で独特の形を作ることを観察しました。
[バイオリンの共鳴パターン:エルネスト・クラドニー]
また、独自の装置で、音を視覚化することを試みたスイスの医師で物理学者だったハンス・ジェニー博士は、ヒンズー語の音節「オーム」を視覚化しました。
それは同心の三角形や四角形で満たされた「円」を生じました。
この機械を使うと、ヘンデルのメサイヤの最終和音は、五つの頂点を
持った完全な星の形、いわゆる晴明紋になったそうです。
[オームの共鳴パターン:ハンス・ジェニー]
音楽を植物に聞かせることで、成長にどのような影響を生じるかを研究したところ興味深い結果がでました。
ロック音楽を流した部屋の植物は、異常に背が高くなるか、あるいは発育が阻害されました。
バロック音楽やブラームス、ヴェートーベンのロマン派クラッシック音楽を流した部屋では、生き生きと成長し、何の音楽も流さない部屋の植物より20%以上も大きくなったというのです。
音楽は明らかに生物に影響を与えることが、科学的な実験からも裏付けられています。
次回は、わたし達の生活をより良く改善するための具体的な音楽の活用法について述べてみたいと思います。
本日も最後までお読みいただき、有難うございました。