ネーミングってのがありますわな
『帝王』カラヤンとか
マルタ・アルゲリッチは
『鍵盤上のカラス』とか
『女性リヒテル』とか言われていた
現実に女性ということで限ると
リヒテルとタメ張れるのは
あの人だけですよね
あの人私がコンサート聴きに行ったとき
目の前で腕力でピアノ弦
ぶった切りましたからね
音量も半端なかったですよ
じゃあスビャトスラフ・リヒテルは
なんて言われていたかというと
ごくごくシンプルでしたよ
『ピアノの巨人』
そうとしか言えない人
ともかく体格もプロレスラー並み
ラグビーやってた奴に言わせると
あれラグビーやってたら
人殺してるよって言ってましたね
間近で見たことあるけど
手もバカでかくてしかも分厚かったです
ピアノの才能は非凡だったけど
秀才タイプではなかった
いろんなことをやっていた
絵描きとしても有名だったし
十代のミギリよりですよ
しかも自分で脚本も書いて
演出もして演劇活動もやっていた
毎日シコシコ何時間も練習して
レッスンしてテストを受けて
コンクールへとかいう
彼は確か名門貴族の出身で
共産党に入っていない
そして作曲家です
かなりガチな交響曲を
若い頃に書いています
フルトヴェングラーの指揮って
Youtubeで見ることができる
今現在生きていても
あの指揮でワカる人って
あまりないと思いますね
手がブルブル震えてて
なんだかひきつけ起こしてる感じ
言っちゃ悪いけどそうとしか言えない
ある種の口寄せ霊媒神懸かりの類
『ヒトラー・ナチス』といえども
ゲルマン精神カリスマ・フルトヴェングラー
最後まで手出しができなかった
フルトヴェングラーの兄弟には
有名な登山家もいて
アルプスだと思うけど
『フルトヴェングラー岳』という
なかなか再来は期待できないでしょうね
かつての旧ソ連でともかく
エフゲニー・ムラヴィンスキーが
偉くなりすぎてしまった
すると例えば
レニングラード・フィルハーモニー
管弦楽団の常任ポストであるとか
ご本人が長生きで元気
なかなかドカないわけですよね
死なないもんで
息が詰まって外国に出てしまう
旧ソ連から亡命してしまう人が出始めます
70年代の終わりから80年代の初め
そういう人が結構ソ連から出た
まずノーベル文学賞受賞受賞者
ソルジェニツィン亡命に手を貸した
カザルス以後の最大のチェリスト
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
ソビエト連邦国籍を剥奪される
この人は後に
ソビエト連邦消滅に大きく
活躍することになります
その最中に
モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団常任
キリル・コンドラシンが亡命
という異常事態
コンドラシンはかつて
チャイコフスキーコンクールでアメリカ人
ソ連としても最早捨て措けない
なんとかしなければならなかった
そこでロジェストヴェンスキー
1人のための『特別なオーケストラ』を
国が作りました
かつての
音楽家を目指す
親は猛反対
よっぽど能力人でしょうね
なかなかここまでの
才能の持ち主はいない
彼があまりカリカリしないのは
そのせいかもしれませんね
カラヤンみたいに完璧を目指すとか
そういうタイプじゃなかったでしょ?
