祝 藤井聡太竜王A級昇級! | 宇宙とブラックホールのQ&A

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2019年6月6日にYahoo!ブログから引っ越してきました。よろしくお願いします。

 将棋の話題です。

 

 昨日3月9日(水)、順位戦B級1組最終局(13回戦)が一斉に行われ、藤井聡太竜王は佐々木勇気七段に勝利して、10勝2敗でA級昇級を決めました。

 おめでとうございます!

 私は、A級への昇級は竜王・名人以外のタイトル獲得と同列の重みがあると考えています。

 

 まず今対局直前までの状況です。

 B級1組は全13名で奇数なので、対局は全部で13回戦ありますが、各回1名が抜け番となり、各人12局を戦うことになります。

 藤井竜王は、それまでに稲葉陽八段と千田翔太七段に敗れて、9勝2敗で首位となっていました。

 次いで、その稲葉八段と千田七段が8勝3敗で追いかけるという展開です。

 A級への昇級枠は2名で、候補は上の3名に絞られていました。

 

 藤井竜王は、自身の勝ち、稲葉あるいは千田のどちらかの負けのいずれかの条件により昇級可能です。

 ただ、自力であれば次期A級での順位が9位、他力であれば10位となるため、是が非でも勝ちたいところです。

 

 対戦相手の佐々木勇気七段は、途中までは7連勝して首位を走っていましたが、その後4連敗したため、7勝4敗で成績は4番目、順位の関係ですでに昇級戦線からは脱落しています。

 ただ、順位戦はその名の通り順位が重要であるため、次期の順位を一つでも上げるためにも負けられない一局です。

 

 この機会に勇気七段の紹介をしておきます。

 (佐々木姓の棋士は3名いるので、このブログでは勇気七段とお呼びします。)

 勇気七段は、1994年8月スイス・ジュネーブ生まれの27歳。

 眼光鋭いイケメン棋士です。(連盟の棋士データベースでお顔が確認できます。)

 藤井竜王との関係では、2017年7月2日の竜王戦決勝トーナメント、藤井聡太当時四段のデビュー以来の連勝記録がかかった一局で、マスコミ報道が過熱する中、見事聡太四段を破って30連勝を阻止した因縁の相手として有名です。

 その後、前期順位戦B級2組では1回戦で対決し、藤井竜王が勝利しています。

 B級2組の昇級枠は3名ですが、前期は最終的に藤井竜王が1位、勇気七段が2位で、同時にB級1組への昇級を決めています。

 

 昨日の対局は、勇気七段が先手、藤井竜王が後手で、先手が角換わりを選び、途中までは勇気七段が攻め、藤井竜王の持時間がどんどん減っていく展開でした。

 おそらく勇気七段の研究手と思われます。

 69手目先手7五桂の王手に、後手7四王と逃げますが、王が狭くて追いつめられたように見え、見る将ファンとしてはドキドキしました。

 しかし、次の先手71手目3二銀成が結果的に疑問手で、それ以降は評価値がどんどん後手に傾いていき、90手で先手投了となりました。

 

 

 全6局が終わり、結果は、B級1組からA級への昇級は藤井竜王と稲葉八段の2名、B級2組への降級は木村一基九段、松尾歩八段、阿久津主税八段の3名となりました。

 次期第81期順位戦では、藤井竜王はA級で戦うこととなります。

 A級で最多勝利を挙げれば、次はいよいよ名人に挑戦です。

 ただ、4月から始まる名人戦が終わらないと、A級のメンバーが確定しないため、A級順位戦の展望については確定後に載せたいと思います。

 羽生九段は同じタイミングでA級陥落のため、藤井竜王とは入れ違いとなり、来期順位戦での対決はなくなりました。

 おそらくは今後も・・・

 

 

 藤井竜王のこれまでの順位戦の成績を星取表の形でまとめます。

   藤井聡太竜王の順位戦の歩み

 年度 期  級   順位  成績                   結果   

 2017 76 C級2組 45位 10連勝  ○○○○○○○○    昇級(首位)

 2018 77 C級1組 31位  9勝1敗  ○○○○○○●○    残留

 2019 78 C級1組  3位  10連勝  ○○○○○○○○    昇級(首位)

