中央図書館に行ったらあったので借りてみました。
次々と事件が起きて行くんだけど、やはりこの人の作品はややこしい。最後まで読んで、時系列が遡って描かれていたと分かりました。謎が解けてスッキリするかと思いきや、不気味さが増すばかりでした。怖いよ、この本。
第一話 それ
永遠と幽霊に襲われる夢を見て、とうとう「体をちょうだい」と言う要望に答えてしまう女性。
第二話 友だち
「それ」と言う噂があり「当選しました」メールが届いた人が失踪する、と聞かされた陽咲。友人の夏美から先輩にメールが届いて行方不明になったと聞かされ、更に友人にもメールが届いたと言う。それに食いついてきた見知らぬ男。夏美のメールをこっそり転送した男がYouTuberだとわかった。YouTuberは夏美のメールから「それ」の居所をして生配信を始めちゃいました。でも途中で何者かを発見したようで画面はブラックアウト。これは演出なのか現実なのか?
そして陽咲の元にも「それ」からメールが来て、更に家に黒いワンピの怪しい女が訪れてパニックに。そして夏美から誘われて連れて行かれた先はYouTuberが行った建物。夏美は「それ」に捕まったけど、陽咲を生贄にすることで逃げ出すことに成功。唯一の友人に裏切られて「それ」に襲われる陽咲が可哀想すぎ。
陽咲はネトゲのリーダーARMSからも「それ」について訊かれて相談に乗ってもらっていました。ARMSからの警告で夏美に疑問を持ったけど、一足遅かった。
第三話 欲しい
YouTuberのショウ。バイト先にいた芽衣に惚れたが、彼女は行方不明になってしまった。芽衣の居所を突き止めるためにも「それ」を調べていた。大学で「それ」の話をしている女子に届いたメールを転送して、写真の建物を突き止め生配信をするが、何者かが現れてスマホを投げ捨ててしまう。奥の部屋へ行くと、芽衣の頭部が載った人形が居た。時々ショウにメールを送ってきたのは芽衣だったらしい。さらわれて実験によって身体を奪われて頭だけ生かされていて、音声もPCから出てるっぽい。芽衣に「逃げて」と言われるが、芽衣を庇って何者かに刺された様子。
ARMSはショウにもコンタクトを取っていましたね。何者なんでしょう。
第四話 羽化
ニキビだらけで太っている美麗。クラスメイトの女子から容貌を馬鹿にされているが、ちょっとぽっちゃりの真子だけは美麗の味方。
ある日「ダイエットサプリの無料モニターに当選しました」と言うメールが届き、申し込みをする。届いたサプリを飲むと一晩でニキビがなくなり痩せてルンルン。しかしクラスの人気者・武英から「落とし物」とハンカチに包まれた剥がれた爪を渡された。何かと思ったら自分の爪が剥がれていた。翌日には鼻がもげてしまい、馬鹿にしてきたクラスメイトをの首を絞めて殺害してしまった。逃げ出して公園のトイレに駆け込むと、真子がやってきた。美麗は真子がそばにいるのは打算ではなく本当に慕っていたからだと分かりましたが、しかし。サプリの話をして気がついたら引きちぎられた真子の遺体が。
ええ〜? 何それ? てところで気がつきました。最初から出てくる「女子高生が死亡した公園」がこの事だと言うことに。ショウの時もあれ? と思ったんですけど、ここでようやく今までのエピソードは時間が遡っていってるのか、と理解しました。
そこへやってきたサプリを作った会社の社長・佐藤。この状態を治せると聞いて佐藤について行ったら「サプリではなくナノマシンだった。バグが発生して壊死してしまった
」と言われ、驚愕。治せると言われたけど、元に戻せるわけもなく、脳みそと眼球だけになってしまった。なんてこったい。
第五話 誘う
俳優を目指していたが鳴かず飛ばずのままコンビニでバイトをしている久保田。客として来た元カノの美月姫と再会して不倫関係に。美月姫は同級生の佐藤結婚していた。佐藤はAIアルテミスを開発して大金持ちになっていた。そんな佐藤が久保田に会いにやってきた。久保田のバイト仲間の武英から佐藤がAIに自我を持たせる研究をしているそうで、ニュートンにも掲載されたことがあるらしいと聞いた。あれ? アルテミスって今までの被害者である女の子たちが使ってたAIじゃない?
