「疾風スタジアム」 第4回 ~桜花賞~ | 数字をめぐる馬券術2024

数字をめぐる馬券術2024

全ての答えは出馬表にあり!

★この物語は全てフィクション

です。たとえ劇中に実在する

名称があっても架空の物語で

すのでご了承ください。

 

 

先週の大阪杯

一平の母・房江は、ダノング

リーが3着に敗れたのを見て、

いきり立った。

「何やってんのよ、一平!」

しかし、さすがに房江。

即、冷静さを取り戻し、すぐさ

ま得点を集計し胸をなでおろ

した。

「まだ1位」

1点差だったが、トップを守

りきったことで安堵した。

 

各チームの総合得点は以下。

 

寿町・・・・5点

緑町・・・・4点

天神町・・2点、

是政・・・・0点

八幡町・・0点

本町・・・・0点

 

南インサイドは、いまだ得点

がない。

 

 

<痛快予想バトル>

小説「疾風スタジアム」

第4回 ~桜花賞~

 

 

国立の桜並木は、もう散り

かけていた。

昔、軽井沢へ向かう飛行場の

滑走路だったという、駅から

続く一本道。

その両側に咲く桜並木は壮

観だ。

この桜吹雪の舞う頃が、国

立の一番美しい時だ。

 

また今年も、桜が咲いて散っ

てゆく。

 

自分が死んだ後も、この風景

だけは変わらない気がする。

そんな、永遠の瞬間を楽しむ

ことが、人生で最も幸せを感

じる時だ。

 

今年も、永遠の桜花賞が始

まる。

 

 

橋本酒店

八幡町のリーダー、哲二が

怒鳴っている。

「何言ってんだよ、そのために、

お前に小遣渡してんだろ!」

 

哲二の子分、夏目は困った

表情だった。

大阪杯は春男の指名馬が1

着になり、緑町が2位になっ

たことで、哲二の機嫌は悪

かった。

 

「それより、春男さん、最近

好きな子が出来たみたいな

んですよ」

「えっ、女ができたのか?」

「いや、まだ誘っただけの

ようですけど」

「誰だよ、その女は?」

「本町に架純って子がいま

すよね?」

「いや、知らねえ」

「前に、一緒に会報を配っ

た時に誘ったらしくて」

「そりゃあ、阻止しないとな」

「何、言ってるんですか、哲

さん新婚じゃないですか」

「いいんだよ、そんなことは」

 

<地図、マピオンより>

 

八幡町の哲二と、緑町の春

男は、昔から仲が悪い。

それは親父の代から続いて

いることだ。

彼らは甲州街道を挟んで、

いつも対立していた。

春男に何かあると、いつも

ちょっかいを出すのが哲二。

決定的だったのは、春男の

女に手を出した哲二がその

女と最近結婚したことだ。

にも関わらず、春男に女が

できたと聞くと、すぐにジャマ

したくなる。

哲二は、そういうやっかいな

男だった。

 

「今日、亀さんの店へ行くみ

たいですよ」

「そうか、亀の店か・・」

哲二はニヤリと笑った。

 

 

国立、ロ―ジナ茶房

一橋グループが反省会をやっ

ている。

赤川が、いつものように先週

の大阪杯を分析していた。

 

<大阪杯> 結果 5→12→8

 

<トライアルの結果>

◆中山記念 

1着 ダノンキングリー

2着 ラッキーライラック

◆金鯱賞

1着 サートゥルナーリア

2着 サトノソルタス

 

「今年の大阪杯は本賞金の

増額戦、同時にトライアルの

2重賞も増額戦だったことが

重要だったね。1着馬不在

の金鯱賞が使われないの

はわかるよね? 注目は、

1,2着が対角に配置されて

いた中山記念の方。金鯱賞

の1着が不在、なら中山記

念も1着馬ではなく2着を

使うってこと。なら、ダノンキ

ングリーの2着はなく、3着

が指定席だっというわけ。

先週の高松宮記念が牝馬

で1,2着だったことを、もう

少し大切に扱えばよかった

かな」

「高松宮記念のトライアルが

馬券にならなかった理由は、

非増額戦だったからってこ

と?」

白井が言った。

「そうなんだよ、だから大阪

杯はトライアルが使われる

と読んだところまでは良か

ったんだけどね。1,2着の

役割を間違えたよ」

「まあ、得点を加算したんだ

からいいんじゃない?」

黒田は楽天的だった。

「でも、これで次の増額戦の

安田記念は、取ったような

ものだよ」

赤井は、そう言って笑った。

やはり赤井は頼もしい。

 

