1.第51回将棋大賞
昨日4月1日(月)午後、東京都渋谷区「東京・将棋会館」で2023年度中に活躍した棋士を表彰する将棋大賞選考委員会が開催され、第51回将棋大賞の各賞受賞者が決定しました。
第51回将棋大賞受賞者のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
以下の紹介では、女流関係外一部の賞は省略します。
( ) 内は、何度目の受賞かを示します。
第51回(2024年)
最優秀棋士賞:藤井聡太竜王・名人 (4)
優秀棋士賞 :伊藤匠七段 (初)
敢闘賞 :丸山忠久九段 (初)
新人賞 :藤本渚五段 (初)
最多対局賞 :伊藤匠七段 69対局 (初)
最多勝利賞 :伊藤匠七段、藤本渚五段 51勝 (共に初)
勝率一位賞 :藤井聡太竜王・名人 46勝8敗 0.852 (6)
連勝賞 :佐々木大地七段 15連勝 (初)
東京将棋記者会賞:小林健二九段、小山怜央四段
升田幸三賞 :伊藤匠七段(棋王戦第1局などにおける持将棋定跡)
升田幸三賞特別賞:村田顕弘六段(村田システムなど独自の工夫に対して)
名局賞 :第71期王座戦挑戦者決定戦 藤井聡太竜王・名人 VS 豊島将之九段
名局賞特別賞:第71期王座戦第4局 永瀬拓矢王座 VS 藤井聡太竜王・名人
以下私のコメントです。
賞のうち最多対局賞~連勝賞は記録部門4賞と呼ばれ、対象年度の成績により自動的に決まります。
それ以外は、選考委員会による選考の結果です。
最優秀棋士賞は、前人未到の八冠制覇を達成した藤井竜王・名人で、満場一致とのこと。当然ですね。
藤井八冠は勝率一位賞も受賞していますが、0.852は中原誠十六世名人の樹立した歴代最高勝率に次ぐ歴代2位となります。
優秀棋士賞の伊藤匠七段は、棋王・竜王・叡王の3棋戦に挑戦を決めた点が評価されたとのこと。
敢闘賞は、千勝達成し53歳で藤井八冠を倒して銀河戦(全棋士参加棋戦)で優勝した丸山忠久九段。
なお、優秀棋士賞と敢闘賞に関しては永瀬拓矢九段を推す声もあり、意見が割れたようです。
新人賞は、新人王戦で準優勝し、歴代4位の高勝率を挙げた藤本渚五段。
高校生棋士でしたが、今春高校を卒業しいよいよ将棋に全力投球です。
升田幸三賞は、藤井八冠との棋王戦五番勝負第1局で持将棋定跡を見せた伊藤匠七段。
話題となり賛否両論分かれましたが、やはりプロの評価は高いのですね。
升田幸三賞特別賞は、王座戦挑決T2回戦で村田システムにより藤井八冠を苦しめた村田顕弘六段。
名局賞特別賞は藤井八冠誕生を決めた王座戦五番勝負の第4局です。
升田幸三賞特別賞、名局賞、同特別賞は、いずれも八冠達成を阻む最後の壁だった王座戦関連です。
東京将棋記者会賞はベテランの棋士の受賞が多いのですが、小山怜央四段は奨励会経験なしでプロ編入試験に合格した快挙が評価されたとのこと。
こう見てくると、敢闘賞は除くとしても、
最優秀棋士賞、勝率一位賞、升田幸三賞、升田幸三賞特別賞、名局賞、名局賞特別賞
に藤井八冠が関わっています。
まさに、現在の将棋界は藤井八冠を中心に回っていると言えるでしょう。
また、今後の将棋界で藤井八冠とずっと戦っていくライバルの姿も見えてきます。
それは、伊藤匠七段と藤本渚五段です。
匠七段は藤井八冠と同学年であり今現在すでにライバルとなっていますが、今後も活躍し続けるのは間違いありません。
藤本五段は、年度末まで藤井八冠と歴代最高勝率の更新に向けて争い続けましたね。
少し気が早いようにも思いますが、「藤」井、伊「藤」、「藤」本の3人が活躍する三藤時代の到来とする声もあるようです。
匠七段、藤本五段のお二人とも、順位戦での昇級を果たしており、まずは今年度2024年度の活躍を期待します。
2.叡王戦と名人戦
藤井八冠はすでに全タイトルを独占しているので、タイトル戦の年間スケジュールは藤井八冠とともに、また藤井八冠の対局予定はタイトル戦の年間スケジュールとともにあります。
タイトル戦のうち年度明けすぐに始まるのが、叡王戦と名人戦です。
叡王戦については、一応第4局まで載せておきます。
第9期叡王戦五番勝負(2024年4月~6月)
叡王 藤井聡太竜王 vs. 挑戦者 伊藤匠七段
1日制・持時間4時間・チェスクロック
主催 不二家 特別協賛:ひふみ
叡王戦 日にち 場所 .
