「雲をつかむような話」の巻 | チンピラ詩人カオルの戯言

チンピラ詩人カオルの戯言

新しい可能性のために

2004年はオレにとってはかなり不可思議な1年だった。

年明け早々に10年近く同棲していた女性と別れることになった。

いっしょに暮らしていた一軒家には猫が6匹いたけれど

彼女がどうしても自分が世話をしたいというので

すごく切なく寂しかったけれど猫たちともお別れ。

 

〜食器はわけられても猫はわけられない〜

 

行く所がなかったのでしばらく実家に戻らせてもらった。

「別れ」というモノはかなり精神力がいる。

それもあってかオレは過去最大の鬱状態になった。

追い討ちをかけるようにインフルエンザ・帯状疱疹・顎関節症

などが一気にオレのカラダに出現した。

しかしその時期には「誰もがハローと言える場所」の

レコーディングですでにスタジオのスケジュールも決まっていた。

当時はマネージャーがいて車でスタジオへの送迎を

してくれたけどそれでも本当に過酷なレコーディングだった。

唄を録音中にスッと意識を失いその場に倒れ込んだこともある。

実家に送ってもらうと飯も風呂も後回しでとにかく眠った。

そんな日々の繰り返しの中でオレは少しずつ睡眠薬を貯めていった。

なんとかレコーディングが終わりイタルにジャケットを頼んだ。

仮ミックス音源をイタルに渡しながらオレは漠然と考えていた。

「ジャケットを描き終わる頃にはオレはこの世にいないかも」

 

そしてある日ガールフレンドの部屋で彼女が寝静まった頃に

約200錠ぐらいのずっと貯めていた睡眠薬を一気飲みした。

「死にたい・自殺」というより「ずっと眠っていたい」みたいな

感覚でポカリスエットで流し込むようにそれを飲んだ。

まあオレは生きてるからその辺のことはまた機会があったら。

 

だけどうつの具合はまったく改善されずに

CD発売記念ライブをキャンセルして活動休止に。

実家の布団の中で思った。

「オレのことを誰も知らない場所で暮らそうか」と。

特に行きたい場所はなかったけれど

偶然「カオラック」という小島があることを知った。

なんとなく「kaoru Luck」みたいでいいかもと思った。

パスポートを取得したりわりと本気で準備を進めていった。

もう会うことはないと思う人の連絡先を携帯から削除したり。

 

そんな時にガールフレンドの部屋でTVのニュースを観ていたら

「スマトラ沖大地震・巨大津波」の映像が放送されていた。

「カオラック」にも相当な被害があったことも知った。

オレは突然「これ。書かなきゃ」と詩をガーッと書き始めた。

書きながら「かなり長い詩になるな。朗読にするしかないな」と

思った。

完成した初の朗読曲が「雲をつかむような話」だ。

ぜひ聴いて欲しい。6分で済むからさ。

 

 

この曲をライブでやりたいと強く思ってメンバーを集めた。

ドラム湊雅史 ベース種子田健 ギター橋本じゅん。

そして2005年初旬に横浜STORMY MONDAYでライブをした。

それがきっかけでオレは回復していき積極的に活動を再開した。

レコーディングは塚本晃プロデュースで伊豆山奥のスタジオ。

演奏は一発同時録音で唄や朗読・ニュース・波の音などは

後から録音した。途中の「デタラメなピアノ」は気にいってる。

 

11年前の3月11日の東北震災の時はライブ会場へ向かう途中。

電車に乗ってしばらくすると普段とはぜんぜん違う振動が。

激しく揺れ始めて横転するんじゃないかと思ったけれど

どうにもできない。次の駅についてオレはすぐにホームへ。

ホームには蛍光灯の破片などが散乱していた。

車内の人の多くは携帯を眺めながら座ったままだったけれど

オレは「これはヤバいだろ。非常事態だ。レインが心配だ」と

急いで築50年近いレインハウスへ徒歩で戻った。

停電はしていたけれどアパートもレインも無事。

実家の様子も見にいったけど大丈夫でロウソクなどをくれた。

コンビニも停電でレジが使えないようでアナログで売買してた。

 