こういうスケールの人
間近で見たことあるけど
手もバカでかくてしかも分厚かったです
ピアノの才能は非凡だったけど
秀才タイプではなかった
いろんなことをやっていた
絵描きとしても有名だったし
十代のミギリよりですよ
しかも自分で脚本も書いて
演出もして演劇活動もやっていた
毎日シコシコ何時間も練習して
レッスンしてテストを受けて
コンクールへとかいう
『よくあるパターンの人』ではない
もちろんどこそこの音大目指して
まっしぐらなんて人でも
ありません
だいぶん年をとって音大に入ってきた
モスクワ音楽院か何か
ゲンリヒ・ネイガウスという
大変有名な大御所の教授がいたんだけど
どの曲を弾いてもすでに
誰よりもうまかった
師匠よりもうまかったと
師匠が認めている
ちとスケールが違ってる人
ちなみにそのネイガウスの孫が
有名なピアニスト
スタニスラフ・ブーニンですよ
同年代の指揮者
レニングラードフィルハーモニー
管弦楽団の首席指揮者を
半世紀ぐらいやっていた
あのエフゲニ・ムラヴィンスキー
もちろんどこそこの音大目指して
まっしぐらなんて人でも
ありません
だいぶん年をとって音大に入ってきた
モスクワ音楽院か何か
ゲンリヒ・ネイガウスという
大変有名な大御所の教授がいたんだけど
どの曲を弾いてもすでに
誰よりもうまかった
師匠よりもうまかったと
師匠が認めている
ちとスケールが違ってる人
ちなみにそのネイガウスの孫が
有名なピアニスト
スタニスラフ・ブーニンですよ
同年代の指揮者
レニングラードフィルハーモニー
管弦楽団の首席指揮者を
半世紀ぐらいやっていた
あのエフゲニ・ムラヴィンスキー
ライブで聴くチャンスがあったけど
大指揮者って小柄な人が多いんだよね
カラヤンもトスカニーニもそうだったけど
しかしムラヴィンスキーは長身痩躯
背筋がピンと伸びていて
ちょっと人を寄せ付けない
辺りを払うような威厳がありました
彼は確か名門貴族の出身で
共産党に入っていない
旧ソ連にいくら勧められても
入党しなかったそうです
それでも才能があるから
当局は認めざるを得なかった
どんなに当局に勧められても
頑として拒否していた
それでも才能があるから
当局は認めざるを得なかった
どんなに当局に勧められても
頑として拒否していた
しかし人間国宝みたいな人だから
国から勲章はもらえるだけもらっていて
旧ソ連の軍人みたいに
胸にベタベタつけた写真が多い
リヒテルと共に日本をとても愛していて
リヒテルと共に日本をとても愛していて
というより日本酒党
そして和食好きだった
『世界で一番旨い酒』と言っていた
飛行機嫌いで有名
レニングラードからウラジオストックまで
鉄道でやってきて
そこから船で来ていた
この人も俳優をやっていた人
ガリガリ受験勉強みたいなこと
この人も俳優をやっていた人
ガリガリ受験勉強みたいなこと
音大仲間だけ付き合うような人
そういうタイプではありません
そういう流れで言うと
最大の人
まぁ『フルトヴェングラー』でしょうね
お父さんも兄弟もみんな有名人
お父さんが確か
アドルフ・フルトヴェングラーだったかな?
ドイツでは大変尊敬されていた
そういう流れで言うと
最大の人
まぁ『フルトヴェングラー』でしょうね
お父さんも兄弟もみんな有名人
お父さんが確か
アドルフ・フルトヴェングラーだったかな?
ドイツでは大変尊敬されていた
著名な考古学者
だからローマギリシャ彫刻の
発掘現場に直接立ち会って
発見された遺物の美しさに見惚れて
陶然として気絶するようなことが
あったらしい
ほとんど
だからローマギリシャ彫刻の
発掘現場に直接立ち会って
発見された遺物の美しさに見惚れて
陶然として気絶するようなことが
あったらしい
ほとんど
『トーマス・マン小説の主人公』
地で行ってますな
フルトヴェングラーも
フルトヴェングラーも
10代ですでに絵描きとして結構有名に
詩作もやり小説もかき
そして作曲家です
かなりガチな交響曲を
若い頃に書いています
フルトヴェングラーの指揮って
Youtubeで見ることができる
今現在生きていても
あの指揮でワカる人って
あまりないと思いますね
手がブルブル震えてて