 2020 79 B級2組 21位 10連勝  ○○○○○○○○    昇級(首位)

 2021 80 B級1組 11位  11勝2敗 ○●○○○○○●○○ 昇級(首位)

 2022 81 A級    9位                                

  通算             50勝3敗

 

 順位戦は基本はクラス別のリーグ戦ですが、C級2組、C級1組、B級2組は人数が多いため、抽選で対局数は10局となっています。

 これに対し、B級1組とA級は、人数が少ないため、総当たりです。

 このため、対局数は、B級1組が最大の12局、A級が9局です。

 その他、順位戦の意義などについては次の記事をご覧ください。

 藤井二冠のB1順位戦の展望 | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)

 

 今期順位戦が始まる前は藤井竜王なら全勝での1期抜けもあり得ると期待したのですが、さすが「鬼の棲み処」と称されるB1、それほど甘くはありませんでしたね。

 それでも、首位での1期抜けは見事だと思います。

 

   順位戦での藤井竜王の敗北

   順位戦    日にち  通算  相手       生年 年齢 備考   

 1 C1 10回戦 2019/2/5  19 近藤 誠也 五段 1996/7 22 昇級できず

 2 B1 2回戦  2021/6/3   42 稲葉 陽   八段 1988/8 32

 3 B1 11回戦 2022/1/13 51 千田 翔太 七段 1994/4 27

 (注) 通算は通算何敗目かを表す。段位と年齢は当時のもの。

 

 

 今期順位戦は、本日3月10日にC級2組11回戦が行われており、それですべて終了します。

 今日の最大の見どころは、藤井竜王の同世代若手である伊藤匠四段がC2を一期抜けできるかどうかです。

 これまで将棋界のレジェンドだった羽生九段(永世七冠)には、羽生世代と称されるライバルたちがいました。

 藤井竜王には同世代のライバルがいなかっただけに、伊藤四段にはぜひ昇級を決めていただきたいものです。

 (2022/3/11追記。伊藤四段は9勝1敗でC2一気抜けを決めました。おめでとうございます。)

 また、伊藤匠四段は今年度勝率ランキングで藤井竜王と争っており、現在、伊藤四段が1位、藤井竜王が2位です。

 (対局数、勝数、連勝数ではすでに藤井竜王の1位が確定しています。)

 なお、藤井竜王の今年度勝率は 0.8125 で確定し、年度勝率8割以上という偉業を5期連続で継続しています。

 

 

 これで、藤井竜王の今年度の対局はすべて終了しました。

 4月以降の対局はほとんど決まっていません。

 ファンとしては聡太ロスで寂しい限りです。

 なお、今月は、将棋記事として羽生世代についてまとめた記事もアップする予定です。

 

 

 ★ 今日のロジバン

   .e’o lo jbobau ko bangu 「エホ ロ゚ ジバウ コ ング」

  ロジバンを使ってください。

 .e’o : 要請。してほしいという気持。心態詞(命題態度)UI1類

 jbobau : ロジバンだ <- jbo+bau, jbo<- lojbo, bau<- bangu

 lojbo : ロジバン系だ,x1は x2(性質面)に関して。-lob-, -jbo-

 bangu : 言語だ,x1は x2(使用者)が x3(概念/命題/文字列)を表すのに用いる; 話す,x2は x1語を。-ban-, -bau-

 

 主述語 bangu のx1が { lo jbobau }、x2がkoです。

 x1, x2を英語や日本語の主語、目的語と同様に考えてはピンときません。

 以前、ロジバンを意味する語には、lojban. という名称語(cmene)と lojbo という語根(gismu)の2つあることを述べましたが、3つ目が jbobau という合成語(lujvo)です。

 lojbo はロジバン系一般を指すので、{ lo lojbo } はロジバン話者やロジバンで書かれた作品等々の意味にもとれますが、{ lo jbobau } なら「ロジバンという言語」に限定されます。

 ちなみに、lojban. の造りは次の通りです。

 lojban : <- loj+ban,loj <- logji 論理的,ban <- bangu 言語

 出典は、

 gimste bau la'o by 日本語 by ji'u la <a href='http://jbovlaste.lojban.org'>jbovlaste</a> de'i li 2022-02-01 (guskant.github.io) banguの項