 

夜、本町、亀の居酒屋

カウンターに哲二が座って

いる。

「亀さん、オタクのリーダー

はかわいいらしいね」

「何だ、今日はそれが目的

かよ」

「いや、見たことないなと思

ってさ」

「彼女京都の女子大に通っ

てたんだけど、今年卒業だ

からさ、もう帰って来てん

だよ」

「それで見かけなかったん

だな」

「でも勇気あるねえ、あの子

に興味があるなんてさ」

「どういうこと?」

「あの子は、千家三姉妹

の三女」

「そうなの? あの化け物三

姉妹の?」

 

この辺りで、千家三姉妹を

知らない男はいない。

 

長女・・千家サクラ

次女・・千家萌花

三女・・千家架純

 

特に、上の二人の豪傑さは

破格だった。

二人とも独身だが、男が気後

れするくらい男らしい女。

誰もこの界隈で彼女たちにち

ょっかいを出す男はいない。

しかし、三女だけはライオンの

群れにいるウサギのようだ。

千家に咲いたアダ花。

まさに、掃き溜めに鶴だった。

京都にいたので誰も気づか

なかったが、昨年たまたま

帰省した折り、疾風スタジア

ムのことを知り、亀に頼んで

無理やりメールで参加してい

たらしい。

それが一番になり、亀も正直

困っていた。

 

「今日さ、春男が来ることに

なってるだろ?」

「ああ」

「三女と待ち合わせ?」

「あいつも、怖いもの知らず

だよ」

 

と、春男が店に入ってきた。

入るなり、カウンターにいる

哲二を見て驚く。

「何で、お前がいるんだよ」

「いや、たまたま酒の納品が

あってな」

「嘘つけ! またジャマしに

来たんだろ」

「ジャマなんかしねえよ」

「いいから、近づくなよ」

と言いながら、予約していた

奥の席に座った。

 

しばらくして、架純が店に

入ってきた。

「いらっしゃい」

哲二は、思わず「かわいい」

とつぶやいた。

「亀さん、こんにちは」

春男が嬉しそうに手を上げて

いる。

架純はぺこりと頭を下げた。

「春男さん凄いですね。ラッ

キーライラック、来たじゃな

いですかー」

「いや、まぐれですよ」

「私なんか、カスミもしませ

んでした」

「それ、カスリの間違いじゃ

ないですか?」

「ハハハ、冗談ですよ」

二人は楽しそうだった。

 

そこへ、哲二がきて大声を

出す。

「いらっしゃいませ!」

「何でお前が来るんだよ!」

怒鳴っている春男。

知り合いなんですか、と架純。

「あ、オレ八幡町のリーダー

をやっている哲二です」

「八幡町の方ですか、宜しく

お願いします」

「おい、早くオーダー取って

帰れよ」

不満そうな春男。

いつの間にか哲二は椅子

に座りこんで話をしていた。

 

すると、入り口でガチャッと

いう大きな音がした。

そして、外から怖そうな女性

が入ってきた。

 

三姉妹の次女、萌花だ。

 

つかつかと席に近づいて来

る萌花。

あっけにとられる春男。

萌花は、テーブルの男たち

を見て、言っ放った。

 

誰? こいつら」

 

テーブルの空気が凍りつ

いた。

「ああ、この人たちはスタジ

アムの人たちで」

「み、緑町のクリーニン屋、

春男と言います」

「八幡町の哲二です。ここ

にお酒降ろしてます」

ペコリと頭を下げる哲二。

春男の方はビビっていた。

架純は萌花の酒臭さに

気づく。

「ちょっと、もう酔ってんじゃ

ないの?」

「店のワイン、ちょっと飲み

過ぎちゃってさ。ハハッ!

