浮気 | 演劇人生

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なんで浮気するんだと思う? ブログネタ:なんで浮気するんだと思う? 参加中
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先月だった。
「かなり険悪な状態なの」
というM子から相談があった。
夫婦12年目の危機だという。

こんな話は、周囲に大勢いるスタバではまずかったかも・・・

「原因は何?」
「浮気」
「君の?」
「わたしがするわけないじゃない」
「旦那か?」

旦那の携帯電話から判明したらしいが、その経緯は聞かなかった。

「なぜ浮気したの?」
「知らない」
「聞いてないの?」
「・・・」
「君は原因は何だと思うの?」

彼女の目には涙があふれていた。

「泣きたいだけ泣け・・・と言いたいが、
ぼくが泣かしているみたいに見えるなァ」
「ごめんなさい。口惜しくて・・・」

40を越えているが、30代前半にしか見えない。
今でもかなりの魅力を感じさせる彼女が、しゃくりあげたりすると
肩でも抱いて慰めてやりたいと思う・・・男はたくさんいるだろうなどと
思いながら、「ホラ!」と、ポケットティッシュを出してあげた。

「ハンカチくらい持って歩けよ」
「持ってるわよ」
ハンカチを出して涙をふいた。
「結婚して10年も経てば女じゃなくなるのよね」
セックスの回数も少なくなり、「今日は仕事でクタクタだから寝かしてくれ」
という毎日で、2年近くも夫婦関係がなかったというのだ。
「可笑しいよ、そりゃ」
「結婚したては、私のして欲しいことは何でもする」
と言っていたそうだ。

「それを本気にしていたのか?彼の本心は、
おれのして欲しいことは何でもしてくれってと言いたかったんだよ」

こんなことを延々と聞いていても仕方がなかった。

「彼が浮気をした相手は、女房がいるのを知っているんだ」
「わたしの知り合いだもの、知っているわよ」
「だったら別れたほうがいいな」

しこたま慰謝料をとって別れろといった。

女が彼を独身だと思って関係を結んだならまだ救いがある。
彼も嘘を言ったかもしれないが、
それだったら許してやってもいい浮気だと思う。
それこそ、妻との交渉が途絶えたことから生じた
肉体的欲求だと考えればいい。

それを、君という妻のいるのを知っていて
関係を持ったとなれば、君への侮辱だよ。
君の旦那と浮気した女の間に君という女性がいるにもかかわらず、
2人はベッドで抱き合ったなんて、君への侮辱以外何ものでもない。
「許せないだろう?」

M子は返事をしなかった。

「別れちゃえ、そんな男とは」
返事をせずに、
「男って、どうして浮気をするの?」
と聞いてきた。
「様々な理由があるから一概には言えないが・・・」

幼児期に経験したことからの影響や、
種の保存という男性の動物的本能が、
肉体的に相手を選ばない傾向が宿っている面はなくはない。
男性ホルモンのテストストロンのなせる業だといわれている。
これは女性と本質的な相違で、愛とセックスを区別するのも
このせいかもしれない。
この原始性から解放するのが理性である。
「君の亭主はテストストロンの影響を受けたのかも・・・」
「・・・」
「だからぼくにもそれがあるかって?」
「・・・」
「ぼくは理性が勝っている人間だからな」
「そんなこと聞いていませんよ」
「だが、君を知っている女と浮気をするなんてよくないよなァ」

ここでM子は深刻な表情で、
「実はね、ずっとご無沙汰だったセックスを迫られたことがあってね・・・」

セックスレスで1年以上も放りおかれたある日、
酔って帰ってきた彼が、M子の体調も考えずに迫ってきたのだと言う。

その時、懲らしめてやろうと思い、
「何の弾みよ?嫌よ。私が誘っても長い間拒絶してきて、
きょうは浮気相手に拒否されたの?」
そう言ったついでに、
「Y江みたいに、あなたのことを魅力的だなんていう女がいるんだから、
Y江にでも泣きついてみたら?」
と言ったのだそうな。

それが現実になってしまったのだという。

これでは、浮気した彼ばかりも責められない。
「こりゃ、君達2人かY江さんさんの3人で解決する問題だな」
我輩の脳内がお手上げ状態だった。

それから数日経って電話があった。
「やっぱり、私、彼を愛しているから別れないことにした。
Y江と別れてもらった」
・・・そうだ。

めでたし、めでたし・・・になるのだろうか???!!!