自分で作ったソロジャーナル
「とある魔導士の研修日記」。
3人目はエリーゼ。昨日の続き。
主人公:エリーゼ(17)
4日目
朝:快晴。木々の葉が朝露でキラキラしてる。
まるで別世界のようで、うっとりした。
先輩からかけられた術って、
あの火柱1回きりだといいな。
だって、あんなの、私の実力じゃないだろうし。
朝食後、職員室の先生の所に行って、事情を話して、
自分にかかっているかもしれない術を解いてもらった。
ああ、良かった。私は私でいいんだから。
教室に行く前に、試しに
ささやかな花束をひとつ魔法で出してみた。
うん、これが、私らしい。
昼:食堂でご飯を食べているピラリスを見かけた。
「あら、エリーゼ。久しぶり~」
と、いつもの元気なピラリス。うれしい。
近況を語り合った。
さっき復活の呪文を習ったばかりと伝えたら、
「じゃあ私の消えた下着を復活させてくれる?」
と変なお願いをされた。
「え、そんなの出来るかしら?」
とおそるおそる試したら、食堂のテーブルの上に
レースがたくさんついたブラショーツセットの山が
出現してびっくり。
ピラリスは大喜びしてるけど、
私はみんなのいる食卓に出しちゃったので恐縮した。
ピラリスからはお礼として
チップをもらっちゃったけど、いいのかな。
夜:4日目の夜が来た。
研修の皆もそれぞれ頑張っていると思う。
でも私はなんだか心がソワソワして落ち着かない。
火柱とか下着の山とか・・・のせいかな?
ラジオで音楽でも聞いたら気がまぎれるかもと
スイッチを入れた。
わあ、大音量でびっくりした!
すぐ音を下げた。ふう。
・・・ふふっ。でもなんかおかしくて、元気出た。
5日目
朝:クラスが騒がしかった。
担当の女の先生が婚約したらしくて、
大きな指輪をしていたから。
クラスの皆でお祝いの品を買うことになり、
お金を出し合った。先生、お幸せに。
昼:午後の演習では、
自分以外には絶対に開けられない箱を作るという
課題が出た。
作ったらペアになった人と箱を交換して、
それを開けられるかどうかもテスト。
先生曰く、「鍵は開けるものでもあるが、
守るものでもあるアイテムだ」と教えられ、
なるほどなあと思った。
私も大切なものは、ちゃんと管理したいな。
夜:クラスの男子の一人が、
自分は将来フリーランスとして
ソロで活躍するつもりだと夢を語っていた。
パーティで働くのが当然だと思ってたから、驚いた。
”白魔導士”か”黒魔導士”かのほかに、
”一人で働く”か”集団の中で働くか”という
別の選択肢が出てきて、ますます困ってしまった。
6日目
朝:研修クラスの一人が、
まだやってはいけないのに変身の術を遊びでやって
狐の姿になり、元に戻れなくなってしまった。
バレたら退学になってしまうので、
先生が来る前にクラスの皆で資料を調べて、
元通りにする呪文をかけてみた。
私もおそるおそるやってみた。
なんと偶然、元に戻った。
ああよかった。
狐から人間に戻ったクラスメイトに、
ものすごく感謝された。(謝礼金をもらった)
昼:今更だけど、魔導士になることが怖くなってきた。
魔法はとても怖いものだと思う。
私はこのまま研修を続けていてもいいのかしら。
昼休みに街に出て、
ワンコインのおみくじを引いてみた。
すると「そのまま続けるのが大吉」と出た。
夜:図書館で夜に予習をしていたら、
先日私にパワーアップの術をかけた
あの魚のイヤリングの先輩が近づいてきた。
「話がある」というので、校舎の外に出た。
「もしよかったら、つきあってほしい。真剣なんだ」
と言われた。
そして「本気の気持ちを伝えたい」と、
美しいクロスのペンダントを
プレゼントされてしまった。
とても高価なものに見えた。
「研修の最終日までに返事が欲しい。
もしつきあうのが嫌でも、そのクロスはあげるから」
と先輩は去って行った。
私は驚いたままで、何も言えなかった。
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明日でラストです。
