小説です。「百輪村物語」の第三部です。

 

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登場人物名は、アルファベット表記です。

(和名と英名の、覚えやすい方で読んでください)

 

 
【今回の登場人物たち】
百輪村の人
V(元SE・パートタイマ) 美々 ビビ
D(大工)         大吾  デイビッド
E(村長・教諭)     栄一  エデン
K(理容師・Eの妻)    加恵  カーラ   
 
草切村の人
草切マーケット・店長  (No Name)
α(パートタイマ・気弱) 在子  アルマ
δ(パートタイマ・賛同) 丑実  グロリア
γ(パートタイマ・強気) 寅代  デイジー

 

 

 

見えないみかた(4)

 

 

草切マーケットのパート業務がなんとか終わり、

百輪村に戻ってきたら、

γさんがでっち上げた私と村長の不倫疑惑の噂が、

もうこっちにまで届いてて驚きました。

 

でも、百輪村のみんなは笑ってて、

「ひどい噂を流す人がいるねえ」

「村長も苦笑いしてたよ」

「負けるなよ、V」

「噂は75日だからね」

って、励ましてくれるから、嬉しかったです。

ああ、私には味方がいるんだな、って。

 

私は、村長の奥さんのKさんがいる理容室に行きました。

Kさんは私より二つ年上で、中学の先輩です。

 

「K先輩、村長と私の噂、聞きました?

 お騒がせして、すみません。

 橋の上で村長に相談に乗ってもらっただけなのに、

 とんだことになっちゃって」

 

「ああ、V。わざわざ草切村の人が私の店に来て、

 しゃべっていったわよ。

 Eも私も馬鹿馬鹿しくて笑っちゃった。

 むしろ、あなたの方がお嫁入り前だから、

 こんな噂、不名誉よね。災難だったわね」

 

「いや、私のことは、いいんですけど・・・。

 ご迷惑をかけてしまって、ホント、ごめんなさい。

 ・・・私、この村にはお荷物ですよね」

 

「え?なんでそんなことを言うの?

 あなたはぜんぜん悪くないんだし、それに

 わざわざこうやって謝りに来る人に、悪い人はいないわ。

 あなたは、私の可愛い後輩よ」

 

「・・・先輩・・・」

 

「全くの事実無根なんだから、堂々としてましょうね。

 きっと、物事はうまくいくわよ。

 私はそう信じてるから」

 

「・・・ありがとうございます」

 

百輪村って、なまぬるい環境だと思ってたけど、

すごくあったかいんだなって、初めて気づきました。

 

 

そうこうしているうちに、

私の噂は75日を待たずして、勝手に消滅しました。

 

それよりも、γさんの噂の方が流れ出したからです。

 

 

(続く)