ここ数日株価急落が続き、今日は一転して反騰しました。
私は金融経済の専門家ではなく、また短期的な指標の動きにはさほど興味はないのですが、それなりに思う所はあるので一連の動きについての現時点の見方を整理しておきます。
素人考えではありますが、多少とも参考になれば幸いです。
まず、下落・上昇幅の大きさを評価するために、過去との比較表を掲げます。
日経平均株価下落幅(終値) 日経平均株価上昇幅(終値)
2024/8/5 -4,451.28円 2024/8/6 3,217.04円
1987/10/20 -3,836.48円 1990/10/2 2,676.55円
2024/8/2 -2,216.63円 1987/10/21 2,037.32円
1990/4/2 -1,978.38円 1994/1/31 1,471.24円
1990/2/26 -1,569.10円 1990/3/26 1,468.33円
1990/8/23 -1,473.28円 2020/3/25 1,454.28円
(資料出所) NHKニュースウェブ
1987/10/20というのは世界的に株価が暴落したいわゆるブラックマンデーの翌日です。
これに対して、1990年は日本経済のバブル崩壊の年です。
1.株価下落の原因は何か
直接の原因は、円高。
7月上旬には160円を上回る円安となったのが、日銀の市場介入、日銀の利上げ、米国の利下げ見通しにより8月5日には瞬間的には141円台まで円高となった。
急激な動きは、投機筋の円売りポジションの巻き戻しによる。
その後は、144円~145円台。
他の要因としては、米国の景気後退懸念、米国ハイテク株下落(マグニフィセント7)の波及。
(マグニフィセント7とは、グーグル、アップル、メタ(X,旧フェイスブック)、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアの7社のこと)
最近の米国株上昇は、主にマグニフィセント7によるものだった。
(参考:7/31日銀追加利上げの内容)
・政策金利を0~0.1%程度から0.25%程度へ引き上げ
・国債買入れは、原則として四半期ごとに4千億円程度ずつ減額し、これまでの月額6兆円程度から26年1~3月期に3兆円程度とする計画
2.経済に対する影響をバブル崩壊時と比べると
バブル経済時は、株価だけでなく不動産価格も大きく上昇し、その両者が実体経済を押し上げた。
バブル崩壊は、株価と不動産価格の下落を通じて実体経済に大きなダメージを与えた。
それに対し、今回は不動産価格の上昇はさほど顕著ではなく、また株価上昇を支えたのは外国資金が大きかったこともあり、実体経済に対する影響も大きくはなかった。
したがって、今回の株価下落がさほど実体経済に悪影響を及ぼすとも思えない。
(逆にいえば、今後不動産価格も下落に転じるのであれば、実体経済への悪影響もその分大きくなるので、その点は注視する必要がある。)
3.逆に、円高を評価できる面もある
円高は確かに輸出企業の業績に悪影響を及ぼすという面はあるが、他の面も見るべきであろう。
これまで円安等による輸入物価上昇が国内物価上昇を引き起こし、実質賃金を減少させていた。
(円安等の「等」は、コロナ禍からの回復期の世界的混乱、ロシアのウクライナ侵攻などによる世界的な物価上昇。)
輸入物価の上昇がおさまれば、賃上げがそのまま実質賃金の上昇につながり、消費者の購買力を増やす効果も期待できる。
これに関連して、厚労省毎勤統計によると、6月は現金給与総額4.5%増により実質賃金も1.1%増となり、27か月ぶりにプラスに転じた。
これ自体は評価できるが、ただ内容をみると、季節的にボーナスの寄与が大きく、所定内給与は2.3%増にすぎないため、先行きは楽観できないと考える。
4.今後の為替と株価の見通しなど
為替需給を考えると、日本の貿易赤字、デジタル赤字、NISA資金の海外流出などの基調は変わらないと見られるため、140円を超える円高とはなりにくいだろう。
今後の為替相場については、1ドル140円~150円の間で推移するのではないか。
株価は、年度末(来年3月)に向けて再び4万円をうかがうと見る(これは某証券会社の見通し。私は株の動きはよく分かりませんが、これまで書いてきたこととの矛盾はないはず。)
なお、私は以前から日銀の利上げにより長期金利上昇から国債費が財政を圧迫することを懸念しています。
そちらの方が大問題だと考えていて、心配をする人がほとんどいないのがむしろ不思議です。
もちろん杞憂に終わればその方が良いのですが。
★ 今日のロジバン 不思議の国のアリス214
.i .abu sutra falcru by pu lo nu zi mo’u sai jdika
あわててそれを落としました。危ないところで、縮みきって消えてしまわずにすんだのです。
falcru : 落とす,c1(者)は f1を f2に f3から <- fal+cru, fal<- farlu 落ちる, cru<- curmi 許容
pu : 過去。より前に。間制詞(時間・方向・過去)PU類
zi : 少し前/先(時間的)。間制詞(時間・程度・小)ZI類
mo’u : 「完了する」。完了時点を表す相制詞ZAhO類 <- mulno
sai : 強。心情や態度が強いことを表す。心態詞CAI類
主述語はtanru { sutra falcru } で、c1は .abu 、f1が by です。
字詞 by は、 { lo bifpra } 「扇子」の代項詞の役割を果たしています。
後ろから間制節 { pu lo nu zi mo’u sai jdika } が掛かっています。
{ pu lo nu zi mo’u sai ~ } 「あと少しで~してしまう前に」=「辛うじて~しないで済む」という言い回しは覚えておく価値がありますね。
出典は、
lo selfri be la .alis. bei bu'u la selmacygu'e (lojban.org)