なんだかひきつけ起こしてる感じ
言っちゃ悪いけどそうとしか言えない
ある種の口寄せ霊媒神懸かりの類
フルトヴェングラーは
『てんかん』の家系だったらしく
本人も時折失神気絶することが
あったらしい
つまり宗教家的素質のある
家系だったということ
エセ宗教家ではなくてね
歴史上のガチ宗教家
本物のカリスマ
ほぼ100%が『側頭葉てんかん』
の既往があると言われています
これはその部分・大脳側頭葉に
強力な磁場を与えることで
てんかんの既往がない人にも
幽霊を見せたりすることができる
そういう装置を
パーシンガーというカナダの科学者が
作って既に実証しています
『側頭葉てんかん』
またの名を『神を見る病』といわれる
ある種の超越的経験ができる
とてつもない大著をものにするとか
超人的な情熱家が多い
ドストエフスキーがそうだった
フルトヴェングラーも
同類の人間だったんです
世にいう『カリスマなんとか』ではない
『本物のカリスマ』だったんですよ
そうとしか言えないです
なんとなく考えてることは
わかるんだけれども
指揮者としてはかなり
困った人だろうと思うんだ
そうとしか言えないです
なんとなく考えてることは
わかるんだけれども
指揮者としてはかなり
困った人だろうと思うんだ
『わかりやすい指揮』ではないからね
でも当時のドイツは
そういう人を求めていたんだ
でも当時のドイツは
そういう人を求めていたんだ
いかなるオーケストラを指揮していても
演奏している全員が
特殊な磁場みたいなフィールドに
カラめ取られている感じがするもんね
『憑き物付き』になっている感じ
『正気を失っている』と言うと
ちょっと言葉が悪いけどさ
そんな感じがするんだよね
オラクル・神託を受けていると言うか?
コンサート会場全体が
『デルフィの神殿』状態になる
ああいうことができる指揮者
アトにも先にも
フルトヴェングラーだけだ
『ドイツ精神』て
彼らはよく言うんだけれども
生きている人で
『ドイツ精神』を降臨体現できる人
フルトヴェングラーしかいなかった
森羅万象の精霊たちを
目の前で降臨させられる人
イタコみたいなもんです
ヒトラーに期待されていたことが
それだったというけど
プロイセンのエリート軍人含め
フルトヴェングラーは
インテリに圧倒的な支持層があったから
フルトヴェングラー
ユダヤ人のクォーターの噂があったが
ナチの力を持ってしても
どうにもならなかった
『ドイツ精神』て
彼らはよく言うんだけれども
生きている人で
『ドイツ精神』を降臨体現できる人
フルトヴェングラーしかいなかった
森羅万象の精霊たちを
目の前で降臨させられる人
イタコみたいなもんです
ヒトラーに期待されていたことが
それだったというけど
プロイセンのエリート軍人含め
フルトヴェングラーは
インテリに圧倒的な支持層があったから
フルトヴェングラー
ユダヤ人のクォーターの噂があったが
ナチの力を持ってしても
どうにもならなかった
亡命を考えていたフルトヴェングラーを
説得したのは結局
大物理学者マックス・プランクだった
という話まであるからね
この話は wikipedia には出てないよ
ごく限られた学者
知る人ぞ知る話
『ヒトラー・ナチス』といえども
ゲルマン精神カリスマ・フルトヴェングラー
最後まで手出しができなかった
フルトヴェングラーの兄弟には
有名な登山家もいて
アルプスだと思うけど
『フルトヴェングラー岳』という
山があるそうです
初登頂したんで
その名が付いている
さっきトーマス・マン小説の主人公
みたいだと言ったけど
本当に小説に名前が出ちゃった
確か実名で登場してる人が
いるんだよね
フルトヴェングラーの同時代人の
オットー・クレンペラーです
悪魔的なキャラクターとして
描かれていたと思います
ファウスト博士だったかな?
ちと忘れちゃいましたが
初登頂したんで
その名が付いている
さっきトーマス・マン小説の主人公
みたいだと言ったけど
本当に小説に名前が出ちゃった
確か実名で登場してる人が
いるんだよね
フルトヴェングラーの同時代人の
オットー・クレンペラーです
悪魔的なキャラクターとして
描かれていたと思います
ファウスト博士だったかな?
