『書経』の五福-寿・富・康寧・攸好徳・考終命 | 開運と幸福人生の案内人/ムー(MU)さんの日記

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「正しく実行すれば、夢はかなう」をモットーに東洋易学、四柱推命(神機推命)、風水などの秘伝を公開し、自分の夢を実現するとか、悩みの解消に役立つ運命好転化技法を紹介します。

五福とは何でしょうか?
 
「五福(ごふく)」という言葉を聞いたことがありませんか?
古代中国の五経の一つ、『書経』の洪範に出てくる言葉です。
人として多くの人が求めてやまない五つの幸福を示したものです。
 
下の五福めぐりは、筆者の住む場所の近く、京都府伏見区の五社寺で新年に行っているものです。
 
こちらを見てみますと、開運・厄除、出世、勝運、商売繁盛、子孫守護などを五つの福としているようですが、目出たい正月にこちらの社寺を周って御朱印を頂くことで、その一年が安寧にすごすことができることをお祈りしようとするものでしょう。
 
 
話を元に戻します。もともと書経の洪範に述べている五福です。
 
 
 
 
五福、
一に曰く壽(じゅ)、
二に曰く富、
三に曰く康寧、
四に曰く好德を攸む、
五に曰く考(お)いて命を終うと。
 
五福とは、
寿命の長いこと、
財力の豊かなこと、
無病息災であること、
徳を好むこと、
天命を全うすることである。
 
この五福は当たり前というか、人間が幸福を感じる普遍的な内容だと思います。
少し筆者の見解を交えて解説しましょう。

一の寿命は、大きな持病もなく、食べたり暮したりする上で困らない程度の冨、お金があれば、一般的に長いに越したことはないでしょう。特にかの国では、老人が敬われ大切にされていましたからなお更です。
 
二の富も普通はないよりも有るほうが良いでしょう。
但し、今の世の中でお金(収入)と幸福度の間にあまり強い関係はないという結果が欧米の研究機関から報告されています。
お金の少ない人に幸福を感じる割合は低いですが、お金があって幸福を感じる割合は、ある程度は収入に正比例して伸びますが、あるレベルに達すると収入が増えたからといって、幸福度は増えません。。
 
この必要にして十分な金額を超えても幸福度が上がらないということは、大変重要な点です。いずれ別稿で詳しく触れたいと思います。

三の病気がないということは、これは微妙で個人によって感じ方が変わります。
長く病気と付き合っても幸福を感じる方も多くいらっしゃるからです。
基本は無病息災が好いと理解しておきましょう。健康問題があれば、活動の制約になりますし、日本のように皆保険制度があっても医療費の増大は財産の形成に支障をきたすことになり得ます。
 
四の徳を好むことは、二つの意味合いがありそうです。
一つは、自分の徳を高め、徳のある人になる、徳のある行為をすること自体に幸福を感じるというものです。
 
もう一つは徳のある行為をすることが、福を招くという考え方です。
書経でいう徳は三徳といって、正直(せいちょく)・剛克(ごうかつ)・
柔克(じゅうかつ)の三つです。
 
この解釈は、正直とは、正直なこと。清く明らかな心のことであり、
誰に対しても公平にして、穏やかに接することをいいます。
古今の聖人はみな、相手に清々しい印象を与え、自然の尊敬の念を
抱かせます。すなわち徳が高いということです。

剛克とは、剛毅であること。義を貫く強さです。相手の武力や脅迫にも屈せず、ひるまない勇気のある行為のことです。
柔克とは、困難にあっても屈せず、和して人と親しみ、行為や言葉で相手を教え導く心の柔らかさのことです。
自己中の人、相手を押しのけて金儲けする人、出世の為に手段を選ばない人など、世の中に多く存在することも事実です。いわゆる成功者にその手の人が多く存在しています。
しかし、その人たちは本当に日常的に幸福を感じているのでしょうか。
己を忘れて人を利するとか、共に存って、共に栄える、
いわゆるwin-winの関係を目指す。そういう生き方の方が自分の人生を振り返ってみるとはるかに幸福を感じることができると思います。
 
第五の天命を全うするということも、幸福につながる大事な要素です
終わりよければ全て良しです。
21世紀の日本では世界有数の長寿国になったことで、人生五十年の時代にはなかった課題も出てきています。
年金の問題、認知症の増加とか、老々介護とか永く生きることで様々な問題が起きているのは皆さんご存知の通りです。
 
とはいえ、自分の最後の瞬間に、自分の人生を振り返って、良かったといえる生き方、何か社会や人の為に役に立つことができたと、満足できたとしたら天命を全うしたと幸福を感じることができると思います。
 
この書経の洪範については、易学上も重要なことが記されています。
もう少し掘り下げて記したい内容があります。
次回のブログでお伝えします。