1.宇宙帆船イカロス、お疲れさま…実験終え「人工惑星」に
朝日新聞12月10日付記事です。
http://www.asahi.com/science/update/1210/TKY201012100622.html
>光の力で飛ぶ宇宙帆船「イカロス」が、金星の近くを無事に通過し、予定していた実験を無事に終えた。宇宙航空研究開発機構の実験チームが10日、ブログで発表した。サブチームリーダーの津田雄一さんは「肩の荷が下りました」と話した。
>イカロスは5月に打ち上げられた。14メートル四方の薄い帆を宇宙空間で広げ、光の粒がぶつかって跳ね返るときに受けるわずかな力を利用して飛ぶ。加速できることの実証や、薄い太陽電池での発電など、予定していたミッションにすべて成功した。8日午後4時39分に金星上空約7万4千キロを通過、その後で調べたところ、機体に故障はなかったという。
>地球から遠く離れたため、すでに電波はとぎれとぎれ。姿勢制御に使う燃料は残り半分ほどという。津田さんは「今までは安全に運用していたが、これからは帆がかなり変形するような、思い切った姿勢制御をしたい」。
>通信ができなくなった後のイカロスは、「人工惑星」として太陽のまわりを回り続ける運命だ。
通信に使えるほどの太陽電池は積んでいないということなのでしょう。
地球に近づくたびに「復活」するというのであれば、面白かったのですが。
機体は無事なのだから、ちょっともったいないですね。
2.あかつきの失敗と宮城まり子さん
朝日新聞12月12日付天声人語(コラム)です。
http://www.asahi.com/paper/column.html
>ずいぶん前になるが、ねむの木学園の宮城まり子さんにこんな話を聞いた。「ロケット打ち上げに失敗した時、記者さんから電話があったの。『膨大な浪費をするなら福祉に使って』と談話を取りたかったらしいのよ。私が『チャレンジに失敗はつきもの。冒険心を無くさないで』って言ったら、その人、困っちゃって」
あかつきの周回軌道投入失敗のときの各紙記事の最後には必ずこれまでの総費用250億円と出ていました。
ネット上でもそれを受けて批判的な文章もいくつも見かけました。
宮城まり子さんにインタビューしたのが何年前かは分かりませんが、そのときよりも国の財政はさらに悪化しているはずです。
しかし、天声人語の執筆者がこういう好意的な文章を載せたのには、数か月前のはやぶさの帰還が大きく影響しているような気がします。