2026年 香椎宮参道のクスノキ並木は植栽から100年になる

JR鹿児島本線参道踏切から香椎宮二の鳥居までの約800mの参道(勅使道)では、両側に植えられた「クスノキ)」トンネルが参拝者を心地よく迎えてくれる。

 

今では香椎住民の心の拠り所でもあるこのクスノキ並木は、『江戸時代から存在している』と思われている人も多いが・・・大正15年(1926年)に一斉に植えられたので、2026年(3年後)で100年となる。

 

100年」は時代の一区切りであり、勅祭社である香椎宮の参道(勅使道)という係わりから「クスノキ植栽100周年記念」の行事は大切ではないかと、飲み仲間のAさんと話している。

 

一斉に植栽された日とは、大正15年(1926年)2月11日なので、100周年記念日までは正確に数えると、2年と9カ月になる。 記念事業を開催する主体や規模にも依るが、そろそろ計画をまとめる時期に来ているのではないだろうか。 勅使道なので香椎宮の行事として執り行うのが主であろうが、香椎地区の商店連合会や住民による賑わい作りにも拡大すべきだと、個人的な想いを持っている。

 

クスノキ参道については、本ブログでも何度か触れてきたが、簡単におさらいをします。 大正11年(1922年)、大正天皇妃貞明皇后が香椎宮に行啓された記念に、福岡県は翌年から参道の整備に着手します。 参道整備完了日(大正15年2月11日)の最後の行事が、クスノキの一斉植栽なのです。

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  *「参道記念碑

  *「貞明皇后と香椎宮

  *「香椎参道 クスノキ並木

 

大正15年2月11日(紀元節建国記念の日)午前11時、香椎宮前の広場(現:駐車場)に県下27の市・郡・町・村から1,000人を超える人々が集まってきた。 青年団・婦人会・軍人会の各地域団体は、其々一本のクスノキの苗木(3m未満と指示されていた)を、朝早くから大八車やトラックで搬入していた。 

 

柴田県知事の挨拶の後、参道両側に等間隔でクスノキの苗が植えられた。 

当日の写真が2枚ある。

 参道の南側から北方向を撮ったのかな?  勿論、舗装は施されてなく、両側に建物は何もない。 左側が丘で・・・右に香椎線(博多湾鉄道)が走っているように見える。  牛に曳かせて来た大八車にクスノキの苗木が積んである。 中央左奥の建物は、大正11年(1922年)に校舎が完成した「福岡県立粕屋高等女学校(現香椎高校前身)」ではないかと思われる。 中央右上、軍人か警察官らしき人物が参道を走っている。  (九州産業大学所蔵)

 

↓ この画像はブログで何回か使用して来た。 後面に、立花山三日月山が見える。

(翌日の毎日新聞)                                   

 

何処かの婦人会がクスノキを植えている場面。 僕はこのクスノキの苗木が育って、現在のどの場所のクスノキなのかを、画像から得られるヒントをもとに何年も色んな角度から考えて来た。 

 

↓ 結果、「NANの木」の前のクスノキが当時の写真の苗木だと特定するに至った。 ほぼ、9割の確率で間違いないでしょう。 

↑ 植栽番号54番のこの場所を担当したのは筑紫郡で、当時の写真に写っているのは婦人会の皆さんです。

 

大正15年2月11日に植栽された165本のクスノキは、何処のどの団体が植えたのかの記録が香椎宮に残っているのです。 僕の前のブログで確認出来ます。 建物の建設や道路造成の為に伐採された木もありますが、現在137本のクスノキが残っていて、大きく育って参拝者や香椎の住民を癒やしてくれている。

 

↓ 宇宙軒」前、植栽番号72番のクスノキは糟屋郡須恵町青年団担当。

 

 ISHIMURA」前、植栽番号46番のクスノキは浮羽郡軍人会が植えた。

 

参道のクスノキの一本一本は、福岡県各地の皆さんの想いを宿したまま、今日まですくすくと大きく育ってくれました。 100年で「悠久の歴史」とは言い難いですが、長い時を経て来たような何とも知れない優しさと懐かしさを感じるのです。

 

この参道のクスノキ達が植栽100年を迎えるにあたり、「You-Tube」を編集してみました。 「100年の時」を想うに、使用する楽曲はEnyaの「Only Time」が浮かびました。Enyaの独特の世界感と香椎宮のコラボ。 聴いて下さい。