ゲップ!!」

眉をしかめる春男。

取り繕うように架純が姉を

紹介しようとした。

「あっ、こちら私の・・」

その声を制するように、姉

は、突然、手振りを交えて

歌いだした。

 

「カースーミーか、クー

ーカー!!」

「カスミの姉、萌花ちゃん

でーす」

 

慣れたギャグらしく、最後は

二人は声を揃えていた。

そして自分たちで思い切り

拍手をしていた。

遅れて、バカみたいに拍手

を送る男たち。

 

この女は怖い

 

春男は、この人たちとは

永遠に友達になれないと

思った。

 

すると、亀が、お酒を運んで

きた。

「はい、いつもの美少年」

「おっ、美少年とはフルーティ

ですね」

哲二は、すかさずヨイショを

した。

ニヤリと笑う萌花。

親指を突き立て、無言でグー

のポーズをした。

 

 

、寿町。

白井部屋

TVで、昨年「疾風スタジア

ム」で2位だった、天神町の

宮司、山岡平八郎がインタ

ビューを受けている。

 

 

「まあ、あちらが四神の風

水なら、私は暦(こよみ)で

勝負いたします。明治維新

以降、日本はグレゴリオ暦

を受け入れたわけですが、

実はいまだに旧暦が使われ

ているという事実。だから、

私も旧暦の日の、九星を

使って予想をしているの

です」

 

 

黒田が不振そうな顔でTVを

観ている。

「山岡平八郎?このオッサン、

忠臣蔵かよ?」

胡散臭いよね、と赤川。

「でも、宮司って、どこの神社

だろう?」

「さあ、天神町に神社はない

と思うけど」

「ねえ、こいつ何者なの?」

「怪しいよね」

黒田と赤井は、笑いながら

山岡平八郎を眺めていた。

 

一方、白井は身を乗り出して、

TVに見入っていた。

「でもこのオッサン、馬券の

腕前だけは確かだからな。

去年もずいぶん追い込まれ

たしね」

「確かに」

黒田と赤川はうなづいた。

彼らは、得体のしれない山

岡平八郎という男に、興味

津々だった。

 

 

再び、亀の居酒屋

すでに、深夜になっていた。

もう店には、哲二たちしかい

ない

亀も席に座って、競馬の話

で盛り上がっていた。

だが、その場に萌花の姿は

なかった。

 

店の外から、ゲーゲーという、

うめき声が聞こえている。

どうやら、萌花は外で戻して

いるようだ。

「大丈夫かな萌花ちゃん、

やっぱワインと日本酒の

組み合わせはなー、すき

っ腹だったしなあ」

心配そうな架純。

 

店の

萌花は、うずくまっていた。

「おえ~っ」

深夜、そのうめき声は街中

に響いていた。

「おえ~っ、ヤバい!!」

 

 

彼女は野獣のようだったが、

突然、萌花の肩に春の訪れ

が届いた。

萌花の上に、桜の花びらが

舞い降りたのだ。

 

野獣と、一瞬の美

刹那。

とてつもなくシュールな光景

だった。

 

「おえ~、苦しい!!」

萌花は、相変わらず豪快に

叫び続けている。

こちらは、永遠に途切れ

ない叫び声だった。

 

 

金曜日は、四神の御心

の発表がある日。

すでに、枠順だけは木曜日に

出ていた。

 

◆2020 桜花賞

(ユーチューブより)

 

四神から受け継ぐ、未来への

予言。

美少年、神翔太 が登場

する。

 

翔太 「今週の桜花賞、四神の

「御心」

その2つの数字とは・・

 

 6

10

 

今週の該当馬は、これだ!!

★稼働率・・90%

 

<6と10にクロス(隣接)

する該当馬6頭)

 

 5 マルターズディオサ

 6 ウーマンズハート

 7 ヒルノマリブ

 9 デアリングタクト

10 フィオリキアリ

11 クラヴァシュドール

 

この中から、1頭選ぶ

べし!!

