政治レベルの国際比較(2023/11/11) | 宇宙とブラックホールのQ&A

宇宙とブラックホールのQ&A

2019年6月6日にYahoo!ブログから引っ越してきました。よろしくお願いします。

 政治に関するいくつかの指標で日本の位置付けを見ようという試みです。

 出典はネット上の「グローバルノート」という日本語サイトと日本語wikiの「民主主義指数」という項目、米シンクタンクの平和基金会(The fund for peace : FFP)による「脆弱国家指数」(fragile states index)です。

 政治・行政 – 国際統計 Global Note

 Global Data | Fragile States Index

 前回が昨年10月だったので、今春一部改訂版を載せるつもりだったのですが、飽きてきたので、1年経過の今となりました。

 したがって、今回は全指数を改訂しています。

 

 取り上げるのは、次の11項目です。

  a.政治の民主化度

  b.政治的安定度

  c.政府機能有効性

  d.法規制の健全性

  e.法治度

  f.政治の腐敗抑制度

  g.世界の自由度

  h.インターネット自由度

  i.腐敗認識指数(ここまでグローバルノート)

  j.民主主義指数(wiki)

  k.脆弱国家指数(FFP)

 

 「グローバルノート」の9項目はいずれもポイントに基づいて評価しそれにより国のランク付けを行っているのですが、このうちa~fについてはランクだけ無料公開で、ポイントは有料会員に対してのみ公開となっています。

 このため、ここではa~fはランクのみ掲載します。

 また、i腐敗認識指数は、fの政治の腐敗抑制度と重複しますが、こちらはスコアが公開されているため、別途掲載しています。

 

 世界には200強の国と地域があるわけで、日本以外のどの国と比較するかという点ですが、次の基準で選びました。

 (後ろの数字は人口(単位百万人)。世銀による)

 1.人口2000万人以上の欧米系の先進国 ― 計8か国

  米(332)、独(83)、英(67)、仏(67)、伊(59)、西(47)、加(38)、豪(26)

 うち、G7に属するのは米、独、英、仏、伊、加の6か国です。

 2.アジアの先進国         ― 計5か国・地域

  韓国(52)、台湾(23)、イスラエル(9.4)、香港(7.4)、シンガポール(5.5)

 3.東アジアの近隣諸国       ― 計5か国・地域

  中国(1412)、韓国(再掲)、台湾(再掲)、北朝鮮(26)、香港(再掲)

 4.その他として          ― 計2か国

  インド(1393、世界最大の民主主義国家)、ロシア(143、米中以外の軍事大国代表)

 日本(126)を含め重複を除いて、合計18か国・地域を対象とします。

 

 たとえばセントビンセント・グレナディーンというような名前を聞いたこともないような小国と比較しても意味はないでしょう。

 また、大体どの項目でも、北欧諸国やベネルクス3国、ニュージーランドあたりが上位を占めることが多いのですが、そういう西欧の、あるいはそれから派生した小国はいずれも人口が2千万人未満であるため、日本と比べてもそれほど意味はないと思い、上のような基準にしました。

 ただし、先進国が少ないアジアに関しては人口で区切りを設けず、イスラエル、香港、シンガポールは人口2千万人未満ですが比較に含めています。

 なお、産油国は経済水準をみれば先進国なのですが、政治的には必ずしも先進国とはいえないため、今回の比較には含めません。

 

 1の国々は、表の中では漢字一文字表示にします。

 各行は順位、国名の順で、根拠となるポイント・スコアが公表されている場合は、それをPとして順位と国名の間に入れます。更新されている場合は、国名の後に過去の数値を載せます。

 

  a.政治の民主化度(2022年、全208か国、世界銀行)

 市民の参政権・政府選択権の可否、報道の自由、表現の自由、結社・組合の自由の観点からポイント化して評価。(ポイントは会員限定)

 順位 国名   2021年 2020年 2019年 

  10 加       9   9   9

  12 独      10   13   11

  15 豪      13   15   ―

  23 英      16   23   20

  30 仏      26   37   26

  36 台湾     29   34   41

  37 伊      32   38   42

  42 日      35   43   45

  43 西      42   41   ―

  53 韓国     47   59   56

  57 米      53   57   44

 68 イスラエル  68   66   61

 106 インド   101   98   87

 116 シンガポール 124  129   124

 135 香港    128   108   94

 178 ロシア   167   167   167

 195 中国    197   198   191

 208 北朝鮮    208  208   204(最下位)

