うたかた 5 | 嵐さんに寄せる想い~ここママの妄想小説

嵐さんに寄せる想い~ここママの妄想小説

嵐さんが大好き。
メンバー全員大好きですが、
特にも相葉くんに惹かれてやまない櫻葉erです。

物心がついた時には既に父親はいなくて、母ひとり子ひとりの生活だった。



小学生になって、その頃から時々母さんが体調を崩すようになったけど


「これくらい大丈夫よ」

「雅紀は心配しなくていいからね」


母さんはいつも笑っていたから


まさか、そんなに悪い病気だったなんて、死んでしまうほど悪かったなんて全然知らなかった。



母さんがいなくなると同時に、翔さんがオレの前に現れた。



母さんの弟で、オレの叔父だと言ったその人は、直ぐにオレを自分の戸籍に入れた。



「相葉雅紀」から「櫻井雅紀」になったオレ。



戸籍上、翔さんはオレの父親で、オレは彼の子どもになった。



さっき潤さんが言った


「お前はこのうちの子」


それは嘘じゃない。


嘘じゃないけど……




オレは多分、翔さんに嫌われている……と思う。


あからさまに無視されるとか、暴言を吐くとか、そんなことは一度もないし、むしろ、欲しい物や必要な物は全て買い与えてくれるけど



オレを見る目が時々


時々冷たく感じることがある。




嫌われてるくせに



なのに、翔さんのことが好きだなんて




誰にも言えない。


このうちの子でいるなら


翔さんの傍にいたいなら


絶対誰にも言っちゃいけない。




「よし、出来た!」



誰もいないのに、意味もなく明るく振る舞ってみる。



赤と緑、色違いのハンカチで包んだ弁当を前に、オレは今日も自分の感情に蓋をした。







つづく