ちと忘れちゃいましたが
私はトーマス・マン
あまり好きじゃなかったんで
いずれにせよ過去の巨匠
こーゆースケールの人
いずれにせよ過去の巨匠
こーゆースケールの人
なかなか再来は期待できないでしょうね
現在の人材育成のシステムの中では
おそらく早々にドロップアウト
『マエストロ』は
学校システムと
コンクールのシステムで作られる
『マエストロ』は
学校システムと
コンクールのシステムで作られる
それは単なる妄想です
今その逆タイプの人作ってるんですよ
かつての旧ソ連でともかく
エフゲニー・ムラヴィンスキーが
偉くなりすぎてしまった
すると例えば
レニングラード・フィルハーモニー
管弦楽団の常任ポストであるとか
ご本人が長生きで元気
なかなかドカないわけですよね
死なないもんで
息が詰まって外国に出てしまう
旧ソ連から亡命してしまう人が出始めます
70年代の終わりから80年代の初め
そういう人が結構ソ連から出た
まずノーベル文学賞受賞受賞者
ソルジェニツィン亡命に手を貸した
カザルス以後の最大のチェリスト
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
ソビエト連邦国籍を剥奪される
この人は後に
ソビエト連邦消滅に大きく
活躍することになります
その最中に
モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団常任
キリル・コンドラシンが亡命
という異常事態
コンドラシンはかつて
チャイコフスキーコンクールでアメリカ人
ヴァン・クライバーンが
ピアノで優勝した時の
伴奏レコーディングで
西側にも広く知られていた人だったので
コンドラシン亡命は
ソビエトに大恥をかかせることになった
旧ソ連は音楽関係の英才教育には
大変実績があったけど
唯一『量産できない人達』がいた
それが結局『指揮者』と『作曲家』だった
コンドラシンクラスが亡命してしまうと
穴はなかなか埋まらない
西側で引っ張りだこだった
もう1人の大指揮者
『ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー』
ピアノで優勝した時の
伴奏レコーディングで
西側にも広く知られていた人だったので
コンドラシン亡命は
ソビエトに大恥をかかせることになった
旧ソ連は音楽関係の英才教育には
大変実績があったけど
唯一『量産できない人達』がいた
それが結局『指揮者』と『作曲家』だった
コンドラシンクラスが亡命してしまうと
穴はなかなか埋まらない
西側で引っ張りだこだった
もう1人の大指揮者
『ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー』
亡命の可能性が取りざたされ始めた
ソ連としても最早捨て措けない
なんとかしなければならなかった
そこでロジェストヴェンスキー
1人のための『特別なオーケストラ』を
国が作りました
かつての
『アルトゥーロ・トスカニーニ』
という大巨匠1人のために
ロックフェラー家の意向を受け
RCA 社長デビッド・サーノフが
発足させたオーケストラ
『NBC交響楽団』と同じくです
全員がオーディション
ロジェストヴェンスキーの
『眼鏡にかなった演奏者』
発足させたオーケストラ
『NBC交響楽団』と同じくです
全員がオーディション
ロジェストヴェンスキーの
『眼鏡にかなった演奏者』
だけで編成された
全く新しいオーケストラ
『ソビエト国立文化省管弦楽団』
『巨匠ロジェストヴェンスキー』
全く新しいオーケストラ
『ソビエト国立文化省管弦楽団』
『巨匠ロジェストヴェンスキー』
1人をつなぎとめるために
旧ソ連はそこまでやった
かかるほどに指揮者を作るってのは
大変なことなんです
少々英才教育をやったぐらいで
できるもんじゃありません
カラヤンのサクセスストーリーは
あまり面白くないんだけど
ちょっと面白かったのは