 ・日本はG7の中では6位です。アメリカは日本より下です。

 ・シンガポールは他の項目は上位に来るのですが、これと自由度は低く、強権的な政治体制であることが分かります。

 ・ロシアは選挙の不正や弾圧がありますが、形の上だけでも選挙制度というものが存在するのに対し、中国はそれすらないため最下位の北朝鮮とさほど変わらない順位です。

 ・香港の民主化度は低下を続けています。

 

  b.政治的安定度 (2022年、全213か国、世界銀行) 更新

 非合法な政治活動や暴力的な政治活動、テロ行為などによって政府転覆や政府機能の弱体化が見込まれる度合いでポイント化し評価(ポイントは会員限定)

 順位 国名   2021年 2020年 2019年 

  7 シンガポール  6   7   6

 29 日      30   28   31

 40 豪      56   58    ―

 57 加      43   22   32

 60 台湾     60    60   63

 70 独      63   67   71

 72 香港     97   107   134

 76 韓国     70   80   82

 81 英      80   83   77

 89 伊      77   86   83

 94 仏      93   93   88

 100 西      76   90   ―

 117 米     112  115   90

 149 北朝鮮   149  142  136

 153 中国    151  133   131

 161 インド   161  177  166

 179 ロシア   164  169  157

 188 イスラエル 184  174  171

 ・日本はG7の中でトップです。

 ・欧米先進国が苦戦しています。特に、アメリカの順位が大幅に落ちているのが目に付きます。大統領選の混乱が尾を引いているのだと思います。

 ・独裁政治の国であっても上位にあるとは限らないのが興味深いです。

 

  c.政府機能有効性(2022年、全213か国、世界銀行) 更新

 公共サービスの質、公務員の質及び政治的圧力からの独立性、政策策定・実行の質、政府の政策コミットメントへの信頼性の観点からポイント化し、評価。(ポイントは会員限定)

 順位 国名  2021年 2020年 2019年 

  1 シンガポール  1   1   1

  9 日       21  15  14

 10 香港     14  11   9

 13 加      11  13  11

 16 豪      16  14  -

 21 台湾     18  17  20

 22 韓国     20  22  25

 26 独      26  24  15

 29 米      25  28  19

 31 英      29  23  21

 32 イスラエル  27  36  27

 37 仏      30  29  23

 48 西      45  47  -

 68 中国     50  58   60

 71 伊      74  69   65

 79 インド    79  70  85

 158 ロシア   115  95  88

 198 北朝鮮   196  195  193

 ・日本は順位が上がって、G7の中ではトップとなりました。もともと高かったのなら分かるのですが、今回上がった理由は不明です。

 ・イタリアは、中国より下で先進国とはいえない低さです。

 ・韓国では公務員に対する政治的圧力が強いのではないかと思っていましたが、このデータをみると欧米先進国よりも上位に来ています。

 

  d.法規制の健全性(2022年、全213か国、世界銀行)

 政府が民間部門の発展を促進させるような健全な政策や法規制を制定・実行しているかの観点からポイント化して評価。

 順位 国名   2021年 2020年 2019年 

  1 シンガポール  1   1   ―

  2 豪       4   5   ―

 10 加      13   13   10

 14 香港     14   7   ―

 15 英      20   17   14

 17 独      12   15   9

 19 日      22   23   25

 20 米      21   27   24

 21 台湾     19   22   21

 30 イスラエル  32   28   28

 32 仏      30   31   20

 35 韓国     35   40   38

 52 西      55   56   ―

 67 伊      64   67   49

 105 インド   106   110   108

 135 中国    123   105   120

 185 ロシア   141   134   134

 213 北朝鮮   209   209   209(最下位)

 ・日本は、G7の中では4位です。

 ・これもイタリアが低いです。

 

  e.法治度(2022年、全213か国、世界銀行)

 当局者がどの程度信頼を持ち、社会のルールを順守しているかの点を評価。 特に契約履行、財産権、司法などの質及び暴力・犯罪の観点からポイント化して評価。(ポイントは会員限定)

