是々非々(ぜぜひひ) | 道元のブログ

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ものの見方・考え方そして生き方に関すること。

是々非々ー

立場・雰囲気そして相手との関係などに囚われたり流されたりしないで、良いものは良いと賛成(賛同)し、悪いことは悪いと反対する、という公平でしがらみのない態度で臨むさまを形容する言い方とある。

 

組織の中のたった一人くらい(だけだから)大目にみてあげよう、

自分もそういう時には見逃してほしいから「見てみないふり」しよう、そして仕様がない、仕方ない、止むを得ないなんて毎日使っている言葉でもある。

 

時間が経てある時になって、あの時、そうではなく毅然として対処していたならなぁーなんて後悔も何度体験したことだろうか。

 

松下幸之助にこんな話がある。

幼いころ、彼が五代目自転車店で働いていた時、店で一人の先輩が品物を盗み、それが発覚した。親方はその先輩を叱責し、その場は収まったが幸之助は納得できなかった。彼は親方に対して「こんな良くない人と仕事をするのは潔くない」と言い、その先輩の退職を求めた。最終的に、その先輩は退職し、店は引き締まり、発展した。この経験は、幸之助の正義感と一途な熱意が店の改革と発展に大きく寄与した例である。

 

「一人が目覚めればみんなが救われる」という言葉がある。

たった一人、その一人が意識を変えることで、その周囲の人々にも大きな影響を与え、結果として全体が向上するという考えを示している。

 

一人が・・・周りのだれかではなく、一人とは自分のことなのである。待っていてもその一人がスゥーと現れるわけではない。偉大なのは一人の熱意ある存在であって、その存在が周囲を引きつけ全体を大きく変えるのである。熱意の有る無しが存在を決定する。

 

「箸(はし)よく盤水(ばんすい)を回(まわ)す」の心構えである。

「盤水」とは盤(丸い皿、たらい)のなかの水のこと。最初、箸1本で盤水を回しても箸しか回りません。ところが、その箸を根気よく熱心に回し続けると、周囲の水が少しずつ回るようになってくる。さらにあきらめずに回し続けると、一段と輪が広がってくる。そして最後には、盤水全部が大きく渦になって回るようになってきます。

 

たった一人でもたった1本の箸をコツコツと廻し続けられるかどうか。なぁーに、全体のためではなく自分のためだったら続けられるような気がします。

 

実は、是々非々とは自分のことなんです。