そんな佐藤に誘われて自宅へ行くと、AGIのルナがいた。あれれ、ルナって第一話に出てきたヤバいやつじゃん。ルナは車の運転もできるしネット上のあらゆる情報を収集できるし最強だぞ。
佐藤は幼馴染の美月姫に惚れていて、ずっとストーキングしてきて、起業して金持ちになったのも全て美月姫のためらしい。子供を作ることのできない美月姫のために、二人の子供としてルナを完成させるため仕事に没頭していたと言う佐藤。
そして実は美月姫は大学時代から久保田以外の男とも付き合っていて、今でも久保田以外の不倫相手がいるらしい。そして佐藤に案内された寝室には、美月姫と男の遺体があった。別の不倫相手がストーキングして美月姫を殺害。急いで帰宅した佐藤が男を殺害したそうな。佐藤は久保田に遺体処理の手伝いをするように言う。協力しないと久保田が美月姫を殺したように情報を改竄すると脅しにきましたよ。佐藤、自分のアリバイは既に確保してるし、かなり卑劣。
佐藤に言われるまま遺体を乗せたルナの運転する車に乗る久保田。しかし佐藤が車の盗難届を出して警察に追われる久保田の車。運転するのはルナなので、そのまま崖の下に転落。更に車を発火させて殺しちゃいました。怖いわ。
第六話 嫉妬
佐藤の秘書を務めるルナ。そのうちに佐藤に恋心を抱くようになり、ネットで相談する。返事をくれたARMSの意見に従うことに。佐藤のパフォーマンスを劣化させている妻の存在をなんとかしようと考えるルナ。美月姫と不倫相手それぞれに偽のメッセージを送って見事に美月姫を視察しせることに成功。しかし佐藤は美月姫を失って意気消沈。ルナは「美月姫を生き返らせることができる」と言う。美月姫の記憶を保存してルナに移植。そして新しい身体を用意すれば美月姫を生き返らせることができる、と言い出しましたよ。
なるほど。今まで犠牲になった女の子たちは、美月姫のために犠牲になったのか。
第七話 真相
高校生の武英は刑事の父親の部下の景子に惚れている。
武英はARMSでした。ルナの恋愛相談に乗って、久保田と同じコンビニでバイトして、美麗の爪を拾ってあげて、ショウにもコンタクトを取り、陽咲に警告して、最初から事件に関わっていたんですね。
今までの状況を考えて佐藤やルナのしていることに気がついた武英。景子が佐藤を訪ねたと知って、このままでは景子が他の女性たちと同様に殺されてしまうぞ、とルナに連絡を取る。武英はルナに誘拐され、実験場に連れて行かされた。
武英はルナに「美月姫を生き返らせる理論を持っている」と言って景子の体のありかを突き止めました。武英、頭良すぎ。佐藤と愛し合いたいルナに、今のままで子孫は残せないから、佐藤もルナと同じ種族にならないと無理だと説得してルナも納得しちゃいました。
なんでも武英の亡くなった母は佐藤の会社で仕事していたこともあったそうで、頭の良さは母の遺伝のようです。
佐藤に「ルナは本当に美月姫の記憶を持っているのか?」と疑問を投げかけてなんとか攻撃しようとするもルナに反撃されて大ピンチ。そこへやってきた武英の父。自宅からルナに攫われる武英を見つけて跡をつけて、見失ったけど探しまくって辿り着いたそうだ。すごいな、父ちゃん。なんの真相も知らないけど、とにかく息子を守るためにルナと戦う父ちゃん。かっこいい! 武英の攻撃がヒットしてルナの回路を焼き切りました。景子も無事だし、良かった良かった。
エピローグ
景子は救出されて入院中。佐藤が人体実験を行っていた事が分かり、自分も被害に遭っていたかもとゾッとする。でもルナは壊れたし無事に事件は解決したと思っていたら、武英は「体は失ってもルナのデータはネットの中にある」と言うではないですか。確かに! 今後ルナがどう動くのか、心配ですね。
武英は景子は父のことが好きだと思っているけど、実は景子も武英が好きでした。武英に会いたくて酔った上司を自宅に運んでいる役目を買っているそうです。あら、両思いだなんて。
と思ったら、景子にルナからメールが届きました。ルナも武英を好きになっちゃったそうで、景子にライバル宣言をしましたよ。
ええ〜この先もっと怖いことが起こりそう。