うたかた 21 | 嵐さんに寄せる想い~ここママの妄想小説

嵐さんに寄せる想い~ここママの妄想小説

嵐さんが大好き。
メンバー全員大好きですが、
特にも相葉くんに惹かれてやまない櫻葉erです。

謝ってばかりだな。



両腕で顔を隠すように横たわっている雅紀。


そんな彼の柔らかい髪を撫でながら、思わず溢れそうになったため息をグッと堪えた。



繊細で、他人(ひと)の感情に敏感なコイツが、また気にしてしまうような気がして……




何も悪いことなんてしていないのに


ましてや、迷惑をかけられただなんて、これっぽっちも思ってないのに



「すみません」

「ごめんなさい」



姉さんの墓前で

俺に対して



でも、雅紀にそう言わせているのは

言わせてしまっているのは


もしかしたら俺なんなんだろうか。




姉さんが亡くなる直前まで、俺は雅紀の存在を知らなかった。


姉さんが連絡をくれなかったら

俺を頼ってくれなかったら


未だに俺は雅紀のことを知らないままだっただろう。



いや、それだけじゃない。


姉さんの死に目にも会えず、死んだことさえ知らないままだったかもしれない。



その気になれば、いつだって、どんな手段を使ってでも探すことが出来たのに


あんな男のために俺達家族の反対を押し切って家を出て行った姉さんが許せなくて


好きなのに

ずっと心配だったのに


バカだよな


「後悔先に立たず」とはよく言ったもんだ。


たとえ拒まれても、さっさと探し出して連れ戻せばよかった。


そうすれば雅紀のことだって……





「翔さん……」


「……ん?」



てっきり眠ったと思っていた雅紀が俺の名を呼んだ。



「どうした、どっか痛むか?」


「ううん……」



雅紀はゆっくり起き上がり、俺にこう言った。



「翔さんはオレのこと、嫌いですか?」






つづく