狂躁亭覚書・中国版『最終兵器・彼女』2020-12-14 | おととひの世界

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リンクも始めましたよ

お聞き及びかと思いますが



因縁と言うか
今年は2020年
去年2019年は1982年の映画
ブレードランナー
設定された未来

実はノーベル賞が内定していた
SF 作家・『フィリップ K ディック』代表作

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』が原作

2019年の未来
人類は宇宙資源開発を

大気圏外の危険な仕事に
人類は遺伝子工学を応用した
改造人間・レプリカントを

そのレプリカント
自分たちを改造人間とは思っていない
あくまで本物の人間と

そう思うように
仕向けていないと

過酷な運命の中で自我に目覚め
レプリカントもやがては

創造主である人間に反旗を

そうならないような
安全装置が仕込まれていた

人間として
暮らしていた記憶
自分は人間だと信じ込んだまま
死んでいく

それでも

『人造人間・レプリカント』

頭脳も体力も
人間よりもはるかに優秀

だから気づくものも現れてくる
反乱を起こす

しかしその時間を与えない

『人工子宮』で一気に大人に

大人の人間として4年間生きた後

あらかじめプログラムされた
『四年の寿命』
使い切ったところで

レプリカント
全て死んでしまう

改造人間は
4年以上生きられない
遺伝子プログラムを越え
4年以上生きることはない

その改造人間
宇宙植民地を離脱し地球に
そういうものが現れた時のため

『ブレードランナー特捜隊』
地球側も組織していた
あくまで人間

ということになってはいるが
実はそうじゃない
もはやこの時代

人間とレプリカントの境界
分かりにくくなっている

『一体誰が(普通の人間)か?』

私は、確かに
人間のはずだ
だって.楽しく過ごした
人間としての記憶がある

思い出の記念品もたくさん持っている

それらはすべて
製造元があつらえたものかもしれない

レプリカントを
開発供給しているのは
Tyrell Corp.という巨大企業

社長のタイレル博士は中国人
ロスの一等地に
アステカのピラミッドを思わせる
巨大な自社ビルを持っていて




神殿のようなオフィスがあり
そこに住んでいる

超腕利きブレードランナー・デッカード
(ハリソン・フォード)

『フタ〜つで、十分ですよ〜!』
ヘンな日本人が作る
うどんをすすっているところ
緊急招集がかかる

タイレル社長と面会する

そして
タイレル社長の秘書・レイチェルを
テストしてくれ
と言われる
自分が人間だと信じていた
しかし彼女も

愛玩物として作られた
レプリカントだった


『本当のことさ、君は人間だよ』

『ウソ!あなた隠してるでしょ?』

『子供の頃、キミはお医者さんごっこした』

『エエ!』
『お兄ちゃんに、イタズラされたな?』
『されたわよ!』

『お兄ちゃんが
   クモの巣の袋を破くと
    子供のちっちゃなクモがたくさん這い出してきた

   キミは、怯えて泣いたよな?』

どうして知っているの?
   誰にも話していない、子供の頃の思い出なのに?

記憶を移植されてるのさ
   それは、Tyrell社長の姪っ子の記憶だ
    君がリアルに体験した記憶じゃない

   君は人間だと信じて生きてきたけど
   君は人間じゃない

   タイレル社長が
   彼自身のために作った

   レプリカント、なんだ 』

自分が人間だ
と信じて生きてきたレイチェル

真実をデッカードから聞かされ
大変なショックを受け

さめざめと泣く

『冗談だよ!
   もう泣くなって!』

外宇宙から反乱起こし
地球に舞い戻ってきたレプリカント兵士

その頭目
自分の寿命を伸ばすため
製造元のタイレル社長の元へ


君たちは
短く輝かしい人生を送る

太く短く
華々しく生きろ!

そう言われた

レプリカントのカシラ
ロイ・バッティ

タイレル社長の頭蓋骨
潰して殺してしまう

そしてデッカードと壮絶な死闘を演じ
ギリギリで殺さず助ける

そこで映画史上
最も有名なモノローグ


お前ら人間たちが絶対に見ることがない
スゴイものを見てきたさ

タンホイザーゲートのオーロラ
銀河の縁で爆発するスペースシャトル

だけど
そういう思い出も
やがて消える

この涙や、雨のようにな

tear in the rain

死ぬ時が来たようだ
time to Die

『記憶は、アイデンティティを保証しない』

今では
珍しくもなくなった重要なテーマ

フィリップ K ディックは早くから

ノーベル文学賞
対象になったのもそこ

結局もらう前に彼は死んでしまった
50歳で急死した時

ノーベル賞選考委員会から
異例のステートメントがあった
もらい損ねた人に何か言うこと
普通はないんだけどね

ロイ・バッティを演じた
オランダ人の元船乗りの俳優

ルトガー・ハウアーさん
映画と同じように
2019年に亡くなった


つまり
レプリカント兵士

本気で作ろうとしているわけだ

実は中国
その歴史の始まりから
似たようなことをやっていた

『最終兵器(彼女)』

核兵器ではない

しかし
王を狂わせる傾城の美女
という点で同じ役割

殷の紂王を狂わせるため
周公・旦が

おそらく
その祖父や曾祖父の代から開発していた

人工美女・妲己(ダッキ)

『人間牧場』
みたいなものがあったという
もちろん奴隷を飼育している

食用の奴隷もいたらしい
人肉料理が満漢全席に載っていた国だから

しかし労働用
ものを言う牛馬としての奴隷のほか

これまさに
レプリカントだけど

例えば、長じて
大変な美男美女に育った奴隷
奴隷市場で
大変な高額で売り買い

自分で消費するばかりじゃない

さらに
よそで買ってきた
美男美女
人間牧場掛け合わせる
これを何代も繰り返していくうち

一代や二代では絶対にできない
ありえないレベルの
美男美女ができる

周公・旦
こうしてできた美女・妲己
残虐な
嗜虐趣味を刷り込んでいた
男に媚びる技術も徹底的に

『傾国の最終兵器・カノジョ』
=妲己・ダッキ
ミッションコンプリート

殷の紂王王宮
革命を起こし踏み込んだ
周公・旦
後の孔子が『聖人』とした人物
実はこれくらいひどいやつ

王宮の片隅
まだ生きている妲己を発見した

妲己
艶然と微笑みカエシ
こういったと言う

『どう?
   ワタシ、教えられた通り
    上手にお仕事
やったでしょ?』

周公・旦
心底驚いた

『気づいていない
と思っていた
この女

気付いていたのか!?

恐ろしいやつ!

生かしてはおけぬ!』

妲己の首を刎ねた

ヒィィィィィィィィ!

ハーレムに響き渡る
妲己の悲鳴

『消えろォォォォ!

はやく
消えてなくなれェィィィ!』

周公・旦
耳をふさいで念じていたという

中国の公式歴史書に
書いてあることだからね

恐ろしい国だよね