からはだふくらか】と関係のあった方がすべて
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第一章 技術以前の問題
(三)〈今までの衛生知識〉
p.14
胃袋の運動を亢めないで栄養物を多く食べても、その余分な栄養は体を素通りして無駄に捨てられているのです。
しかも栄養物がたくさん要るような胃袋は怠けているのです。ちょうど、煙を出しているストーブと同じで、健康な消化器ならば、完全燃焼して煙などは出さない。少しの栄養物で栄養が充ちているはずなのです。それが屁をしても臭い、いや、ひどいのは、傍に行っただけでも臭いなんていう食べ方をしている人がおります。便所に行くと酸っぱいにおいがするというのも、余分な栄養を捨てているのです。だから現実には、栄養過剰で栄養を自分で吸収できないくらい食べ込んでいる人が多いのに、更に栄養物を与えたら、いよいよ栄養は素通りするだけになってしまう。だから消化器を丈夫にして、少しの食べ物から豊富な栄養物質を吸収して、体が充ちていくのが本当なのです。栄養物をたくさん食べさせることで丈夫にしようとしても、それは無理なのです。
また、薬をたくさん飲ませても、身体の中の自家用の薬をいよいよ働かなくしてしまうだけです。インシュリンでも、アドレナリンでも、みんな身体の中にある自家用の薬なのです。その自家用の薬で健康を保つのが自然なのに、いつの間にか“病気になったら薬を飲めばよい”ということになって、自家用薬に似せた代用薬を作っているのです。そんな代用薬をたくさん飲ませても、自家用薬が怠けるだけです。例えば糖分を捨てる癖のある体にインシュリンが足りないからと言って、外からそれを注ぎ込めば、身体の中にあるインシュリン製造の働きはいよいよ衰えてしまう。
ここでは先ず、自家用薬を如何に働かせるかということを考えるべきで、やすい薬をたくさん配るだけでは体の働きが弱るに決っている。
国民保険が出来て、国民皆保険の現在、それが証明されたわけです。
薬を安くして、たくさん配ってみても、人間は丈夫にならない。
却って、その薬をたくさん飲んだために起こる病気が、どんどん増えてきているという大変おかしな結果が出ております。
安く配って丈夫にならないばかりか、過剰栄養、過剰体力で、余分なエネルギーの捨て場所がなく、外国に行ってまで過激なことをやってのける。
今まで気がつかないでいた自分の力を自覚し、発揮して、自分の健康は自分で保つのだ、自分の体は自分で管理するのだ、自分の疲れは自分で処理し、自分の体の病気は自分で経過していくのだと言っても、大変な抵抗を受けました。
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何故かというと、何かあったら医者に相談せよ、専門家に相談せよという封建時代の「寄らしむ可し、知らしむ可からず」という考えがあったからです。
今の衛生教育はみんなそれで、素人は判らないものだとして、寄らしめている。
全く封建的です。
手遅れになるといけないというようなことから始まって、自分の力で治ることを去勢してしまって、専門家を煩わさなければ丈夫は保てないということを繰り返し、吹き込んでいる。
それでは専門家は、人間一人一人の体の要求を知っているだろうか。
隔靴掻痒という言葉がありますけれども、どこが痒いか、どのくらい掻けばいいのかさえ判らないのです。
それを他人に相談しなければならないということは、大変おかしいことで、痒い処は自分が一番正確に感じているのです。
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日本では、自分の体は自分でよくしようと言うと、非常に冷淡な、残酷な人のように言われるのです。
痛いのが判ってきたというのは、体が体の故障を自覚したからで、自覚すれば治る働きが起こるのです。
また、黴菌が付いても、自覚がなければその黴菌は広がってしまうのですが、それを感じれば、サーッと熱が出てくる。
熱が出れば、もうそこでくい止まったということになる。
また、悪い物を食べて吐かなければ、皮膚に出たり、下痢をしたりしますけれども、吐いてしまえば、胃袋がよく働いてくれたということです。
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そういう体の働きを知らない人達は、痛いからそこが悪いに相違ない、大変だ、何とか痛みを早くなくそうと一生懸命努力して、せっかく感じているものまで感じないように処置してしまう。
吐いたあと休みたい胃袋に、こわれたと言っては薬を入れたり、無理に食べさせようとしたり、いろいろなことをするのです。いろいろなことをするほど、その応待で、体は乱れてしまいます。
生きものは環境に適うように体を変えているのです。
新しい条件に適応出来れば、もっと丈夫になるのです。
問題はその刺激を感じ取ることなのです。
感じるということがなかったら、適応は行われない。
p.20
どこかを切っても、気が付かなければみんな止まっている。
気が付くと一緒にもっと出てくる。
だから出血多量などというのは人間の頭でつくるだけで、怯えさえしなければ何でもないのです。
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人間は自分の生命を全うするために必要な力を全部持って生れてきているのだということさえ自覚していれば、血が出るのも、血が止まるのも自然なのです。
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四十度越しますと、親から貰った梅毒のようなものでもなくなってしまうのです。
だから子供の病気に高熱が伴い易いということは、一面、親から遺伝してきたものに対する消毒の意味があるのだろうと思うのです。
ところが近頃では、熱の出ることまで予防するようになってきました。
まだいろいろ抱えている病気の消毒が済まないまま成人していくのではないかと、その点では大変怖いと思うのです。
ともかく、子供が熱を出せば、みんな掃除がつくのです。
丈夫な者は高い熱が出る。
p.24
何故クシャミするのか、それはクシャミの必要を本能で感じているからなのです。
何故屁をするのか、出さなくてはいけないことを本能で知って、無意識に出しているのです。
吐くとか、屁をするとか、排尿排便するとかいう、生きているのに必要なことは、生れると同時にみんなやっているのです。
だから人間は、生命を全うするための働きを体の中に持って生れてきている、そして生命を全うする。
そういう能力を持って人間は生れてきているのだということを自覚しないから、血を途中で止めたり、熱を途中で下げたり、黴菌の心配などをするのではないか。下痢が止まらないなどと言って、止めるためにいろいろな手段を労しているが、下痢そのものは体の働きが大掃除して新しい力をつくっているのです。
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ウィルスを知ろう
他のウィルスや菌がたくさんいるような状況では手も足も出なくなります。
こういったウィルスは土の上では生きられません。
海でも生きられません。
逆に清潔に除菌して他に誰もいない金属やプラスチックなどの上では
しばらく生きていくことができます。
スマホが危険な理由はそのためです。
では、人の身体を見てみましょう。
皮膚や口内、腸内などにに常在菌がたくさんいます。
おやおや?
何だかウィルスの居心地が悪そうじゃないですか?
でも、アルコールで手を除菌して
歯磨き粉を使って液体歯磨きで口内を除菌してしまったら?
ウィルスの居場所を作っていることになりませんか?
コンクリートとアスファルトで覆われた都会で
さらにどこもかしこも除菌をしたらどうなるでしょう?
一体、何をどうしたいんですか?
っていう話になりますよね。
衛生は大切なんですが、
それは度を超してはいけないんです。
手洗い、歯みがきなどで石鹸を使う必要はありません。
そうして自分の味方であるウィルスや菌に頼む方が良いんです。
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