自分をつくれ | 道元のブログ

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ものの見方・考え方そして生き方に関すること。

老生が私淑する松下幸之助、

「単に仕事ができ、技術がすぐれていればいいというものではない」と説く。

すぐれた製品をつくるのは会社の最優先の使命だが、そのためにはまず人をつくれ、と。

「物をつくる前に人をつくれ」

 

「どこまでもまず人間をつくれ。

それから後が経営であり、あるいはまた事業である。」

中村天風の教えのひとつである。

 

どんなに事業方針が確立していようと、

また経営方針が完備していようと、

一番のトップに立っている人々のパーソナリティーに多少なりとも

欠陥があったらどうなるだろうか。

健康、それから運命に対する扱いがしっかりできる人間でなかったら、

会長だとか社長だとかいったところで、

それぞれの名前だけにすぎない。

それがために、

「どこまでも人間をつくれ。

それから・・・

と天風精神が「まずは人間」だと喝破する。

 

イエローハットの創業者 鍵山秀三郎さん。

"凡事徹底"の哲学のもと、サービスについてこういっている。

「最大のサービスとは、君の人格を上げることだ」

自分をつくれ、と、人格の陶冶のことである。

ドラッカー流にいえば、「インテグリティ」ということか。

 

中国古代の政治論集「管子」に、

一年の計は穀を樹うるに如くは莫く、

十年の計は木を樹うるに如くは莫く、

終身の計は人を樹うるに如くは莫し。

一樹一穫なるものは穀なり、

一樹十穫なるものは木なり、

一樹百穫なるものは人なり。

 

一年の計は穀物を植えるに及ぶものはなく、

十年の計は木を植えるに及ぶものはなく、

終身の計は人を植えるに及ぶものはない。

一を植えて一の収穫があるのは穀物であり、

一を植えて十の収穫があるのは木であり、

一を植えて百の収穫があるのは人である。

 

先人たちの教えはみな同じなのである。

 

「人をつくる」、とはまさに自分をつくることなのであるが、

なぜかいつも自分は例外なのである。