 順位 国名   2021年 2020年 2019年 

  3 シンガポール  4    4    8

 16 加      17   16   12

 17 日      19   20   21

 18 独      18   19   17

 20 豪      16   17   ―

 24 英      23   22   19

 25 米      24   25   22

 27 香港     21   18    18

 29 台湾     26   28    32

 32 仏      27   26   23

 33 韓国     33   33    30

 41 イスラエル  39   38   38

 49 西      45   46   ―

 89 伊      85   83   81

 96 インド    101   96   100

 101 中国     97   99   115

 187 ロシア    167  162  157

 203 北朝鮮    199  199  199

 ・G7の中では日本が2位です。

 ・イタリアが極端に低いのが目に付きます。発展途上国並みです。

 

  f.政治の腐敗抑制度(2022年、全213か国、世界銀行) 更新

 公権力がどの程度私腹を肥やすために使われているかの観点で評価されている。 腐敗には大規模な汚職だけでなく小規模な汚職、高級官僚による国家利権の収奪なども含まれ、ポイント化して評価。(ポイントは会員限定)

 順位 国名  2021年 2020年 2019年 

  4 シンガポール 4  3   2

 10 独     10   11   11

 11 豪     12   14   -

 15 加     17   18   15

 16 英     15   13   14

 17 香港    13   15   17

 21 日     20   21   22

 32 仏     28   33   24

 37 台湾    32   32   37

 38 米     35   37   33

 46 イスラエル 41   62   45

 50 韓国    48   51   49

 54 西     50   50   -

 67 伊     65   65   80

 96 中国    88   99   119

 119 インド  112  112  110

 172 ロシア  168  169  164

 208 北朝鮮  204  206  203

 ・日本は、G7では真ん中の4位です。

 

  g.世界の自由度(2023年、全197か国、Freedom House)

 各国の自由度を「政治的権利」と「市民自由度」の分野で25の指標をレーティングして評価。

 順位 P 国名      2022年  2021年 

  5 98 加       5 98  5 98

 11 96 日       11 96  12 96

 16 95 豪       14 95   8 97

 18 94 独       17 94  18 94

 18 94 台湾      17 94  18 94

 24 93 英       22 93  23 93

 40 90 伊       39 90  40 90

 40 90 西       39 90  40 90

 44 89 仏       44 89  40 90

 59 83 韓国      59 83  58 83

 59 83 米       59 83  58 83

 74 77 イスラエル   77 76  77 76

 90 66 インド     90 66  86 67

 125 47 シンガポール 124 47   122 48

 130 42 香港     127 43   118 52

 170 16 ロシア    164 19   166 20

 182 9 中国     182  9  186  9

 194 3 北朝鮮    194  3  194  3

 ・日本の順位が高いのと、アメリカの順位が低いのが目に付きます。

 ・中国と北朝鮮が一桁です。当然ですね。 シンガポールも低いです。

 ・香港は低下が続いています。

 

  h.インターネット自由度(2023年、全70か国、Freedom House) 更新

 インターネット及びデジタルメディアにおける言論・表現の自由度を「アクセス規制」・「コンテンツ規制」・「ユーザー権利の侵害」の3分野の観点からスコア化して評価。

 順位 P 国名    2022年  2021年  2020年 

  3 88 加     4 87  3 87  3 87

  5 79 英     5 79  7 78  5 78

  6 78 台湾    5 79  5 80  -

  7 77 日     8 77   10 76   11 75

  7 77 独     8 77  6 79  4 80

  9 76 豪     10 76  12 75  -

  9 76 米     10 76  12 75  7 76

  9 76 仏     10 76  7 78  6 77

 13 75 伊     13 75  10 76  7 76

 19 67 韓国    20 67  19 67  17 66

 35 54 シンガポール 35 54  34 54  32 54

 41 50 インド   37 51  40 49  36 51

 66 21 ロシア   65 23  57 30  51 30

 70  9 中国     70 10  70 10  65 10(最下位)

 (西(スペイン)の掲載なし)

 ・日本は、G7の中では中程度ですが、5位のイギリスから13位のイタリアまでスコアの差はあまりありません。

 ・中国は不動の最下位です。わき目もふらずにデジタル管理社会をつくりあげているのでしょう。

 

  i.腐敗認識指数(2022年、全180か国、Transparency International)

 政府・政治家・公務員などの公的分野での腐敗度を10~11機関が調査した12~13種類の調査報告に基づいてスコア化し評価。

 順位 P  国名    2021年  2020年 

  5 83 シンガポール  4 85   3  85

  9 79 独      10 80   9  80

 12 76 香港     12 76  11 77

 13 75 豪      18 73   ―

 14 74 加      13 74  11 77

 18 73 日      18 73  19 74

 18 73 英      11 78  11 77

 21 72 仏      22 71  23 69

 25 68 台湾     25 68  28 65

 24 69 米      27 67  25 67

 31 63 韓国     32 62  33 61

 35 60 西      34 61   ―

 31 63 イスラエル  36 59  35 60

 41 56 伊      42 56  52 53

 65 45 中国     66 45  78 42

 85 40 インド    85 40  86 40

 137 28 ロシア   136 29  129 30

 171 17 北朝鮮   174 16  170 18

 ・日本は、G7の中では3位です。

 ・そして、イタリアが低いです。

 

  j.民主主義指数(2021年、全167か国、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット研究所、同研究所は英エコノミスト誌傘下)

