チェインスモーキングブルースの巻 | チンピラ詩人カオルの戯言

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新しい可能性のために

タバコとは実に不可思議なものだ。

レインのように煙ったい部屋で育った猫は別として

ほとんどの犬や猫も他の動物も子供たちもタバコの煙は嫌がる。

タバコは甘くもないし苦くて健康への害もかなりの代物だ。

昭和の時代よりも喫煙者は激減している。禁煙の場所も増えた。

値段も高いし部屋も歯もヤニで汚れる。爪も黄ばんだりもする。

でもスモーカーたちはそんなことわかり切っているのだが吸う。

高いお金を払いわざわざ猛毒の煙を深々と吸い込み吐き出す。

タバコが嫌いな人にとっては「こいつらバカだ。死ね」とか

思われているんじゃないだろうか。

 

「ballad king」に収録の「チェインスモーキングブルース」は

そんな哀れなスモーカーたちに捧げる曲だ。

もちろん聴いて欲しいけれどかなり煙ったいから注意してくれ。

映像はすべてモノクロ写真を使っている。

インスタグラムで知り合った国内外の女性スモーカー2名の

写真がオレのイメージだったので使用許可を申し出た。

ふたりとも快諾してくれた。「同類相憐れむ」という感じかな。

ちなみに。

YouTube公開時に「子供向け・成人向け」を選択する。

「子供向け」にするとなぜか「コメント欄がなくなる」のだ。

 

 

オレは昨年の5月ごろに毎朝激しく咳き込むようになった。

病院へ行くと「高度の肺気腫」だと医者に言われた。

「このまま喫煙を続けると10年以内に酸素吸入器が

 必要になる可能性が高い。そうなれば唄えなくなる。

 タバコは肺がんだけじゃなく他のがんへの影響も大きい」

そう宣告されたのが去年だからあと9年以内ってことか。

「以内」ってことは「もっと早まる場合もある」ってことか。

でも「可能性が高い」ってことは

「セーフの可能性もちょっとはある」ってことか。

うむ。

医者の宣告は「カオル君。キミはかなりピンチだぞ」だよな。

確かに「長髪のロッカーとしてのブランドイメージ」はあるが

オレの周囲の人たちは「タバコやめて唄い続けて」と言ってるし。

わかっちゃいるんだけどなぜか積極的にやめようと思わない。

去年のクリスマス近辺は「やめる方向に気持ちが傾いてる」と

ライブ観覧車やブログにも書いた気がするんだけどね。

いまも吸いながらブログ書いてるけどタバコが美味いと感じる。

謎だ。

 

断酒して今年の5月1日で20年目になる。

医者は「タバコよりもはるかに依存性の強い酒をやめられたから

タバコはすぐにやめられると思う」とも言っていた。

オレは45日間の強制入院期間は1本も吸えなかったけれど

特につらいとか吸いたいなどとまったく思わなかった。

ギャンブルや危険ドラッグも

ある日突然「やめた。これ意味ないや。オレもういい」となり

それからキッパリ手を切り未練もなにも感じなくなった。

だからタバコに関しては「まだその時が来てない」のかなと。

 

なぜタバコを吸うのかと訊かれたら「好きだから」と答える。

タール1mgの軽いタバコはダメで

タール21mgのロングピースが大好きだ。

ロングピース。「長い平和」。

今回は「戦争・ラブ&ピース」には結びつけたりはしないぞ。

 

昔なんとなくこんなことを思った。

 

「歳をとったらロックングチェアに揺られながら

 猫を抱きパイプをプカリって老後もいいな」

 

でもそんなくつろぎの老人になるためには

健康被害が凶悪で早死に危険のタバコをやめないとダメだろう。

タバコをやめたらばパイプをプカリはできないだろう。

長生きしたければタバコをやめる。

タバコをやめたら老後のプカリができなくなる。

 

矛盾だ。パラドックスだ。

 

明智さん。

迷宮入りですかね?