第1局 4/7日 名古屋市「か茂免」
第2局 4/20土 石川県加賀市「アパリゾート佳水郷」
第3局 5/2木 名古屋市「名古屋東急ホテル」
第4局 5/31金 千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」
特別協賛となっている「ひふみ」は投資信託の会社です。
加藤一二三先生とは何の関係もないようですね(^^
名人戦についてはすでに3月に掲載していますが、再掲します。
(表に一見して分かる間違いがありました。申し訳ない。3月の記事も訂正しておきます。)
第82期名人戦七番勝負(2024年4月~6月)
名人 藤井聡太八冠 vs. 挑戦者 豊島将之九段
2日制・持時間9時間・ストップウォッチ
主催 毎日新聞社、朝日新聞社
名人戦 日にち 場 所 .
第1局 4/10・11水木 東京都文京区「ホテル椿山荘東京」
第2局 4/23・24火水 千葉県成田市「成田山 新勝寺」
第3局 5/8・9水木 東京都大田区「羽田空港第1ターミナル」
第4局 5/18・19土日 大分県別府市「割烹旅館もみや」
第5局 5/26・27日月 北海道紋別市「ホテルオホーツクパレス」
第6局 6/11・12火水 愛知県名古屋市「亀岳林 万松寺」
以上から、藤井八冠の4月と5月の対局予定を日付順に並べておきます。
藤井聡太八冠の2024年4月・5月の対局予定
日にち 棋戦名 場所 .
4/7日 叡王戦第1局 名古屋市
4/10・11水木 名人戦第1局 東京都文京区
4/20土 叡王戦第2局 石川県加賀市
4/23・24火水 名人戦第2局 千葉県成田市
5/2木 叡王戦第3局 名古屋市
5/8・9水木 名人戦第3局 東京都大田区
5/18・19土日 名人戦第4局 大分県別府市
5/26・27日月 名人戦第5局* 北海道紋別市
5/31金 叡王戦第4局* 千葉県柏市
(注) *印は行われない場合もあり得る。
4月はすでに4局が決まっています。
その前後に移動日が加わるわけです。
叡王戦・名人戦合わせて名古屋開催が多いように感じますが、藤井八冠の移動時間に配慮したのかな?
3.順位戦の昇級・降級
順位戦は年度の1年間を通じて戦われる棋戦であり、持時間6時間はタイトル戦以外の棋戦で最長です。
(その次は、竜王ランキング戦と王座戦の5時間)
順位戦の対局は朝10時に始まり、ときに日付をまたぐほどの長時間となります。
また、棋士は自営業主ですが、勤め人の月給に相当する金額は順位戦のクラスに従って支給されます。
ですから、タイトルとしては名人より竜王の方が上とされますが、棋戦としては竜王ランキング戦よりも順位戦の方が重視されます。
棋士の格付けとしては、タイトル獲得数と並んでA級以上在籍年数が言及されます。
(もちろんどちらも、トップレベルに達したことのある棋士のみ触れられます。)
順位戦は、次の5つのクラスに分かれて戦われます。
A級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組
これら以外にフリークラスがありますが、フリークラスは順位戦を戦えない(戦わないことを選択した)棋士が属し、C級2組よりも下とされます。
順位戦の各クラスとも2月末~3月に最終的な結果が出て、昇級と降級が決まりました。
10人が属すA級は、豊島将之九段が7勝2敗で名人挑戦、広瀬章人九段と斎藤慎太郎八段がともに3勝6敗で降級が決まりました。
広瀬八段は順位が2位、斎藤八段は順位が5位で年齢が若い方だったので、どちらも降級は意外でした。
実力が伯仲していて誰が降級してもおかしくないというA級の怖さを感じます。
一方で失礼ながら、竜王ランキング戦で5組まで陥落した中村太地八段が残留するとは思っていませんでした。
13人が属すB級1組は、千田翔太八段と増田康宏八段がともに9勝3敗で昇級、屋敷伸之九段(5勝7敗)、木村一基九段(3勝9敗)、横山泰明七段(2勝10敗)の3名が降級となりました。
一方、B級2組から上がってくるのは、大石直嗣七段、高見泰地七段、石井健太郎七段の3名です。