 各国の政治の民主主義レベルを、選挙過程と多元性、政府機能、政治参加、政治文化、人権擁護の5つの部門から評価した指数。それに基づき、政治体制を完全な民主主義(8超)、欠陥のある民主主義(6超8以下)、混合政治体制(4超6以下)、独裁政治体制(4以下)の4つに分類

 順位 P  国名     2021年         

 10 8.99 台湾     8 8.99

 12 8.88 加      12 8.87

 14 8.80 独      15 8.67

 15 8.71 豪      9 8.90

 16 8.33 日      17 8.15

 18 8.28 英      18 8.10

 22 8.07 仏      22 7.99

  同    西      24 7.94

 24 8.03 韓国     16 8.16 完全な民主主義  

 29 7.93 イスラエル  23 7.96 

 30 7.85 米      26 7.85

 34 7.69 伊      31 7.68

 46 7.04 インド    46 6.91

 70 6.22 シンガポール 66 6.23 欠陥のある民主主義

 88 5.28 香港     85 5.60  混合政治体制   

 146 2.28 ロシア   124 3.24 ↓独裁政治体制

 156 1.94 中国    148 2.21

 165 1.08 北朝鮮   165 1.08

 

 ・日本はG7の中では3位です。 

 ・「完全な民主主義」では、韓国が数値、順位とも落としているのが目立ちます。 2022年5月の政権交代の影響でしょうが、具体的なことは分かりません。

 ・「欠陥のある民主主義」では、イスラエルが数値、順位ともに落としています。

 米、伊、シンガポールは、数値はほぼ変わっていないのですが、この表に載っていない国々が数値を上げた影響で順位が下がっています。

 ・「混合政治体制」の香港は、数値が大幅に落ち、順位も下がっています。2022年7月に行政長官が警察出身者に交替して、中国による独裁支配が一層浸透している影響でしょう。

 ・「独裁政治体制」では、ロシア、中国がともに数値、順位の両方を落としています。

 ・1.08の北朝鮮は下から3番目で、最低は0.32のアフガニスタン、次が0.74のミャンマーです。

 詳細は次の記事を参照。

 民主主義指数あれこれ | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)

 

  k.脆弱国家指数(2023年、全179か国、平和基金会(FFP, 米シンクタンク))

 国家の統治が脆弱化する要因となる12の指数をFFPが10点満点の総計120点で採点し、点数が高い国ほど国家体制が「脆弱」であると評価する。

 指数の性格上、a~jと上下が逆になっている点に注意。

 順位 指数 国名       12のうち特に悪い指数       

  37  87.0 北朝鮮     9.8 正当性,9.4 人権,9.2 派閥

  53  80.7 ロシア     9.3 人権,9.1 正当性

  73  74.1 インド     8.5 人口,8.1 不満

 101 65.1 中国      9.4 人権,8.1 正当性     要注意↑

 141 45.3 米       7.3 派閥,6.5 不満

 143 44.1 イスラエル   8.3 派閥,7.1 不満

 144 43.5 西       7.3 不満,6.9 派閥,6.3 正当性

 146 42.6 伊       5.4 経済

 148 41.9 英       6.1 不満,5.8 派閥,5.0 経済

 159 31.5 韓国      3.9 派閥,3.8 介入

 161 30.5 日       5.9 人口            安定↑

 162 28.8 仏       6.4 不満          持続可能↓

 165 25.5 シンガポール  4.5 人権,4.0 派閥

 166 24.6 独       4.5 難民

 168 22.0 豪       3.8 人口

 173 18.9 加       (なし。いずれも2.5以下)

 (主権国家扱いされない台湾、香港は含まれない)

 ・順位でも指数でも、中国と米の間に先進国とそれ以外の断絶があるように見受けられます。

 ・北朝鮮、ロシア、中国で上位に来る正当性とは、民主主義特に選挙制度の問題です。選挙で選ばれていない政権には、その正当性が問われます。それらの国では政治弾圧も日常的であることから、人権も上位に来ます。

