奴は実家に戻る事になった。


これ以上一緒に暮らしていると

私の体調が悪化する。

まずは、6月からの転職に備え

体調を戻す事を最優先としたい。

そのために一旦離れて欲しいと

奴に頼んだからだ。 


また、その間に内省し、これからどうする

事がベストなのかを考えて欲しいとも伝えた。


勿論、奴に抵抗する権利などない。


朝、必要最低限の荷物を纏める。

ダンボール一箱分だけ、宅急便で送ることになった。


奴が動いている間、私はベッドから出ず

スマホをいじりながら、サレ妻さんのブログを

読んでいた。


全ての用意が終わると

鍵を机のうえに置き、私の横に座った。


何も言わずじっとしている。


仕方なくスマホを置き、起き上がる。


奴はあたまを床にこすりつけた。

「ごめんなさい、、、」


返事はしない。


「ごめん、、、」



「無理。」


「ごめんなさい、、、」


「とにかく、体調が悪い、、この土日で

何とかしなきゃいけない。」


「もう行って。」


黙って部屋を出て行く。


次にここにくる時は、、

荷物を持って出て行く時だよ。

心の中でつぶやいた。