2y2m20d コミュ障にとっての言語 | 不妊治療→育児期なう

不妊治療→育児期なう

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漫画「葬送のフリーレン」第2巻に次の台詞がある。

「奴ら(引用注:魔族)にとっての言葉は人類を欺く術だ。

(中略)

わかり合うための言葉ではなく、欺くための言葉。」

 

これ読んでぞくっとしたよね。コミュ障の私は。

何にって、私はそれまでの人生で言葉を「分かり合うためのもの」と考えたことはなかったから。

 

私にとって言葉は「思考に輪郭をつけるためのもの」であった。

例えば嫉妬という言葉を知らないと、好きな人が他の人と仲良くしてる、モヤモヤする、イライラする、何この不快な気持ち、

ってなったときに自分の不快な気持ちの正体が分からないけど、「嫉妬」という言葉を知ればああこの不快な気分は妬みなのかとわかる。

ただの不快感が「嫉妬」「羨望」「妬み」としてシェイピングされる。言葉とはそのためのものだと思っていた。

言葉は他者と分かり合うためのもの、という発想がないという点では私もフリーレンの言うところの「魔族」かもしれない。

 

そしてその魔族の息子、我が家の2歳児は着々と母語を吸収している。

 

先日感動したのは、少々気温の高い日にいつも通り綿入りのスリーパーを着せて寝かそうとしたら

「あついからみずいろのふとん※にする」

※薄手の毛布

と言い出し、

「~(だ)から」ってすごくないすか。

理由ですよ。「なぜ私が水色の布団を欲するかと言えば暑いからだ」と。要求の理由まで言葉にできるってすごくないすか。要求を伝えることもだけど、理由→要望と思考できてることがすごくないすか。

感動したわ

 

昨日は動物園に連れて行ったのだが、午後にだんだん不機嫌になってとうとう泣き出して、

「どうしたの?暑いの?寒いの?眠いの?お腹空いたの?ベビーカー降りて歩きたいの?だっこしてほしいの?他の動物見たいの?」

と聞いたら

「おうちかえる~!」

自分でちゃんと要求言える!

すごい!助かる!

即連れて帰りましたね。まだ13:30だったけど。

 

息子には初めから言葉を「分かり合うためのもの」として授けたいものだ。

せっかくフリーレンにその発想を教えてもらえたのだから。