つづき

 

 

 

籍をいれ、引っ越しが完了した。

新居は、同地区内のアパート。

 

引っ越しの当日。

私の母と姉から、お花とメッセージが届いた。

 

「〇〇さん(新しい名字)お二人で末永くお幸せにね!クラッカー

 

そう、家族に幸せを願ってもらいながら。

二人で暮らしたその日から、私は幸せを感じた時などあっただろうか。

ちなみに彼の家族からは、何もなかった。

 

 

彼は、職人なので朝が早い。

6時には家を出るのだが、その前に朝食を用意しなければいけない。

 

私は彼よりも早く起き、朝食を用意し、弁当を作り、洗濯掃除をして

都心にある某会社に出勤。

 

帰りは19時過ぎ。

帰ってきてすぐ洗濯物を入れ、夕飯の支度にとりかかる。

 

彼は17時過ぎには家に戻っていた。

シャワーを浴びると、そのまま酒を飲みテレビを見始める。

何もしない。

しないくせに、夕飯はまだかと私をせかしてくる。

 

夕飯を食べ終え、後片付けをし、洗濯ものを畳んでしまう。

脱いだままで放置されている作業着や

床に転がったビールの空き缶を片付ける。

 

彼は、そのまま酔っ払い、テレビをつけっぱなしにして眠りにつく。

 

これが平日のデフォルトだ。

 

一度、夕飯にメイン料理として「クリームシチュー」を出したことがある。

彼は、「クリームシチューなんて飲み物だろう!メインを出せ」

怒り狂った事があった。

 

休みの日は休みの日で、家事、掃除など一切しない。

自分は体力仕事で疲れているからという理由だ。

 

1日中ゲームをしたり、テレビを見たり。

同じ場所から動かなかった。

買い物に一緒に行くこともない。

 

そんな日が続いたある日のこと。

 

やっと18歳になった彼は運転免許取得のため

1か月程度、T県に合宿に行く事になった。

現場仕事をしているので、免許は必須であり

少しでも早く取れるように、会社から合宿免許を指定されたのだ。

 

行く前、「いいか。俺のいない間に男と話すんじゃないぞ。

会社に行く前、帰ってきたとき毎日連絡しろ。俺が電話したら絶対に出ろ」

と何度も念を押した。

 

私はつかの間の自由を楽しんだ。

と行っても、遊びに出かけたりはしない。

朝早く起きて、弁当を作らなくていい、夕飯を焦って用意しなくていい。

家を汚す人もいないので、家事が楽。

その程度の「自由」だ。

 

彼からの連絡は、毎日毎日続いた。

 

最初のうちは・・・