停電が復旧してインターネットで情報を集めた。

そして「福島原発が破損?・惨事?」を知った。

泥縄式ではあるけれど改めて「原子力発電所」について調べた。

その後のことはみんなも知っているだろうから書かない。

伝えたいことは二つ。

 

1 原発廃炉作業中に大量に出る汚染水の海洋投棄問題。

政府は「基準値以下にして海に流すから環境への影響なし」と。

しかしオレは「お得意のレトリックだな」と思った。

例。10gの塩を溶かしたコップ1杯の水を飲む。

飲んだ人は「こんなに塩辛いと飲めるわけない」と言う。

「じゃあ10gの塩水を20杯に分ける・薄めたら飲めるよ」と。

飲んだ人は「これなら塩辛くない。普通に飲める」と言う。

そしてその人は20杯飲み干すとする。

それは「塩分摂取量は合計10gだ」ってことになる。

これが政府の「やり口」だ。薄めた汚染水をドラム缶1本なら

恐らくほとんど海水への影響ははないだろう。

でも「薄めた塩水20杯」と同様に

「最終的にすべての大量の汚染水を捨てる」と言うことだから

基準値もなにもない。「風評被害」どころか「実害」が出る。

放射能に汚染された水が海を汚しその水を魚が摂取する。

そんな魚を好んで食べようと思う人はあまりいないのでは?

結局その「実害の被害者」は「まじめな漁業関係者」だ。

 

2 ニュースの詳細を現時点でオレは知らないのだけれど

「チェルノブイリの原子力発電所に戦争の被害」が

あったようなことを昨日知った。

チェルノブイリ原発事故・その影響などは各自検索してくれ。

福島原発破損でもまだ人の住めない立入禁止区域がある。

その状況はかなり先まで続く。廃炉も50年後だ。

チェルノブイリではもっと広範囲にそんな地域がある。

文字通り草木も生えない広大な荒地がある。

事故後その付近の農作物などは危険すぎて輸出禁止にもなった。

もしもチェルノブイリ原発から放射性物質が流れ出たら。

その物質の元素・種類にもよるけれど

その周辺の生き物はほぼ死滅する可能性がある。

そしてかなりの長期間その地域は誰も立ち入れなくなる。

放射性物質の中には「半減期が数万年」というのもある。

すげーヤバい状況だ。

 

オレの情報取集がダメですでにそれは解決済みかもしれない。

だけどオレがずっと懸念というか心配していることがある。

それは北朝鮮の「ミサイル発射」だ。

不定期だけれど日本本土直撃は避けて近海ギリギリに

挑発するように北朝鮮はミサイルを発射してくる。

人はミスをする生き物だ。ミサイルがどこを狙うかは

デジタル制御しているだろうけれど人為的プログラムミスや

デジタル機器の誤作動・ミサイル自体の欠陥などで

狙いが外れて「日本本土直撃」って可能性があるのでは?と。

それを考慮してアメリカ軍が「ミサイル迎撃システム」してるが

まだ「実戦経験」はないしそのシステムがミスする可能性も。

そしてそのミサイルがもしも「稼働中の原発直撃」だったら。

 

その先は読者諸君のそれぞれの「想像力」を駆使しておくれ。

 

戦争もミサイルも核兵器も武器商人もマシンガンもいらない。

オレは「そういうの」が大嫌いで「平和が好き」なだけだ。

みんなが「平和が好きかどうか」はオレは知らないけれど

孤軍奮闘の感も否めないが。

やっぱり「ラブ&ピース」で生きていくつもりだ。

 

「地震は人力で防ぐのはムリ。

 戦争は人力で防ぐのは可能」

 

おしまい。