役づくりって何だ? | 演劇人生

演劇人生

今日を生きる!

昨日、

チェーホフ作

「結婚申し込み」

のワークショップの発表会が終った。


一人は以前から教室などで勉強してきた経験をもつ女性。


一人は大学在学中で、演劇の「エ」の字も今回が初めて・・・・

ではない、入団早々、「赤坂6丁目カフェ」という作品のレストラン公演で、

狂言回しの役で「序詞役」で大抜擢したのだが、

本来は、ぼくがやろうとして創った役だった。


一人は、数十万円という金額をはたいて

タレント養成所を出てきたという話だが、

「何処にその形跡が?」と言いたくなったり、

「無駄にゼニを使ったなァ」と、何度言ったか分からない。

こういった「養成所」とかで潰される俳優志望の若者も少なくはないという。


さて、新人は旧人と比較して癖がないから育て易いと言われるが、

一概にそうもいえない。

俳優志望の若者に、

「役をつくる前に自分をつくれ」

といいたい。

「自分はこういう人間だから、自分と役との違いはこうである」

と明確にいえない人間に、役の人間の分析などできるわけもない。

にも拘らず、平気でセルフを読み、立ち稽古にはいる。

この人間は、役づくりをどう考えているんだろう・・・と思う。


役をつくるには、

「役と向き合わなければならないのだが、向き合うお前は何者?」


こう言いたくなる。

台本はセリフが書かれてある。

「何故セリフがあるの?」

作者が書いたから・・・という役者はいないだろうが、

「そう思っているからです」

程度までは考える。

「では、何故そう思ったの?」

「相手にこんなことを言われたから」

とも応える。

「では、そういわれるとは思っていなかったの?」

・・・こうしてQ&Aが続いていく。

結局終点に行着く前に「宿題」になる。


役づくりは


難しい仕事なのだ。