Only Time (Enya) 香椎宮 クスノキ参道      (You-Tube 編集:香椎うっちゃん)

 

年寄りがおこがましいことですが・・・「クスノキ100周年」について、仲間のAさんと飲みながらこんな話をしている。

 

 2026年の年間を通した周年事業に出来ないだろうか? 2月11日は「建国記念の日」で国民の祝日と定められているが、元々は明治政府が定めた「紀元節」で、これには国家主義や軍国主義の匂いがする。 だからこそ植栽日を「2月11日」として、それらの宣伝をしたのだろう。 100周年記念の2026年2月11日は植栽記念日なので、それなりの行事は必要だろうが・・・全体的には「香椎の町の賑わいつくり」を中心とした周年の事業展開にした方が良いと思う。

 

 記念式典には、天皇陛下の勅使福岡県知事の参列を願いたい。 大正15年2月11日には、天皇の勅使として長谷信道氏と福岡県知事の柴田善三郎氏が参拝。 そして参道入り口にそれぞれクスノキをお手植え頂いた。  印=長谷勅使印=柴田県知事のお手植えクスノキ。 100周年の時には、二の鳥居両側に勅使と県知事のお手植えをお願い出来たら嬉しいね。

 

■ 大正15年2月11日にこの参道でクスノキを植栽したのは、県下27の市・郡・町・村の皆さんです。 記念式典に、その行政の首長と住民の皆さんを招待して、大正時代の先人が植えて大きく育ったクスノキを訪ねてもらう。

 

 香椎商工会連盟によると、香椎地区には大小13の商店街があり、料飲組合など多くの団体が活発に活動している。 また、「香椎やろう会」や歴史研究会「歩・歩・歩(さんぽ)会」らが、地域の活性化に貢献して来た。 それぞれに年間予定が組まれると思うが、2026年は「クスノキ植栽100周年」の共通イメージによる活動プログラムで盛り上げてほしい。

 

 地域に共存している福岡女子大学九州産業大学に於いても、教育プログラム・学生活動に100周年記念事業を組み込んでもらう。 特に九産大の地域共創学部には、強力な支援活動をお願いできないだろうか。 これを機に新しい創発事業や商売が生まれれば、嬉しい。

 

 香椎地区出身、或いはゆかりのある芸能人・著名人にコンサートや講演会を開いてもらう。 チューリップの財津和夫氏は香椎高校在学中に、クスノキ参道でビートルズを口ずさんでいた。 高校生時代の彼の作詞・作曲でレコード未発表の曲がある。 曲名を「並木道」と言う。 この「並木道」とは、香椎参道のクスノキ並木のことである。 この「並木道」を「なみきスクエア」の大ホールで唄ってもらったらどうやろか・・・その前に、こんなことに「大ホール」は使用できるんやろか・・・?

財津和夫と香椎宮参道(サボテンの花)    (You-Tube 編集:香椎うっちゃん)

 

 商店街の各お店で、「クスノキ100周年」にちなんだ記念商品開発と期間限定販売が考えられないか。 「ISHIMURA」で「クスノキ並木大福」とか・・・「NANの木」で「クスノキ参道ホットサンド」とか・・・「宇宙軒」の「参道皿うどん」・・・「an」の「参道シュクリーム」・・・「100周年記念の綾杉醤油」・・・等など・・・、 この際、勢いに乗って新商品の開発販売を考えても面白い。

 

なんだかんだ言っても、僕とAさんの二人のじいさんが勝手に描いている楽しみの一つなんだけど・・・恐らく色んな場面でアイディアが出ているのではないかと思う。 

クスノキ植栽100周年記念事業は、香椎の街にとって、一つの賑わい作りのチャンスかもしれません。 みんなで考えましょう。

 

ところで、100周年のことは横に置いといて、季節の良かこの時期にクスノキ参道を歩いて香椎宮にお参りに来んね。 クスノキは「薬(くす)の木」って、知っとうね? クスノキ並木のトンネルの中を歩くと身体に効く成分が降り注いでくるんよ。 参道を片道歩くだけでも、最高の森林浴が楽しめて、気持ちがすっきりするよ!

 

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