借りました。

スーツケースの半分はの続編かと思ったら違いました。

ときどき旅に出るカフェとか、旅の話は読んでいて楽しいですね。

 

 

1st trip たまごの旅人

海外に憧れていた遥は、高二の時の台湾旅行をアテンドしていた添乗員の宮城に憧れを抱き、念願かなって海外旅行の添乗員になった。だがしかし、添乗員はほとんどが派遣社員だし、どうやら思い描いていたほど素敵なお仕事ではなかったのでした。

初めての海外添乗ツアーはアイスランド。息の飛行機で憧れの宮城を見つけて挨拶したけど、想いを告げたら冷たい言葉をかけられてショック。でもツアー客の対応に応えられなくて宮城にヘルプを求めると快く応じてくれたのでした。良い人でしたね。

こちらではとにかくケチな女性が描かれていました。座る場所がなくて登場時間までカフェで過ごしてはと提案したら高いからヤダって言ったり、雨具を用意してって言ったのに用意してなくて現地で買えるって伝えたら使わないかもしれないのに金を払えと?とか言うし、仕舞いにおにぎり食べたい。だって。

反対に、雨具用意してなくても「かわいいの買えた」とポジティブに楽しんじゃう人もいて、旅はポジティブに過ごしたいものですね。しかし問題のある客に対応するのって大変よね。

 

2nd trip ドラゴンの見る夢

 

続いての行き先はクロアチア・スロベニア。日本人は滅多に行かない国だそうです。

娘と一緒に参加したおっちゃんがウザかったっすね。娘を下げる発言ばかりで、他のツアー客にも余計なことを言って絡んで良い迷惑。娘も父親に何も言い返さずにいて、肩身が狭いしせっかくの海外なのに楽しめてない様子。かわいそう。なんでも祖母と母の介護が続いて未婚の派遣社員で、正社員で結婚もしてる自慢の兄とは違う、と負のループに入り込んでたそうで。あんな人の気持ちに鈍い父親と一緒に暮らしてたらそうなるよね。でも遥と話しをしてちょっと変わりました。そうそう、そんなオヤジ無視して楽しく行こうぜ! です。父親も父親なりに心配しているようだけど、全く伝わっていないというか見当違いというか、でもこういうオヤジ多いかも。

 

3rd tripパリ症候群

続いてはパリ。パリに幻想を抱いていたけど実際のパリに来たらそうでもなくて落ち込んでしまう人のことをパリ症候群って言うんですって。ツアー客の中にも「移民が多い」「落書きが多い」「昔のバリと違う」とか言う人がおりました。実際に移民が多いわけでもなく昔から他人種が集う街だけど、オサレなパリジェンヌは白人だって刷り込みがある人が多いのかしらん。

息子と二人でツアーに参加したけど、実はかなり年上の女性と恋に落ちていて、その女性もツアーに参加していて、母と女性をなんとか接近させようという息子の目論見がバレて親子喧嘩が起きたりもしたけど、最後には和解となりました。

 

4th trip 北京の椅子

今回は西安・北京ツアー。なんと、初日からスーツケースが別の場所に運ばれちゃって大変なことに。確かにツアーでは「一泊分の着替えは手荷物に」と言われたことがあったわ。今までそんなことには遭遇したことはないけど、帰国した時にロストバゲッジで自宅に戻って来るまで時間がかかってスーツケースに入れたチーズが発酵して匂いが染みついちゃってスーツケース捨てたって話しを聞いたことがあります。

そんなこともあってか、中国は嫌いなのに参加してるオジサンが被害妄想過多でいちいち難癖つけて文句言ってます。こう言う人、居るよね。腹が立つわぁ。せっかくの海外旅行なんだから、楽しく過ごしたいのにねぇ。しかも見栄はって怪我して助けてくれた人にお礼も言わないし。なんだこのオヤジ、と思ったら。亡くなった奥さんが中国に来たかったんですって。でも急に亡くなってしまって、妻の願いを叶えられなかったんですって。海外では近づいて来る人に気をつけろって言われたからトゲトゲしてたらしい。最後にお礼が言えるようになりましたが、帰国してもその気持ちを忘れないでね。

 

5th trip 沖縄のキツネ

コロナで海外旅行ができず、仕事もなく自宅待機。そこて沖縄のコールセンターのバイトについた遥。なんか期待していた環境ではなかったけど、地元の女の子と仲良くなって協力してもらい、看護師の親友に沖縄観光をネット配信するのでした。

いやぁ、ほんと、コロナの影響ってハンパない。

昔SARSが香港で流行った後に香港行ったけど、広い飛行機に10人も乗ってなかった。でもその時とはまた規模が違うし。海外行きたいけど、やっぱりまだ怖いですわ。

いつになったら収まるのかしらん。

 

ブエノスアイレスに語学留学したり、夢を実現させた遥は行動力がありますね。

実際のところ、特に遠い距離の海外旅行の添乗員はベテランだと安心感があるかも。私がイタリアに行ったときは若いけどイタリア担当で何度も来ているって人でした。ベテランも最初は初心者だって分かってるけど、ベテランと若手がセットでって言うのは海外だと難しいのかな。

なんだかんだ言っても、遥のおかげで前を向けるようになった人がいるので、頑張って欲しいものです。

 

自分も旅した気分になれた一冊でした。