先月綴ったブログをご覧になってくださった方々数名に
「グレーゾーンの患者って?」
というご質問をいただきました。
強さ と 孤独
この中で出てきた言葉ですが、
少しご説明させていただきます。
みなさんは、
「難病」
っていったらどのようなことをイメージなさいますか?
もちろんそれぞれだと思われますが、
今の医学では治療法の確立されていない疾患の総称です。
そしてこれは、
国で認められている「難病」=特定疾患と
認められていない「難病」があります。
認められているから重篤な疾患だとか、
認められていないからどうということではなく、
「難病」そのものの定義は同じなんですが、
研究対象となっているかいないか。
「難病」という領域の疾患があまりに多く、
ひとつひとつの検証が行き届いていないという現実もあるでしょうし、
そこまで手がまわらない…という現実もあるのではないかと私は感じています。
日本では、「難病」といわれていても
特定疾患の枠には入れられていない疾患がたくさん存在します。
そして、ここで大きな違いが発生します。
国で認められている「難病」=特定疾患には、国のサポートがあります。
当然ながら認められていないとありません。
同じ難病ですから、
治療費は同じように大きな負担が発生します。
特定疾患の枠ならば、医療費そのものはもちろん、
生活するにもサポートがうけられます。
同じ難病と言われている領域の患者さんでも、
国が特定疾患として認めていないと
すべて自分で何とかしなくてはなりません。
過去の私のように寝たきりで、自分で何もできなくても
誰にもサポートをしてもらえない…
という現実がおきてきます。
難病ですので、働くことは安易ではありません。
当然医療費も自分で払わないといけませんが、
収入がなければ、
症状があっても病院にすら行くことができないのです。
特定疾患の枠に入っていなければ、
そもそも働くことができない症状であっても、
生きていくためには
すべて自分で何とかしなくてはならないという現実があります。
ですから、
難病として特定疾患といわれる分類に入れてもらえなければ、
障がい者として認めてもらうために奮闘する方もいらっしゃいます。
自分で何もすることができず、
寝たきりであっても、
障がい者という認定をうけることができなければ
当然、健常者としての枠に入るわけです。
しかしどうでしょう、
寝たきりで、自分のことができない状況なのに健常者…
そこで、
グレーゾーンの患者さんが存在するわけです。
グレーゾーンの患者といえども、
健康な方と同等の扱いですから、
患者の立場としては、
苦しい現実と向き合うことが強いられるわけです。
「寝たきり、自分で何もできない」というのは、
過去の私の状態を例にあげたまでで、
世の中には様々な状態の方々がいらっしゃいます。
ここで申し上げておきたいことは、
健常者がよくて、障がい者が悪い
特定疾患がよくてそうでない難病の人が悪いということではなく、
あるがままの現実を綴らせていただいたまでです。
私としては、
過去の人生、苦しい現実でしたし、
現在も安易ではない毎日です。
それが良い悪いではなく、
今の私としては、
これでよかった…
素直にそう感じています。
これらの体験ができたこと、
普通では味わうことができない体験をすることで、
おかげで生きる力が高められたわけですし、
命というものの深さを味わうことができています。
すべてに感謝の気持ちでいます。
だからこそ、
私の志命として、
これらのことを含め「伝える」
というお役目をいただいているのだと思っています。
自分で体験し、味わい、試行錯誤
伝道師として与えられたこの命
今も毎日、試行錯誤
自分の身体から命の深さを学んでいます。
ご参考までに…
難病情報センター