異界からのメッセージでJohnson Automatic Striker で釣る!!!! | Talking with Angels 天使像と石棺仏と古典文献: 写真家、作家 岩谷薫

異界からのメッセージでJohnson Automatic Striker で釣る!!!!

 6月は生涯忘れなれないくらいイヤな事が起こったので、これくらいいい事が起こらないとね…あの事件は相当ショックだったらしく、モヤモヤ、フラフラしながら6月のある日などは、なんとロッド(竿)を持たずに釣りに出て行く始末……。
 釣り場に着いて、車のトランクを開け、ロッドが無い事に気付いた時のショックといったら…笑…思わずその場でしゃがみこむほど。
 こんな痛恨の物忘れなど、今まで釣り経験では全く無いので、よほど壊れそうだったのでしょう…

 そんな時こそ、釣りでスカットしたいものです。
 現在一番、スカットできるのはこのオートマティック・ストライカーしかないのは知っているので、使ってみた。

 こういうデカイ、個性の強いルアーは、ゲームのはじめから、コイツ1本で攻める気合いがないといけません。
 巨大で重いルアーを「よっこいしょ!」とサイドスローで投げていきます。
 当然、というか、なかなかバイトすらない無反応。
 辛抱しながら池を 3/4ほど廻った時、「ズボッ!!!」とバスのヴァキューム音!
 「ヤッタぁぁ!!!!掛かった!!!!!」と思った瞬間、アワセルも、全く手応えのないスッポヌケ…!

 やはり、ルアーの頭や腹を襲ってくるバスに対して、針一本では、ちょっとムリがあるんですよ…掛かりゃしません…

 その瞬間です。闇の天から声が聞こえました! 驚!
 「ダンナ、それじゃ釣れませんぜ…」

 この感覚、ロンドンでも聞いた !!!!!!!
 私はここよとか。
 きれいに撮ってねとか。
 この天使が語った内容は、写真集で紹介している
 そうそう、「また来たの?」と喋った天使も居た。
 サン・ピエトロでも聞いた !

 鼓膜を振るわせる声ではなくて、意味そのものがズカーンッ!と直接脳に入ってくる感覚、瞬間です!

 「なんで、天使とルアー???」とお思いの人もいるでしょうが、このルアーはもう90年近く経ったルアーで、一番はじめのオーナーは間違いなく死んでいます。
 好きな物には残存思念が籠るもので、宝石の話などは有名ですね。
 ルアーではこんな経験も
 「歴史を経た中古の道具はオーナーを選んでやってくるものなのです」
 これは経験上、ちょっとした確信がある。

 「ダンナ、それじゃ釣れませんぜ…」は、
 亡くなった前オーナーの魂の声だと直感しました。
 (これを踏まえ、修理したてのオールドルアーは使った当日に釣れることが非常に多い。再び使える状態にしてあげた、前オーナーからの感謝の印だと予々私は思う)

 話を釣りに戻し、この日は結局釣れませんでした。
 でも私の中に 「ダンナ、それじゃ釣れませんぜ…」という言葉がずっと離れずにいたので、いろいろ秘密の調整をして昨日、再チャレンジ!

 たった三投目で、釣れるワケないという超意外な場所で、水を割る激しいバイト!!!
 「ダロウ……!」オールドルアーには妖気があるんだよ…と、もう心がニヤケル!
 闇の声を聞いた成果なのです。
 私の道具は、TVでよく見るような40cm級をごぼう抜きできるような固い道具ではなく繊細なので、揚げるまでに時間がかる。
 4~5分、闘ったでしょうか…その間、
 「これはブログに書かないとな…」とか
 「こんな貴重なルアーで釣ったのは、世界中で、私だけだぜ!」とか
 「途中でラインブレイクしたら、ショックでそのまま池に入水自殺だな…」とか。爆
 雑念が去来します!笑
 そんな雑念が起こった時は、よくダメになりますねぇ…!笑
 巨バスの最後の抵抗、ジャンプ一発で外れてしまいました………50はありそうでした。

 逃したショックは大きかったですが、調整した結果、釣れることを確信したので、俄然やる気が湧く!

 ほどなく別のポイントで、着水させ、30cmほどフニャフニャ動かすと、今度は音もなくフッキング!

 ハズレるな、ハズレるなと、ひたすら願い、慎重に取り込む!
 40cmと大きくはありませんが、ちゃんと、ルアーの構造通り、針とボディーが分離しているところがたまらない!

 実際、釣った感じ、この分離の効果は、あまり感じられないのですが、強いて言うならやはり、巨大なルアーの大きな水抵抗は感じない気がします。
 (一度、バラしておいて言うのもなんですが、やはり掛かれば外れにくい構造だとは思います)

 そして、モウ、釣り揚げた時の感動といったら………
 前回のブログのように、世界の中心で叫ぶほどではありませんでしたが、思わず心の声として「生きてて良かったぁ~」とシミジミ呟きました。笑 生命は本来楽しいのです。
 見あげると満天の星空。マレーシアのジャングルで小舟の上で見あげた満天の星空には比べるべくもありませんが、あのマレーシアの空を見た時も「人は美しいものと出会う為にうまれてきたのか…」と思ったものです。

 釣りごときでなんて大袈裟な…と思うかもしれませんが、このルアーは文化財級のルアーで、少なくと30万くらいの価値はありますし(私は300万でも譲りませんが。笑)、ここに至るまで、修理にかなり苦労した上、世界中のネット上でこのルアーで釣った人は私だけだと自負もあるからです。
 ルアーは動かすことによって、生命の籠ったアートなのです。
 生命どころか魂が籠っているのです。
 私は、天使や仏をはじめ、魂が籠ったものが好きなシャーマンなのでしょう…

 開高健さんは、良い釣りができたとき、あのダミ声で「私は更新された!」とよく言っていましたが、確かにこの気持ちは、わかる!

 いやなことが起こっても、3日間くらいはゴキゲンな気分でいられそうです。
 魂の声が全然聞こえない理解すらされないこの世にあって、天使と釣りの世界は、この魂の声が結果として現れるのは、精神衛生上とても良く、こうして長々と書く価値が私にはある事件でした。
 開高さんをはじめ、どうして文筆家が釣りにハマルか解る次第なのです。

岩谷薫(Kaoru Iwatani)『Talking with Angels』ー天使と仏の写真家ー | Facebookページも宣伝