天文と科学周辺の短歌・俳句から | 宇宙とブラックホールのQ&A

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今回は「はやぶさ」と「かぐや」が主で、しかも珍しくほとんどが短歌です。

朝日新聞2010年12月12日(日)
歌壇
 佐佐木幸綱 選
   カプセルで届けられたる微粒子は「はやぶさ」の遺児のような気のする
                       (鎌ヶ谷市) 正治 伸子
・本当に小さい微粒子だったので、なおさらそういう気がしたのでしょう。でも、その後で容器をポンとたたいたら、かなり大きい粒も転がり出てきたとのこと。
正治さんは7月5日の朝日にもはやぶさの歌を載せていて、相当のファンのようです。

   イトカワの石採り帰りし「はやぶさ」よ決め手となりしか単硫鉄鉱
                       (名古屋市) 諏訪 兼位
・はやぶさについても地球科学者の諏訪先生らしい着眼点です。単硫鉄鉱とはFeSで、隕石中にのみ含まれるとのこと。「なりしか」は「なったのか」ですね。

産経新聞2010年12月14日(火)
「芸術と平和の祈り」欄
   「かぐや」より写せる地球の中心に太平洋の青さ母のごとある
                        吉野 静香
・日本の月探査機「かぐや」は2007年9月14日打ち上げられ、月周回軌道で探査を行った後、2009年6月11日月面に落下。詩人が詠ったように、やはり海には母とつながるものがあるのでしょう。液体の水からなる海に表面を覆われた天体は、今のところ地球だけです。

   かぐや撮るクレーター山・白夜の輪科学の鋭し姫は何処に
                        赤松 泰子
・こちらも「かぐや」。現代科学技術の粋を結集した探査機とその名のもととなった御伽噺のお姫さまの対比。ただ、「白夜の輪」が分かりませんでした。

   ふわり泳ぐ神秘のくらげお椀形ノーベル賞へ夢拡げたり
                        赤松 泰子
・下村おさむさんのノーベル化学賞受賞は2008年のこと。大量のオワンクラゲを人力で集めて研究した成果でしたね。
ゆったりと浮かんでいるくらげを見ていると癒されるという人も多いようですが、ただ、毒のある種類は刺されないようにご注意を!

NHK俳句王国2010年12月4日(土) 主宰者:稲畑汀子
 稲畑汀子の10選 入選
   名月の独り舞台となりにけり      (岡山県) 木村 英一郎
・満月が昇れば、地上の景色も夜空も月が支配しているような気になります。
星の観測には最悪ですけどね(^^