あかつきのトラブル | 宇宙とブラックホールのQ&A

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2019年6月6日にYahoo!ブログから引っ越してきました。よろしくお願いします。

本日(12月7日)金星周回軌道に投入される予定だった探査機あかつきですが、思わぬトラブルに見舞われ、まだ軌道投入が成功したかどうか確認できていません。

8時49分にあかつきの軌道制御エンジンが噴射開始したところまでは確認できています。
噴射は12分間続ける予定で、これが短すぎると減速できず、金星を通過してしまいます。
その直後の8時50分にあかつきが地球から見て金星の裏側に入ったため、通信が中断しました。
ここまでは予定通り。

9時12分に金星の裏側から出てくれば通信は再開できるはずだったのですが、通信は途絶したままでした。
10時28分に再びあかつきからの電波が届き始めましたが、これは本来の中利得アンテナを使ったものではなく、低利得アンテナからのもので、容量が非常に小さいために無事周回軌道に乗ったかどうかの確認は難しいようです。

20時のJAXAの発表によると、あかつきは機体が回転する「セーフホールドモード」の状態に入っているということです。
読売記事。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20101207-OYT1T00851.htm?from=main6
>同機構は回転を止める指令などを送っている。金星の周回軌道に入れたかどうかなど、詳しい状況は不明な状態が続いている。
>同モードは、機体に異常が生じた際に、事態が悪化しないよう回転して探査機の方向を安定させ、太陽電池パネルによる発電量を最低限確保する仕組み。回転に伴い、アンテナから出る電波が10分周期で強弱を繰り返しているという。同機構は「最悪の事態とは思っていない」としている。

朝日の記事によると、はやぶさはこのモードで地球に帰還したということですが、あかつきは金星大気の状態を観測して地球に報告するのが使命ですから、正常な状態に戻って観測を行いその結果を高利得アンテナを使って報告できないと困ります。
その前に周回軌道に乗ったかどうかの確認がありますが。

とにかく早く復旧してほしいものです。

こういうときは気分転換のために「あかつきくん」「きんせいちゃん」の応募作品でも眺めることにしましょう。
写真をクリックすると、拡大します。
http://www.jaxa.jp/countdown/f17/photo/work_index_j.html