高齢者にも起こる椎間板ヘルニア、その特徴やロコモ社会における対策とは? | 体の悩み解決ブログ

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高齢者の悩み、身体の症状で多いのが、腰痛です。一般には腰の筋肉を酷使したり、姿勢が悪化することで起こる症状ですが、高齢者の場合は筋肉も骨も老化してしまうことが主な原因です。働き盛りの方であれば重いものを持ち上げたり、長時間デスクワークをするため、筋肉や骨も反応が強く健常な状態でも腰痛が激しいものになりがちですが、我慢しておいて積極的な治療をスタートさせることは可能です。しかし高齢者の場合は骨折などを伴うものが多く、かなり深刻で寝たきりになってしまう例も多くあります。


また全身の骨組織が脆くなってしまう骨粗鬆症という病気が影響している場合も多く、特には女性の更年期を終えた時期の腰痛、腰が徐々に曲がっていく腰痛になるとなかなか回復は困難です。


高齢者の腰痛の原因として椎間板ヘルニアがある場合もあります。椎間板のヘルニアといえば、若い方では悪姿勢の維持や運動による疲労などが主な原因ですが、高齢者の場合は椎間板が老化現象によって変性し、つぶれてしまって神経症状が出ます。


椎間板ヘルニアはその発症年齢に応じて、若年性のもの、またもっとも頻度が高い青壮年期のヘルニア、高齢者のタイプとに分けられますが、高齢者の場合は筋肉が衰えて判断材料が乏しく、例えばSLRテストなどでも判断しずらく、その変わりにヘルニアのグレードは高いものが多いと言われています。つまり自覚症状も大きくなりがちですが、やはりリハビリの効果も若い年代よりは期待が薄く、かつ手術の侵襲性が気になる状態の方も多いのがやっかいなところです。


無症候性椎間板ヘルニア、つまり痛みもないヘルニアのことですが、青年期から壮年期にかけた年齢の方の3割にこのタイプのヘルニアがあり、また高齢者になると約7割に見つかる可能性が高いとも言われます。また腰痛が激化してレントゲンを撮影し、ヘルニア自体はあると判った場合もヘルニアが原因だとは限りませんが、ヘルニアであれば症状も大きくなりがちです。老化した線維輪が中身と一緒に飛び出すこともありますが、多くの場合骨粗鬆症でなければそのまま保存療法を行い、筋力アップも試行した上で、ある程度経過を観察します。


高齢者といえば運動器の障害によって重度の寝たきりにもなりかねない状態、つまりロコモティブシンドロームという概念が高齢化社会における重要なテーマとして取り上げられています。このロコモ解消のための運動をすること自体も億劫で仕方のないこと、という例も多く、リハビリをしようにも手立てが見つからないようなケースも多々あります。まず転倒事故などを未然に防ぐための努力は欠かせませんし、ちょっとの油断でも腰椎を骨折してしまう例も多く起こっています。


慢性の椎間板ヘルニアの方も多い現状、ヘルニアを治す手段も徐々に減ってきて、QOLの低下を防ぐといってもなかなか意味が通らない状態です。整形外科の役割も徐々に重いものと認知されつつある中で、高齢者の意識の改革も重要なテーマであると言えます。