 ・日本は、G7の中では下から4位、先進12か国の中では下から6位で、どちらで見てもほぼ中間です。人口減少が最大の問題とされているのは、的確だと思います。

 ・米は、国内の政治的対立から先進12か国中で最悪となっています。

 ・他の指数と比べると、イタリアがマシな数値、順位になっています。

 ・イギリスよりフランスがマシで両者の差も大きいのは、予想外でした。

 詳細は次の記事を参照。

 失敗国家指数 | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)

 

  まとめ

 全18か国中での、そしてG7の中での日本の順位だけ見ると、次のようになります。

              2023   2022 

    項目名      18 G7 18 G7  備考    

 a.政治の民主化度   8 6  8 6

 b.政治的安定度    2 1  2 1

 c.政府機能有効性   2 1  7 1

 d.法規制の健全性   7 4  9 5

 e.法治度       3 2  5 3

 f.政治の腐敗抑制度  7 4  7 4

 g.世界の自由度    2 2  2 2

 h.インターネット自由度4 3  4 3

 i.腐敗認識指数    6 3  6 4

 j.民主主義指数    5 3  6 3 完全な民主主義

 k.脆弱国家指数    6 4   -  下から数えて

 

 全18か国中、先進国は14か国なので、その真ん中は7,8番目となります。

 先進14か国でみてもG7でみても、日本は大体中くらいの順位となっているとしてよいでしょう。

 前年と比べ、今回はc,d,e,i,jでやや改善していますが、他の先進国が落ちた影響もあります。

 日本の政治にはさまざまな問題があり、それらを改善していかなければならないことは当然ですが、 「現時点で政治レベルの国際比較を行えば、日本は先進国と判断できる」 と結論できるでしょう。

 政治学者は政権交代の有無ばかり気にしますが、多面的な評価基準をもつ必要があると思います。

 

 他には、

 ・アメリカは、どの指数もG7の中では下の方です。

 経済の好調と比べ、政治面の問題は大きいと思います。

 (別記事では、平均寿命の低さを指摘しました。

 世界をデータで見るためのグラフ2 | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)

 ・グローバルノートの範囲内ではイタリアの順位がおしなべて低く、正直言ってG7に加わるレベルとは思えません。

 しかし、脆弱国家指数ではアメリカよりマシとなっています。

 ・台湾は日本より上の項目も多く、政治先進国と言えます。このような国が中国のような独裁国家に強制的に合併されるのは、あってはならないことだと思います。

 ・韓国は、グローバルノートの範囲ではイタリアを除くG7各国よりもおおむね低いのですが、民主主義指数では完全な民主主義として上位に来ています。

 ・シンガポールは、グローバルノートの範囲では強権的だが効率的な政府と見られますが、民主主義指数で判断すると辛うじて欠陥のある民主主義に入っています。

 ・中国は民主主義指数でみてもやはり独裁政治体制であり、経済はともかく、政治については先進国とはなり得ないと思います。

 ・インドは「世界最大の民主主義国家」のわりには、低い項目が多いです。

 ・イスラエルは、中東唯一の先進国(産油国を除き)であり民主国家であるはずです。

 そのわりには低い項目が多いとしてきましたが、民主主義指数で見る限り主要先進国と同程度です。

 ・一部の欧米先進国では、c.政府機能有効性など近年悪化した項目が見受けられますが、コロナ禍、物価高騰の影響があろうかと思います。

 

 

 ★ 11月8日(水)の立冬を過ぎて、ここ数日急に寒くなり一気に冬に突入した感があります。少し前まで半そでを着ていたのがウソのようです。

 

 ★★ 今日のロジバン 不思議の国のアリス116

   .i ku’i na ka’e morji lo nu viska lo tai dacti

  でも、そんなものを見た覚えがありませんでした。

 ka’e : できる/あり得る。内在的可能性。間制詞(様相)CAhA類

 morji : 思い出す/回想する,x1は x2(命題)を x3(題目)について。-moj-, -mo’i-

 tai : ~に似た形をした。法制詞BAI類 <- tamsmi 似ている

 dacti : 時空間内の存在/物体だ,x1は;x1は物だ。-dai-

 

 主述語は { na ka’e morji } 「思い出せない」で、そのx1はアリスですが省略されており、x2は抽象節 { lo nu viska lo tai dacti } 「似た形のものを見る」です。

 出典は、

 lo selfri be la .alis. bei bu'u la selmacygu'e (lojban.org)