今、NHK朝ドラで「だんだん 」というのをやっている。
(朝ドラフリークの私は、もちろん毎日欠かさず見ている)
事情があって松江と京都で別々に育てられた双子の姉妹が、
二人の18歳の誕生日に偶然出雲大社(縁結びの神)で再会し、
運命の糸がたぐり寄せられていくというお話だが、
これは相当に低確率の出来事だろうと想像できる。
低確率といえば、旧ブログ「ヴァージニア日記」に、私たち夫婦が渡米して
直後の数日に起きた確率の低い出来事(第1話 、第2話 )について書いた
ことがある。
こういうように、思いもかけぬ不運が重なったり・・・・
逆に、思いもかけぬ幸運な出会いがあったり・・・・
あるいは、そのときは気づかなくても、後で思い起こしてみるとその後の自分の
運命を変えたような出来事が、よく考えてみると相当な低確率でしか起こりえな
かった、というようなことはけっこうあり、そういうのは記憶に残りやすい。
ところが、そうではないような、一見平凡な日常の出来事の中にも
このような低確率の出来事がけっこうゴロゴロあるものだ、ということに
気づかされることがあった。
昨年11月、京都で行われた某学会の編集委員会にて、
次回の委員会をいつ行うか、皆で相談していたときのこと。
学会誌の出版時期から逆算して、1月末~2月はじめの時期のいつか、という
ことになるので、各自が予定表とにらめっこして、可能な日を検討したのだが、
そのとき、私が「ちなみに、2月8日って、私の誕生日なんですよね」
と口にしたのがきっかけ。
「え~、空庵さん8日なの! わたし、2月2日なのよ」と委員長のO先生。
「近いですねぇ。私は2月9日ですよ」とD先生。
「ええーーっ! 実は私も」・・・
というわけで、
なんとその場にいた7人(編集委員6人+編集助手1人)のうち、
4人までもが、2月の1桁台の日の生まれであることが判明!!
こういうのは、相当低確率ではないか、とは思ったものの、
その場ではわざわざ計算まではしなかったのだが、
昨日、ある友人とメールをやりとりしていた時に(この人も2月生まれ)、
この話になったので、思い立って、こういうことが起こるのが
いったいどのぐらいの確率なのか
を実際に計算してみた(←元数学大得意少年)。
まず問題を整理する。
無作為に集められた7人のうち4人の誕生日が1年のうちの
10日ほどの時期に固まっている確率はいかほどであろうか?
ということだ。
一応、すべての人が1年のうちどの日に生まれるかは均等な確率
であると仮定した上で、たとえば、
1月1日~10日・・・A
1月11日~20日・・・B
1月21日~31日・・・C
・・・・・・・
という具合に、1ヵ月を3つ、したがって1年を36のゾーン(それぞれ
10~11日)に分けたとすると、
上の問題は、
7人のうち4人の誕生日が上記36のゾーンのうちの同じ一つの
ゾーンに固まって存在する確率はいかほどであろうか?
ということになる。
まず、7人の人が集まった場合、全員の誕生日がそれぞれどの
ゾーンに入っているか、の組み合わせは全部で、36の7乗通り
(いくらかな?)ある。
そのなかで、4人が同じゾーンに入っているような組み合わせの数
がいくらあるかを計算し、それを36の7乗で割ったものが、求める
確率(100%=1)ということになる。
7人のなかから異なる4人を選んだ場合、その組み合わせは全部で
7×6×5×4を4×3×2×1で割った数、すなわち35通りある。
そうすると、もし4人が同じゾーンに入っているとした場合、
その4人がどういうメンバーであるかで、35通り、
その同じゾーンが1年のなかのどのゾーンであるかで、36通り、
他の3人のメンバーがそれぞれどのゾーンに入っているかで、
36の3乗通りの組み合わせが存在することになる。
そうすると、7人中4人が同じゾーンに入っている(このなかには
5人、6人、あるいは7人全部が同じゾーンに入っている可能性も
含める)ような組み合わせというのは、それをみなかけて全部で、
「35×36の4乗」通りあるということだ。
計算が面倒くさいので、35は36と同じにしてしまうと、
求める確率は、36の5乗を36の7乗で割ったもの、
つまり、約36の2乗分の1ということになる!
電卓で計算すると、これは1296分の1、
0.0007716(0.07%~0.08%)
である!!!
う~ん、1000分の1以下、
チャンスというわけではないかもしれないが、
まさに千載一遇である。
仮にこの学会が1000年間続いたとして(続くわけないが・・・笑)、
編集委員会でこのように誕生日がある時期に固まったメンバーに
なってしまうのは、1回あるかないか、というぐらい・・・・・・
だと思えば、これもスゴ~~イことだと感じてしまう。
きっとみなさんも、気づかないうちにいろんなところでこういう低確率の
出来事が起こっているのでしょうね。