親戚のお婆さんのこと | Talking with Angels 天使像と石棺仏と古典文献: 写真家、作家 岩谷薫

親戚のお婆さんのこと

 昨日は所用があり、親戚のお婆さんが住む老人ホームへ。
 老人ホームへ行くと、今は病院に入院中とのこと!
 驚いて病院に行くと、体中に管をいっぱい付けて、息も絶え絶えで、寝たきりの痩せ衰え人相も変わってしまった、お婆さんの姿が…涙
 何か喋っているんだけど、言葉の半分も聴き取れない…
 そんな中、かろおじて聴き取れた言葉が…
(お婆さん)「写真集は売れてるの?」
(私) 「いや、そんなに…」
(お婆さん)「そうなのぉ…あれが解らないなんて、世の中がわるいねぇ…」

 自分が、死ぬか生きるかなのに、私の作品を気遣う気持ちに、思わず私は泣き出しそうでしたが、泣いてしまうと病室に悲壮感が漂うので、泣かないようがんばってみました。
 このお婆さんは、私の作品や文章をとても高く評価してくれています

 『笑とる仏』の時は、別の親戚のお婆さんが、昏睡状態から意識が戻った事もありました。(前半、猫の話ですが、後半に記述)


 こうして極当たり前ですが、人や猫もそうですが、自分の回りから去っていくんですね… 近い将来、私の母も、こうなるのかと思うと、生死を語りたがる私でさえ、なんだか「ガツーン!」と何かに殴られたような気がしました。
 私自身の生は、時として「もういいか…」と思うことすらありますが、他の生はやはり生(い)かしたいと思うものですね…。
 しかし一方で、医療が発達して、ここまでして生かす必要があるのか?と思う自分も居ます。
 いろんな意味で、病床の親戚のお婆さんの姿は、思うものが多いものです。
 このお婆さんとは過去にこんな思い出も

 ただ、はっきり言えることは、「このお婆さんの意識がハッキリしている時に、私の作品がなんとか完成した事は良かったなと…」特に『コート・ダジュールの天使達』を見せられた事は、本当に良かったと思う! (『新釈 中国古典怪談』も『笑とる仏』もだが)
 
 最近、TVで「定根」(じょうこん)という言葉を知りました。仏様の髪の毛は青いそうです。定根という言葉にはさまざまな意味があるそうですが、概ね、心、清らかにして悟る意味ですね。

 チベット密教では群青色は、根本仏的な大日如来の色です。
 たしか、チベットの『死者の書』の中にも、群青色の光りに向かって進め的な教えがあった記憶が…オプセルですね。
 なぜ、私が天使を通して青に帰結したか… 
 意識がハッキリしている時に、こうした青の観想に共感していただき、ハートで理解していただいた事は、親戚の一員として、とても良かったと思うのでした…涙
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