WBA v Man.U(2009/1/27)での実況
今回は実況について。
実況の仕事はプレーを描写することです。どのようなプレーが進行しているか言葉で表します。
サッカーは攻守が一瞬で替わるスポーツですから、プレー中は試合に集中していなければなりません。その間、実況者はボールの動きを伝え続けることになります。
今回は、実況者が試合の流れについていけなかった例を紹介します。(この例を使って何人かの前で発表したことがあります。)
攻守の切り替えからほんの10秒でシュートまで行った場面です。
試合:West Bromwich v Manchester United (2009/1/27)
状況:前半24分、Man.Uのカウンター攻撃。自ゴール前でギグスがボールを奪い、ドリブルしてから左にいるC.ロナウドへパス。少しドリブルし相手ゴール前にいるテベスにパス、テベスがダイレクトでシュート。ゴールのやや左に外れる。
(プレーの時間は24分48秒から24分58秒まで)
文章での状況説明なので分かりにくいかもしれませんが、ご了承ください。
次に、この場面での実況を示します。
実況:(ウェストブロムの最近の成績)それから、2月、1月の24日のFAカップの4回戦(ウェストブロムは)バーンリーに2-2のドローでありました。再試合は2月の4日です。あ~~。
最後の「あ~~」という部分がシュートシーンです。これを聞いたとき、本当に驚きました。
実況の内容からはどんなプレーが行われているか全くわかりません。テレビなので見れば分かると言ってしまえばそれまでですが、あまりにもひどい。
実況者はWBAの成績の話をこの場面の10秒前から始めました。その話をカウンター攻撃が行われている間も続けたのです。
ギグスがボールを奪った瞬間、実況者は少しの間沈黙しています。ここで話を変えることも出来たはずなのに、それをしなかった。手元の資料に目をやっていたのかもしれませんが、そのせいでプレーを見逃したのであれば大失態です。
つっこみたいところはたくさんありますが、今回は実況の仕事の優先順位について考えます。
僕は、プレーを伝えることが実況の最優先事項だと考えます。この例のような情報の提供は、特に海外のチームやリーグについては必要かもしれませんが、それは試合前やハーフタイムにすれば済むことです。試合中に行うには慎重に場面を選ぶ必要があります。
この例では試合を伝えようという意図が全く感じられません。僕からすれば優先順位を間違えたということですが、もしかしたら、この実況者はそれを認識すらしていないのかもしれない。
話を途中でやめて実況に切り替えることもできたのに、惰性で話を続けているのはその表れでしょう。また、シュートの場面で「あ~~」としか言えないのでは、観客と同じです。
もう一点付け加えると、実況者がサッカーの特徴を理解しておらず、注意を怠ったということがいえます。
ここで分かるサッカーの特徴は、ゴールチャンスは一瞬で訪れるということ。それに備えて、実況者は試合の様子を伝え続けることが必要です。上の場面ではボールを奪ってからシュートまで10秒しかありません。おそらく選手の名前を連呼するだけで時間を使ってしまうでしょうが、それさえできればいいのです。得点が入りそうな緊迫した場面でそれができるかどうかが、実況の腕の見せ所と言えるでしょう。
この場面に限らず、僕はこの試合全体において実況・解説に不満を持ちました。実況者が実況する場面は少なく、解説も抽象的な内容でした。実況者と解説者は仲が良いのかとても楽しそうでしたが、その話を聞いている僕は試合に入り込むことができず不快な思いをしていました。
やや極端な例ではありましたが、試合を楽しみたい僕にとってこのような実況は邪魔でしかありません。実況者は試合に集中して話してほしいと強く感じた試合でした。
Leeds United
昨日FAカップの3回戦でアーセナル(Arsenal)と対戦しました。日本での放送はなかったようでとても残念でしたが、結果は1-1で引き分け。
しかも、最後の最後で追い付かれる展開で勝利目前だったとか。
勝てなかったことは残念ですが、再試合をホーム(Elland Road)で行えることになったはずです。
ぜひ放送してほしい!
JSPORTSさん、お願いします!
去年のMan.U戦は感動しました。何せリーズの試合中継を見たのは降格したシーズン以来でしたから。
見られただけで嬉しかったのに、まさか勝つとは…。その映像はDVDに保存してあります。
今年も見たいな~。
頑張れリーズ!!
Leeds! Leeds! Leeds!
Marching On Together!!
こだわる理由
計画もなく始めてしまったので、何から書いていいか悩んでいます。
とりあえず今回は、サッカーのテレビ中継について考え始めた理由について書いていこうと思います。
細かくは記憶していませんが、今ほどにテレビ中継について日々考えるようになったのはおよそ3年くらい前からです。(ちなみに、プレミアリーグは7~8年くらい観戦しています。)
何か具体的なきっかけがあったわけではないのですが、それ以来、実況者と解説者の話す内容が気になって仕方なくなってしまいました。(実況する人のことを、ここでは「実況者」と呼ぶことにします。)
最初は、サッカーを見て、好きなことしゃべって、それでお金がもらえるなんてうらやましすぎる!と思っていました。しかし、だんだんとですが、お金をもらってこんなつまらない話をするのか、話し声が観戦の邪魔だ、と感じるようになりました。
この段階では、完全に僕の好き嫌いの問題だったと思います。特に解説者に対して、話が面白いから良いとか、声がなんとなく好きじゃないとかそんなレベルでした。
この時期から、好きじゃない解説者のときは、副音声で聞くことにしました。英語の聞き取りの練習も兼ねて軽い気持ちで始めたのですが、今思えばかなりの衝撃でした。
何を言っているかあまり聞き取れていませんでしたが、実況者は選手の名前を言っているようでした。プレーが終わるまで一通り話した後、リプレーが流れると今度は解説者が話し始めました。映像が試合に戻り、プレーが再開されると再び実況者が話をし始めました。
現地ではこんな風に実況と解説が行われていることを発見しました。
日本でも同じじゃないかと言われそうですが、僕は違うと思います。
日本の実況・解説は会話をしている場面が多いです。詳しくは今後述べますが、片方の発言に対してもう一方がうなずき、返答するというような話し方です。
この違いに気付いてから、より日本の実況・解説の仕方に不満が募っていきました。日本の中継では試合の伝わり方が物足りないと思うようになったのです。
反対に英語の実況・解説は、シンプルですが効果的に試合を伝えているように感じました。こちらを聞いているほうが、試合に入り込めるような気がしました。今では、ほとんどの試合を英語の音声で見ています。
試合の伝わり方という観点から、僕にとって実況・解説は好き嫌いの問題ではなくなりました。日本の中継の何が悪いのか、どう変えればいいのかを考えるようになりました。
こういうことを考え始めてもう3年になります。たぶん、僕はこの問題と一生付き合うことになりそうです。それくらい今でもよく考えることですし、また楽しいと感じています。
サッカーだけでなく、野球を見ていても話の内容が気になってしまうくらいです。
せっかく時間をかけていることなので、形に残そうとブログをはじめました。
そろそろ前ふりが長くなってきたので、次から内容に入りたいと思います。
どのくらいの頻度で更新できるかわかりませんが、マイペースにやっていきます。