借りました。
一話一話は短いですが、なかなか内容が濃いです。
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ときどき旅に出るカフェ (双葉文庫)
693円
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第一話 苺のスープ
アラフォーの瑛子は後輩のあずさから彼氏と結婚して店を開くため退職する、と報告を受けた。家の近所のカフェ・ルーズに立ち寄ると、6年前に半年だけ勤めて辞めた円がいた。
旅好きの円は月初めに店を閉めて旅をし、そこで出会った美味しいものを自分の店で出す、と言うスタイルをしており、珍しいスイーツなどがあるそうです。ドリンクも美味しそう〜食べたくなるメニューばかりですな。
さて、円はあずさが連れてきた彼氏の話を聞いて「胡散臭い」とアドバイス。結婚詐欺までとはいかなかったようですが、男はあずさの預金を当てにしていたことが分かり無事破談となりました。
第二話 ロシア風チーズケーキ
円の店で取引先の上野を発見。どうやら不倫現場に遭遇した様子。上野から「お中元で酒を送るな」と言われていたけど送ったのは洋菓子。はて? なぜ?
上野の浮気相手が嫌がらせで瑛子の会社名を使って自宅に酒を送ってました。実は上野の妻はアルコール依存症の治療中で「また酒を飲んだら離婚」となっていたので、離婚させるために酒を送っていた、と。酷いな。てか、12年も不倫続けるなんてアホだな。
ここではロシア風のお菓子が出ましたが、実はドイツのお菓子だとか。ナポリタンはナポリにはない、的な食べ物はたくさんあると言うことでした。
第三話 月はどこに消えた?
上司が差し入れした8個入りの月餅、開けてみたら4個しかない! と言う謎?を円が解明。上司が娘からもらった月餅4個には塩卵が2個入っていて、娘が「月が8個入ってる」と表現したため上司が8個入りだと勘違いしていたと言うことでした。
塩卵入りの月餅、美味しいよね。
第四話 幾層にもなった心
瑛子は親友の珠子から「京都で単身赴任中の夫が仲の良い女友達と浮気してるかも」と相談される。
本人は浮気していないと言っているけど、東京に戻ってくる前に女友達のいる名古屋で一泊していたので、これは怪しいですよねぇ。娘と別れたくないからもう女友達と会わないと誓ったそうですが、信用できないなぁ。
第五話 おがくずのスイーツ
カフェに円が通っていたスペイン語学校で一緒だった島津がやってきた。しかしこいつは円のことを「おがくずちゃん」と呼ぶ腹の立つ女だった。
教育係だった島津は新人に嫌がらせをしていた女だそうで、エフェ・ルーズの常連さんの中に島津の嫌がらせでせっかく入った会社を辞めた女性がいました。酷い話です。
円は再度来店した島津に「おがくずちゃんと呼ぶなら客ではない」と水も出さず「自分の疚しさを人に押し付けるな」と言い切りました。すっきり!ですね。
第六話 鴛鴦茶のように
夜のカフェにJCらしき女の子がたびたび訪れる。瑛子と同じマンションに住む結希だった。
結希は父子家庭で、塾講師と再婚予定。結希は新しい母が離婚した母と同じように鬱になったらどうしよう、と不安で父を避けていたそうです。円は鴛鴦茶(コーヒー+紅茶+エバミルク)を出して、結希の気持ちをうまく落ち着かせることができました。鴛鴦茶、美味しいですよね。でも香港で飲むのはミルクティーばかりだわ。そうそう、凍檸茶のことも書かれていました。ホットコーラについても書いてほしかったわ。
第七話 ホイップクリームの決意
カフェ・ルーズのそばに丸々コピーされたヴォワヤージェというカフェがオープン。内装やメニューも被っているが、味はイマイチ。
どうやらオーナーの新庄がカフェ・ルーズを潰そうと作った店らしい。ヴォワヤージェをクビになった男が忠告しに来てました。この新庄、なんでそんなことをするのかが分かりませんな。
しかしヴォワヤージュは他人の真似して他人のレシピで作る料理やお菓子で本質をわかっていないから、そのうち寂れるでしょうね。
ザッハトルテに添える生クリームは無糖が正しいそうです。
第八話 食いしん坊のコーヒー
カフェ・ルーズでフランスで流行しているカフェ・グルマンというデザートプレートを出したらSNSで拡散されて人気メニューに。食器を特注していた円と違い、真似っこしたヴォワヤージュのカフェ・グルマンはありきたりの平皿を使っていたため美しくなかった。
七話に出た男・宮郷は「円に惚れたからカフェ・ルーズで働きたい」と瑛子に協力を申し出ました。バカな男でしたな。そして円の親友がベルギーからやって来たのですが、名前が新庄遥。ヴォワヤージュの新庄との関係はいかに。
第九話 思いでのパクラヴァ
これは円の過去話でした。祖母の介護で会社を辞めて、祖母が亡くなり遺産を相続してカフェをオープン。そしてヴォワヤージュのオーナーは円の実兄でした。
最終話
遥は新庄の元妻。円は男尊女卑の家庭で育ったが母方の祖母に引き取られ、養子になっており、更に祖母の遺産は全て円に行くように遺言が残されていた。兄はそれが不満で、介護もしていないのに「祖母を殺したのは円だ」と言いがかりをつけて裁判を起こそうと鼻息荒くしていたのでした。
でも実は祖母が亡くなった時にそばにいたのは円ではなく遥でした。遥も嫁として辛い立場にあったようで、元夫に不満があり祖母を殺したのは円ではなかったと裁判でも証言すると宣言して、新庄も裁判を起こさないであろう、と言う事で収まりそうです。
新庄、どうしようもない男でしたね。ヴォワヤージュは近いうちに潰れるんじゃない?
そしてカフェ・ルーズはオープン3周年となり、内輪のパーティーに瑛子も招待されました。実は円は遥が好きで、遥と似ている瑛子もタイプなんだそうです。恋人がいると言ってましたが、まさか女性だったとは。
美味しそうなご飯、お菓子、ドリンクが出てくるので、旅に出て美味しいもの食べたくなるお話でした。