バーンスタインですね
レナード・バーンスタイン
指揮者というよりは
『ウエストサイド物語』の作曲者として
大変有名ですよね
もちろん指揮者としても天才だった
この人ロシア系ユダヤ人の移民の子
でお父さんは商売人
かつてのロシア
ユダヤ人の音楽家というのは
物乞い当然だった
バーンスタインは
旧ソ連はそこまでやった
かかるほどに指揮者を作るってのは
大変なことなんです
少々英才教育をやったぐらいで
できるもんじゃありません
カラヤンのサクセスストーリーは
あまり面白くないんだけど
ちょっと面白かったのは
バーンスタインですね
レナード・バーンスタイン
指揮者というよりは
『ウエストサイド物語』の作曲者として
大変有名ですよね
もちろん指揮者としても天才だった
この人ロシア系ユダヤ人の移民の子
でお父さんは商売人
かつてのロシア
ユダヤ人の音楽家というのは
物乞い当然だった
バーンスタインは
喘息もちの
ひ弱ないじめられっ子でした
小学校4年生ぐらいのころ
ラジオから流れてきた
カルメンを聴いて感動
ひ弱ないじめられっ子でした
小学校4年生ぐらいのころ
ラジオから流れてきた
カルメンを聴いて感動
音楽家を目指す
親は猛反対
一切協力してくれない
彼はバイトをして
時間貸しピアノを弾いて練習した
大変遅いスタートです
しかしその一心の努力が
バーンスタインの眠れる才能
全部呼び醒ました
瞬く間に学校トップ
『スーパー優等生』になったのみならず
スポーツも万能に
野球も乗馬もフットボールも水泳も
すべてチャンピオン
ハイスクールに入る頃には
有料レンタルピアノで練習しただけで
ラヴェルの『ト長調コンチェルト』が
弾けるまでになって
音楽でも大スターになっていた
ハーバード大学首席入学・首席卒業
そしてカーティス音楽院へ
試験官は
彼はバイトをして
時間貸しピアノを弾いて練習した
大変遅いスタートです
しかしその一心の努力が
バーンスタインの眠れる才能
全部呼び醒ました
瞬く間に学校トップ
『スーパー優等生』になったのみならず
スポーツも万能に
野球も乗馬もフットボールも水泳も
すべてチャンピオン
ハイスクールに入る頃には
有料レンタルピアノで練習しただけで
ラヴェルの『ト長調コンチェルト』が
弾けるまでになって
音楽でも大スターになっていた
ハーバード大学首席入学・首席卒業
そしてカーティス音楽院へ
試験官は
あの鬼より怖い
ハンガリー系ユダヤ人の名指揮者
『フリッツ・ライナー』だった
ハンガリー系ユダヤ人の名指揮者
『フリッツ・ライナー』だった
シカゴ交響楽団と数々の名録音
遺してますよね
どのスコアを見せても
どのスコアを見せても
バーンスタインは楽々と
初見で弾いてしまう
ライナーは当初
バーンスタインが『ズル』をやっている
すでに知っている曲を弾いてみせた
初見で弾いてしまう
ライナーは当初
バーンスタインが『ズル』をやっている
すでに知っている曲を弾いてみせた
ライナーはそれを疑った
そこで数日前作曲されたばかりの
前衛音楽を弾かせてみた
それでもバーンスタインは
完全に初見でピアノで弾いた
ライナーは驚嘆し
残りの試験をすべて免除
その場で入学許可
そして『新入生バーンスタイン』は
そこで数日前作曲されたばかりの
前衛音楽を弾かせてみた
それでもバーンスタインは
完全に初見でピアノで弾いた
ライナーは驚嘆し
残りの試験をすべて免除
その場で入学許可
そして『新入生バーンスタイン』は
上級生の『師範代』にされた
よっぽど能力人でしょうね
なかなかここまでの
才能の持ち主はいない
彼があまりカリカリしないのは
そのせいかもしれませんね
カラヤンみたいに完璧を目指すとか
そういうタイプじゃなかったでしょ?
レナード・バーンスタインは
同じくユダヤ系ロシア人の
ボストン交響楽団の帝王
セルゲイ・クーセヴィツキーに
気に入られていた
『レニーシュカ』
(ロシア語でレニーちゃんぐらいか?)