<締め切りは、当日10時

まで>

 

 

緑町、春男の部屋。

春男に競馬を教えてもらって

いる夏目。

「先週のラッキーライラック、

やりましたね」

「内枠なら、末脚が爆発する

と思っていたよ」

「デムーロも良かったです

しね」

「そうだね。で、桜花賞も上

がりが重要なポイントになる

レースなんだよ。とりあえず

上りの上位馬をあげておくよ」

 

クラヴァシュドール(33.8)

マルターズディオサ(33.9)

レシステンシア(34.2)

ミヤマザクラ(34.3)

 

クリーニング屋を出た夏目

が哲二に連絡を取っている。

「春男さんですが、どうやら

クラヴァシュドールでいくみ

たいです」

「ふーん、チューリップ賞2着

か、それならオレは1着馬か

らいくよ」

夏目は春男のことが聞きた

かった。

「そういえば、昨夜はどうだ

ったんですか?」

「あー、春男は諦めたみた

いだ。だって、あの子は

もともと無理筋だろ?」

「・・そうすね」

と、二人は大笑いをした。

 

<会報>

第3回 <桜花賞>

各チームの推奨馬と、そのコメ

ント。

 

◆寿町・・該当馬なし

リーダー(荒川一平)

 

桜花賞では、事前オッズ1,

2位の馬の信頼度が高い

です。前走がGⅠ、もしくは

トライアルだった場合、その

ほとんどが勝ち負けします。

今年の2頭も該当馬。

17 レシステンシア

 8 リアアメリア

 

ただ御心の6と10にはクロ

スしていません。

よって対角も調べます。

10の対角は9番で、8がク

ロスしています。

なら、リアアメリアが馬券に

なると読みました。

ただ、四神の6頭には該当

しないので、ここは該当馬

なしとします。

 

◆緑町・・クラヴァシュドール

リーダー(坂口春男)

四神の6頭の上り3ハロンを、

比べます。(評価・A~G)

11 クラヴァシュドールB評価

 5 マルターズディオサB評価   

 9 デアリングタクトC評価 

 

レシステンシアを含めて、今

年はレベルが高いです。

御心からなら、クラヴァシュ

ドールの末脚に期待したい

です。

先週、助けてもらったデム

ーロに、またお願いしたい

ですね。

 

◆天神町・・ウーマンズハート

リーダー(宮司・山岡平八郎)

4月12日の旧暦は二黒。

その二黒が導く数字は7です。

よって九星が導く該当馬は、

1,2,3と6,7,8です。

 

四神の6頭と重なる馬番は、

6,7のみ。

よって対角も調べます。

7番の対角にあたる12か

ら、11を加えます。

6,7,11の3頭が候補。

二黒の日は荒れ模様。

よって、ここは一発狙って

みたいです。
 

◆是政・・該当馬なし

リーダー(船越寅雄)

好きな名前がなかった

から。

 

◆八幡町・・マルターズディ

オサ

リーダー(橋本哲二)

桜花賞と言えば、チューリ

ップ賞でしょう。

素直に1着馬を指名します。

 

◆本町・・デアリングタクト

リーダー(千家架純)

目がかわいいから。

 

 

桜花賞、当日。

大國魂神社

 

一人の若い女性が神社に

お参りに来ている。

 

円城寺珠子(たまこ)。

後ろ姿が美しい。

 

手には「疾風スタジアム」の

会報が握られていた。

密かに、春男の選んだ馬が

馬券になりますようにと祈っ

ていた。

 

珠子は、春男を好きだった

が、春男はいつも違う女に

ばかり夢中になっている。

 

そこへ春男の親父、坂口昭雄

がやって来た。

「あいつも、悪い奴じゃないん

だけど、いつも無理筋の女ば

かりを好きになるからなあ。誰

に似たんだか・・」

申し訳なさそうな昭雄。

 

珠子は、優しく微笑んでいた。

 

桜花賞

「四神が導く、桜の女王

その勝ち馬はどの馬だ!!」

 

すでにゲートインは終了。

牝馬たちは、スタートを待

っていた。

 

桜花賞は、いつも胸が熱く

なる。

一生に一度のクラシック

美しく舞い、美しく散る牝馬に、

永遠の幸あれ!

 

春男の愛と、それを見守る

珠子の思い。

その全てをのせて、クラヴァ

シュドールが走り抜けていっ

た・・!!

 

 

 

 

次週、「皐月賞」に続く。

 

人気ブログランキングへ
http://blog.with2.net/link.php?1045553

 

 

<カッパの会>

詳しい内容が知りたい方は↓

カッパの会