三浦綾子さんの作品で「青い棘」がある。
この作品の劇化を考え既に4年を過ぎようとしている。
若しかするとぼくの生涯中に間に合わないかもしれない。
途中までの脚色を読み直してみたが、
15、6ページ目で急停車したまま、
ボ~ッと活字を眺めていたようだ。
そして見た夢に、
見も知らない旧日本兵が銃剣を手に二人・・・
「君たちは?」
と問うと、
「日本兵だ、天皇陛下万歳ッ!」
もう一人は、
「海ゆかば、草生す屍・・・」
歌い出した。
「生き残りか?」
すると、
「生き返りだ」
「一度死んだが甦りだ」
という。
そして、
「我が大日本帝国は勝ったか?」
と聞いてきた。
「戦争が終わって65年以上経つのに知らないのか」
二人ともそれには答えず、
「勝ったんだな。天皇陛下万歳!」
「アメリカも朝鮮も中国も属国かァ!天皇陛下万歳!」
意気高く銃剣を振り上げた。
「負けたんだよ」
途端に銃剣は砕け散って、
二人の日本兵もパチン・・・と音がして
粉々になって飛び散ってしまった。
そこで眼が覚めた。
「何だ今の夢は・・・」
そうか、先の大戦で日本が勝っていたら、
いまだに天皇陛下万歳を叫んでいたのだろうか。
「あれッ、「青い棘」の16ページから3ページ分一杯に、
おおおおおおおおおおお・・・・・だけが並んでいる。
うとうと・・・としたのは数十秒ということか・・・
こんなことがあると、
一層「青い棘」を舞台に乗せたい気持ちになる。