いつもそう呼んでいて
自分の『音楽的息子』とまで言った
バーンスタイン本人も
ボストン交響楽団常任指揮者に
なりたかったけどなれなかった
ちょっとがっかりしてたみたいで
アメリカ人って見かけは寛容だけど
ユダヤ人がユダヤ人同士で
ポストを廻すこと
すごく嫌いますからね
そうは言っても
クーセヴィツキーの後継者
ピエール・モントゥー
(『春の祭典』初演指揮者)
もユダヤ系でしたけどね
まあニューヨーク・フィルハーモニックの
顔になったわけだけど
はっきり言って
ボストン交響楽団の方が優秀ですよ
バーンスタインも
バレンボイムと同じこと言ってました
もう一人の恩師フリッツ・ライナーに
指揮をやる上で不都合な事を相談する
つまり『楽員とうまくいかない』というと
フリッツ・ライナーから
返る答えはひとつ
『そんな奴はクビを切れ!』
全然参考にならなかったそうです
フリッツ・ライナーも
トスカニーニタイプの超独裁者でしたから
ああいうタイプはライナーや
カラヤンやジョージ・セルが最後
こういうスケールの人
つまり音楽馬鹿じゃないタイプの人
バーンスタインが最後かもしれませんね
バーンスタインが最後かもしれませんね
カルロス・クライバーも面白かったけど
この人実はアキバ界隈で
『ゲーオタ』としては有名な人だった
もともと理系ですからね
チューリッヒ工科大学
理系では世界トップ10に入る
東京大学工学部よりも
はるかに上ですよ
父親は戦前の大指揮者
エーリッヒ・クライバー
ユダヤ系であったためアルゼンチンに亡命
カルロス君はそこで生まれている
こういう不幸を経験したから
父親は息子が音楽家になることを
許そうとしなかった
父親の最晩年に
勘当される形で音楽家になった
二十歳ぐらいでやっとプロ修行ですよ
まーしかしそこは血筋と言うか
頭角を顕すの早かった
本格的に修行を始めてから
2年余りで練習指揮者になってますからね
ともかくこの人のチケット
取るのは大変だった
新聞にもテレビにも
広告なんてほとんど出ませんよ
しかし発売開始数分で
蒸発するようになくなる
1979年の初頭だったか?
現在もう dvd になっている
ウィーン国立歌劇場での『カルメン』
プロダクションが発表された段階で
騒然となりましたからね
各国の外交官は
チケット押さえるのに泣かされたらしい
私は東京でのミラノ・スカラ座公演
『オテロ』『ラ・ボエーム』
94年ウィーン国立歌劇場東京公演
『ばらの騎士』ライブ経験できました
94年の時には通販で
一分間に何十回もリダイヤルできる
そういう機械を買いましたよ
クライバーのチケット
取るためだけのために
考えてみると
どの回も最後
同じことを考えていた
『トスカニーニのライブ』
おそらくこんなんじゃなかったのか?
渦を巻き炎が燃え上がる
完全燃焼して煙も出ない
そんな感じだった
他の音楽家にはない
とても純粋な『熱さ』がありました
カラヤンが
カルロス・クライバーの事を
愚痴っていたというのが面白いね
『 見ての通りこの私は
満身創痍でもう身もココロもボロボロだ
しかし私は根っからの舞台人だ
聴衆の求めがある限り
ステージに昇るのが務めだと信じている
しかしカルロスはあれだけ超人気で
あれだけ元気で働き盛りなのに
一度仕事をしたら
冷蔵庫と金庫がカラっぽになるまで
シゴトをしようとしないんだ
そしてアキハバラで買い漁ってきて
イイ歳をした大人が
朝ッパラから真夜中まで
『 Nintendo 』 だそうだ
私がこれほど老骨に鞭打っているというのに
こんな腹立たしい話があるかい?
バチアタリもいいところだ
ホントに世の中 間違っとるよ 』
最後に残念ながら早く亡くなっちゃった
彼は昭和で言えば21年生まれだよね
イタリア人大指揮者
ジュゼッペ・シノーポリ
彼が50代で亡くなった
音楽界では計り知れない損失だった
精神科医で脳外科医もやってなかったか?
おまけにフッサールの
『現象学』のオーソリティだった
初来日時にインタビューで
『現象学』のハナシ始めたら
あまりにも難解すぎて
通訳の女の子が泣き出しちゃったよ
大学の先生でも
通訳難しかったんじゃないか?
日本では朝比奈隆さんが
京大文学部卒だったけど
音楽家でそんな話ができる人
高橋悠治さんぐらいしか
いないんじゃないか?