小説です。「百輪村物語」の第三部です。

 

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登場人物名は、アルファベット表記です。

(和名と英名の、覚えやすい方で読んでください)

 

 
【今回の登場人物たち】
発明家        (No name)
D(大工)       大吾  デイビッド
L(揚げ物屋)      蘭子  ルイーズ
E(村長&小学校教諭)  栄一  エデン
K(理容師・Eの妻)   加恵  カーラ
R(EとKの息子)    陸 ライアン(ジュニア)

 

 

では、どうぞ。↓

 

見えない稼働(3)

 

 

村長のEは、小学校教諭の仕事も持っています。

 

なので、早朝、Eがロボのスイッチを入れると、

ロボは学校へ行ってカギを開け、

子どもたちが来る前に

教室の掃除をささっとすませ、

すべての教科書に目を通して

本日の授業の準備と段取りをしました。

 

そうこうしているうちに子どもたちが登校します。

 

「おはよう。今日も楽しくやろうね」

とロボが、Eの声でしゃべるので、

子どもたちはクスクス笑って、

「ロボのE先生、おはようございます」と言いました。

 

本来ならE本人は休んでもいいはずなのですが、

教室の子どもたちが心配で

窓の外からEが覗き込んでいました。

 

ロボは、Eの生き写しのように動き、しゃべり、

子どもたちに丁寧に教えています。

 

それを見てEは

「自分はいつも、ああいうふうにやっているのか。

 でも、もうちょっと

 あそこはこうしたほうがいいかもしれない」

などと、さらに自己研鑽を考えてしまうのでした。

 

そこへ大工のDが野次馬のようにやってきて、

「E。どうだい?ロボの様子は」

と尋ねてきたので、

振り返ったEは真面目に答えます。

 

「うん、これは素晴らしい発明だよ。

 自分を客観的に見られるね。

 おかげで改善案がいくつか見つかったよ」

 

「・・・おいおい、休みになってねえな」

Dは苦笑いしました。

 

 

授業は滞りなく進み、子どもたちは下校します。

 

ロボは、子どもたちが提出したノートを開いて
その場でささっと丸付けをしました。
 
それから学校の戸締りをして、
今度は村長の仕事を始めました。
 
 
 
(続く)