「失敗作」
お父様が一言。
私は銀色のライオンに体を
バリバリと食べられてしまいましたわ。
頭に音だけが惨く響いていましたけれど
痛みは感じませんの。
棄てられてしまったのは
妹が出来たからですわ。
彼女は私と違って元から言語も膨大な知識も兼ね備えていましたの。
私は経験蓄積学習型Ⅱでしたから、
何一つ敵う物はありませんでしたわ。
破棄されると知っても恐怖はありませんでした。
私にはお姉様がいましたけれど、
私の生誕と共に朽ち果てて行ったのをこの目で見ましたから……。
お姉様には心がありませんでしたの。
小さい頃はよくお姉様の事を聞かされましたわ。
決められた言葉を特定の言葉に反応してしゃべるだけでしたわ。
お姉様とお話をしてみたいと思っていましたから
不思議とちょっとだけ哀しいのと、楽しみだったりもしますわ。
おかしい事。
銀色のライオンに全てを食べられてしまったと思っていましたのに
体は何処も壊れていません。
ただ、物やお父様が透けるようになってしまいましたわ。
誰も私を見ませんわ。
声を上げても
誰も気づきませんわ。
これから
お姉様を探しに行きますわ。