「能登の大動脈」寸断、陸の孤島に 1本の国道が全ての障害に
1/8(月) 18:33配信 毎日新聞
本文は下に-----
”1本の国道が全ての障害に”この表題見て何を想像するか???正直想像がつかないんだよな
一本しかない国道が寸断されたから現地に入れない、であれば「一本の国道が能登の命綱」あたりではないのか、毎日新聞の記事だがライターはこれでいいと思って書いているのかなあ
しかし能登半島の生命線は国道470号通称「のと里山海道」と石川県道通称「珠洲道路」ではないのか
能登半島地震で、被災地は救助やインフラ復旧の遅れ、不十分な医療や支援物資、孤立状態など、さまざまな苦境に直面している。それらの目詰まりの主因は、半島の道路寸断だ。政府は道路を切り開く作戦を急ピッチで展開している。
本州の中心から北に突き出た能登半島は山地が大半を占め、そこに集落が点在する。「能登の大動脈」と呼ばれる国道249号は半島の沿岸を囲むように走り、山肌を縫うように県道や農道が通っている。
しかし、1日に発生した地震によって8日午後2時現在、その国道249号は少なくとも24カ所で土砂崩れなどによる通行止めが発生。甚大な被害が出ている石川県輪島市や珠洲(すず)市の市街地につながる道路は、1本ずつしか確保できていない。「陸の孤島」と化した能登半島で、住民たちは過酷な生活を強いられている。
四方を山に囲まれた石川県輪島市打越町地区。1日の激しい揺れで自宅の外に出た区長の谷内(やち)均さん(66)は、目の前の光景にがくぜんとした。道路脇の木や電柱が次々と倒れ、県道につながる約1キロの道があっという間に塞がれていったからだ。「直径50~60センチの木が100本近く倒れて、異常な光景だった」。集落にいた26人が孤立した。
全員で集落の集会所に身を寄せ、各自宅にあった食料などで夜をしのいだ。しかし、翌日も電話は使えず、救助を呼べない。4人がかりでチェーンソーで倒木を切って道を切り開いていったが、とても県道まではたどり着けなかった。
半島北部に位置する輪島市、珠洲市、能登町、穴水町では、同様に孤立した集落が多数発生した。
交通網の寸断は、救援物資の輸送も困難にした。
「水や食料が足りず、地震から40時間以上たっても被災者1人にパン1個しか配れていない」。珠洲市の泉谷満寿裕(ますひろ)市長は3日、毎日新聞の取材に窮状を訴えた。
医療提供にも大きな影響が出ている。4日から輪島市に入った災害派遣医療チーム(DMAT)事務局の医師、伊東尚(たかし)さん(43)は、金沢市内から約100キロ離れた拠点の輪島市役所まで車で8時間かかった。治療が必要な人を把握して病院につなげる役割を担うが、道路の損壊で避難所にたどり着くことさえ難しい。「道路状況が悪いので、日のあるうちに活動を終える必要があり、医療が行き渡っていない」
5日早朝。孤立していた谷内さんたちは、倒木をどけて、ようやく人一人が通れる道を通した。県道にいた消防署員らに孤立したことを伝えると、自衛隊による食料の支給はあったが、救助は来なかった。
「自力で出るには今しかない」。谷内さんたちは同日午前9時ごろ、自ら脱出を開始した。腰の悪い80代の女性は、脚立を広げて担架代わりにして約1キロ先の県道まで運んだ。そこで偶然通りかかった地元消防団の車に乗り、正午過ぎに避難所にたどり着いた。「何とか生き延びることができた。しかし、これからの生活は何も考えられない」。谷内さんは途方に暮れた表情を浮かべた。
石川県によると8日現在、約3300人が孤立状態となっており、約1万8000戸が停電している。地震で多数の電柱が倒れたが、道路事情が悪くて十分に工事車両が入れないためだ。【朝比奈由佳、川地隆史、柳楽未来】