友人が、
母親の誕生日に電話の一本寄越さない息子を怒っていた。
花束をもってこいとか言うんじゃない、電話でいいというんだよ、
「誕生日おめでとう」
・・・のひと言でいいんだよ。
「そうだなァ・・・」
・・・と返事をしたのだが、
こんな話をされた僕のショックは、彼は知らない。
大学を出ても5年もの間、
当たり前のように仕送りさせ、
母親の誕生日も、親父の誕生日も、未だに知らない。
既に亡くなっているが、
何年目になるかも、
書類を見ないと分からない。
慙愧に耐えない・・・とはこれ以上のものはないかも知れない。
息子や娘が結婚する段で、親子関係は解消される…
これが僕の持論だ。
結婚で解消されない関係は息子や娘としての関係…
これは親が永遠に背負うとともに、
子も同じだ。
・・・自分の生まれた年は忘れる人は殆どいないだろう。
だが、親の誕生日を30になっても40になっても覚えている人は何人いるのだろう・・・
えッ、知らないのは僕だけ?
既にいない親の誕生日と逝去日くらいは覚えておいた方がいいのかもしれない・・・・・・
友人からの電話で、
コレまでの人生で思いもしなかったことにぶつかったが、
それが、これほど身近なものごとなのである。
・・・にもかかわらず、掘り起こされて初めて気付いたことなのだ・・・
いま・・・・
何を言えばいいのか、ことばが見つからない。