この結果、新年度第83期順位戦のA級とB級1組の顔ぶれは次のようになります。
ただし、年齢は本日現在。
第83期順位戦A級
順位 氏名 年齢
1 藤井か豊島
2 永瀬拓矢九段 31
3 渡辺明九段 39
4 菅井竜也八段 31
5 稲葉陽八段 35
6 佐藤天彦九段 36
7 佐々木勇気八段 29
8 中村太地八段 35
9 千田翔太八段 29
10 増田康宏八段 26
個人的には、A級最年少となった増田八段がどの程度活躍するかに注目しています。
第83期順位戦B級1組
順位 氏名 年齢
1 広瀬章人九段 37
2 斎藤慎太郎八段 30
3 近藤誠也七段 27
4 澤田真吾七段 32
5 羽生善治九段 53
6 大橋貴洸七段 31
7 糸谷哲郎八段 35
8 佐藤康光九段 54
9 三浦弘行九段 50
10 山崎隆之八段 43
11 大石直嗣七段 34
12 高見泰地七段 30
13 石井健太郎七段 31
B級1組は昔から「鬼の棲み処」と称され、また順位戦の対局数が年間12局と他クラスより多い点でも厳しいクラスです。
次期昇級候補としては、A級から陥落したばかりの広瀬、斎藤のお二人は最有力でしょうが、個人的には最も若い近藤七段、藤井八冠と同期でお洒落な大橋七段、それに例の29連勝時に藤井八冠に2勝献上した澤田七段あたりに期待しています。
B級2組以下については簡単に。
C1からB2に昇級したのは、服部慎一郎六段(24)、古賀悠聖六段(23)、伊藤匠七段(21)の3名。
C2からC1に昇級したのは、富田誠也五段(28)、高田明浩五段(21)、藤本渚五段(18)の3名。
匠七段と藤本五段は将棋大賞の受賞からしても間違いなく将来のA級候補でしょうが、他の方々もそれなりに有望かと思います。
なお、レーティングの高い八代弥七段と佐々木大地七段がいつまでもC級2組に残留しているのは、将棋界の不思議とされます。
私は八代七段には思い入れはありませんが、藤井八冠に合計4勝していてかつ昨年度棋聖戦と王位戦のダブルタイトル戦で藤井八冠と戦った大地七段には今年度は是が非でも昇級していただきたいのですが、残留力が強すぎて(^^;難しいのかな・・・
★ 年度も変わったので、髪を切りました。やはり気分がすっきりしますね。
私の住むマンション北側の児童遊園に桜が何本かあって、毎年綺麗な花を咲かせるのですが、今日の昼、二分咲きくらいの桜の下で花見をしている十人ほどの女性グループを見かけました。雨が心配なので今日にしたのかもしれませんが、少し寂しい花見に見えました。
★★ 今日のロジバン 不思議の国のアリス183
ba’a ny ba cilce fengu va’o lo nu mi gasnu lo nu ny denpa li’u»
待たせたりしたら、情け容赦なんかありゃしない!」
ba’a : 予期するに。心態詞(認識系)UI2類。<- balvi 未来、後
cilce : 野生だ,x1は。-cic- [生命・動物]
fengu : 憤慨している/怒っている,x1は x2(者)に対して x3(事/性質)について。-feg-, -fe’u- [生命・感情]
va’o : ~を環境/状況として。法制詞BAI類 <- vanbi 環境/周囲
gasnu : する,x1(者)は x2(事)を。-gau- [過程・因果]
denpa : 待つ,x1は x2(事)を x3(状態)しながら x4(事)の開始/再開以前に [過程・制御過程]
白ウサギの発言のうち、命題部です。
全体の主述語は { ba cilce fengu } 、そのx1は字詞 ny で、これは noltroni’u 「公爵夫人」の代項詞です。
「野性的に怒る」という日本語はないので、「情け容赦ない」としています。
また、va’o が導く法制節が後ろから係っています。
法制節の中の主述語は gasnu で、そのx1は mi、x2は抽象節 { lo nu ny denpa } 「公爵夫人が待つ」なので、法制節全体で「私が公爵夫人を待たせたら」となります。
出典は、