年末まとめの第6弾です。
日にちは遡りますが、産経新聞12月17日(日)付(紙版13版)p.11(特集)の表題記事です。
まずは右上の解説文から。
例によって見やすいよう改行を入れます。以下同様
>世界で猛威をふるった新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除された2023年。
その沈静化に貢献したメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの開発に貢献した研究者2人がノーベル生理学・医学賞を受賞した。
また、難病アルツハイマー病に対する画期的な新薬が登場し、次世代エネルギー源が試験運転を再開。
「科学の力」を示した1年だった。
一方で、日本の宇宙開発をめぐっては、14年ぶりに日本人宇宙飛行士が誕生したものの、ロケット打ち上げや開発は相次いで失敗。
不安を露呈した。
科学の1年を振り返る。<
「科学の力」を示した1年ですか。
まあ、そう言えなくもないけど毎年のことですよね・・・
見出しが大小縦横上下入り乱れて、合計8つあります。
大きい方から順に並べて、元記事にはない番号も振ります。
1.「mRNA」ノーベル生理学・医学賞
2.日本の宇宙開発 失敗相次ぐ
3.JAXA宇宙飛行士候補 14年ぶり誕生
4.木星衛星探査機成功
5.国産初 量子コンピューター稼働
6.JT-60SAがプラズマ初生成
7.科博CF9億円超
8.アルツハイマー病「レカネマブ」承認
1はmRNAを強調して、記事の中でもそのメカニズムを解説しています。
カリコさんの研究者人生に焦点を当てた読売とは対照的ですが、どちらも「あり」だと思います。
2では冒頭の一文を引用します。
>今後約20年で150兆円近くに急拡大すると予測される宇宙ビジネス市場で存在感を示すことが、わが国の持続的経済成長にひっすだが、2023年の日本の宇宙開発は失敗が相次いだ。<
経済新聞らしい着眼だと思います。
この後で、「H3」と「イプシロンS」の失敗、「アイスペースの月面着陸船、墜落・月面衝突」が続きます。
4はこれまで取り上げてこなかったので、全文引用します。
>木星とその衛星を目指す探査機「JUICE(ジュース)」が4月14日、南米のフランス領ギアナにあるクール―宇宙基地からアリアン5ロケットで打ち上げられた。
欧州宇宙機関(ESA)が主導する探査計画で、日本も観測機器の開発などで参加。探査機は約8年後の2031年7月に木星軌道に到達し、35年まで木星と衛星をめぐる。
氷に覆われ内部に液体の水の海があるとされる衛星「ガニメデ」などを詳細に観測し、太陽系の成り立ちや地球以外にも生命が存在する可能性などを探る。<
5の国産量子コンピューターは、朝日科学の1に含まれていましたが、読売科学にはありませんでした。
ただ、朝日科学1のメインである「生成AI」は、産経も無視しています。
経済的にも最も重要だと思うんだけどなぁ・・・
6は、不具合で約2年停止していた核融合施設(茨城県那珂市)の再稼働で、プラズマ生成は10月です。
なお、朝日、読売ともにこれには触れていません。
7「科博CF」は、上野の国立科学博物館のクラウドファンディングで、目標額1億円のところ、3か月間に延べ5万6,584人から9億1602万円集まったとのことです。
朝日は、「国際卓越研究大学」記事の後半でこれを取り上げています。
8のアルツハイマー病新薬は、製薬会社名(エーザイとバイオジェン)が登場するところが経済新聞らしいです。
でも、1のコロナワクチンでは製薬会社名は出てきていません。
朝日は、コロナ記事の最後にアルツハイマー病新薬にも触れています。
他に、朝日、読売との違いでは、産経は「処理水放出」も「温暖化・異常高温」も含んでいません。
これってどうなんだろうと思いますが、その代わりに、宇宙関係を充実させたということかな。
また、朝日の6,7,8に並ぶ「クマ被害」「有機フッ素化合物」「国際卓越研究大学」も産経にはありません。
朝日は「科学・環境」なので、温暖化やクマ被害を含めなければならないのは理解できます。
読売がコロナ記事の後で紹介している林克彦阪大教授の業績については、朝日同様に産経も振れていません。
★ 今日のロジバン 不思議の国のアリス135
.i mi va’o lo nu da’i gau ti mi braze’a cu snada lo nu cpacu lo ckiku
「これで大きくなったら、鍵に手が届くでしょ。
va’o : ~を環境/状況として。法制詞BAI類 <- vanbi 環境/周囲
da’i : 非現実 「もし~なら」「仮に」 心態詞(談話系)UI3類
gau : ~(動作者)によって/がして。法制詞BAI類 <-gasnu行う
braze’a : 育つ/量的に増大する,z1=b1は b2(性質)の面で z3(量)だけ <-bra+ze’a, bra<-barda, ze’a<-zenba 増える
snada : 達成する/成功させる,x1(者)は x2(成果)を x3(努力/試み)によって。-sad-
cpacu : 入手する,x1は x2(対象)を x3(起源)から。-cpa-
全体の主述語は { cu snada } で、そのx1が mi 、x2が { lo nu cpacu } 以降の抽象節です。
mi と主述語の間に、va’o で始まる法制節が挿入されています。
法制節内の主述語は braze’a「大きくなる」、そのx1は mi です。
抽象節 { lo nu cpacu lo ckiku } の主述語は cpacu 、そのx2は { lo ckiku }「鍵」で、x1は mi のはずですが省略されています。
出典は、