知人の女性大学教授からの依頼により、昨年に引き続き今年も八王子市内の山の上に立地する某私立大学校舎で社会科学系の講義を行いました。
2019年:大学で講義 | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)
昨年はちょうどクリスマスイブに当たったのですが、今年はその1週間前の17日なので、まあ常識的な日付でしょう。
法学部政治学科で彼女が行う選択科目授業の十何回目です。
法学部政治学科は約200人ということですが、私の呼ばれた選択科目は16名が受講。
テーマは昨年と同じなので、基本的にはデータの更新と1年間のエピソードを追加するだけで済むはずと思っていました。
しかし、今年は昨年まで数年間の傾向に加えて、コロナ禍における状況の激変を説明する必要が生じました。
ゼミはリアルの小教室で行っているそうですが、選択科目はコロナのためふだんはオンラインで質疑なしの一方通行ということです。
しかし、私の講義では質疑応答を行うという教授の方針により、200人程度入る大教室で、マイクを使い散開して行われました。
大学全体でもふだんの1/5程度しか人がいないため、大教室も空いているようです。
(入っている食堂業者は採算が取れず大変らしいです。)
その日は16名のうち14名が出席し、その科目の出席率としては高い方とのことです。
まあそんなものでしょうね。
うち男子が9名、女子が5名。
昨年ゼロだった女子学生がこんなにいると、だいぶテンションが違います(^_^
ただ、みんな顔の下半分はマスクであり、また大教室の中ほど右側に位置していて遠かったため、残念ながら私の視力では眼鏡をしていてもよく判別できなかったです。
90分授業ですが、私の講義は早めに終えて、後は教授が学生を指名して質問させ、私がそれに応答することにしました。
男子学生は次々に当てられても口を開かず、結局、男子学生からの質問は1名だけ。
昨年は(もちろん顔触れは違うものの)みんな質問していたので、ふだんの授業で質疑応答があるかないかの違いが反映したようです。
でも、女子学生は5名とも質問ないし感想をきちんと述べていました。
質問に答えて、さまざまな側面から説明できたことは良かったです。
[社会科学的問題というのは常にさまざまな当事者が関与しているので、最初からいずれか一つの立場が正しいと決めつけるのは望ましくありません。
複数の立場を比較することができるだけの認識の枠組みを用意することが、大学教育の役割の一つだと私は考えています。
そのためには、歴史、つまり過去の日本がどうであったかということと、国際比較、とりわけ日本と同様の状況に置かれた他国がどうしているかということの二点が重要です。
(経済学というツールは、数量的な認識を与えてくれるという点で優れていますが、教え方・学び方によるものの、答えが最初から一つしかないように思わせるバイアスがあり、両刃の剣といえます。)]
ただ、ある女子学生から(私の講義の中で)何回も出てきたリーマン・ショックというのは何ですか?と質問されたときは、世代の違いを痛感しました。
リーマン・ショックのとき、彼ら/彼女らは小学校低学年だったのだから、知っているはずはありませんね。
リーマン・ブラザーズの破綻から日本経済への影響、派遣切り、年越し派遣村まで、教授の手助けも借りざっと説明しました。
私もマイクで話をしましたが、質問も別のマイクを学生間で回して行ったため、授業終了時に教授が学生たちに手を洗うよう注意していました。
私は言われるまで手洗いの必要性に気づきませんでしたが、大学からコロナ対策の一環として指示されているのでしょうね。
あと、マイクの使い方がうまい学生はカラオケ馴れしているのかな(^_^
内容面でも形式面でも、今回はコロナの影響を強く感じさせられました。
女子学生が5名もいたので満足だったのですが、もう少し顔が見えれば・・・