物件の購入を決める段階で、諸費用について
理解していないと、後から持ち出しの現金が
工面できず、困ってしまうことになりますの
で、諸費用について説明いたします。

 

物件を購入する場合には、物件決済の段階で
頭金の他に主に次のような費用を支払い決済
を完了いたします。

 

以下、それぞれの費用の内容について説明し
ていきますが、実務では合計で物件価格の約
7%程度が諸費用としてかかると
想定してお
けばよいかと思います。

 

1) 仲介手数料

 

 売買を仲介してくれた不動産会社には、仲
 介手数料を支払う必要があります。

 

 その金額の上限は宅建法で定められていま
 す。やや複雑な計算になるので、下記に示
 す簡易的な計算式でとりあえず、計算して
 きます。

 

 仲介手数料の上限=売買代金×3%+6万円

 

2) 印紙税

 

 売買の際に作成する不動産売買契約書には
 、契約書一通につき所定の金額の金額の印
 紙を貼り付け、押印する必要があります。
 つまり印紙税です。

 

 その金額は税法により下表のように定めら
 れています。

 

  不動産売買での印紙税額

 

            契約金額                本則税率  軽減税率
   100万円超、500万円以下    2,000円      1,000円
   500万円超、1,000万円以下    1万円      5,000円
 1,000万円超、5,000万円以下    2万円        1万円
 5,000万円超、1億円以下        6万円        3万円
     1億円超、5億円以下       10万円        6万円
     5億円超、10億円以下      20万円       16万円

 

*表記の軽減税率は、平成26年4月1日から平成
30年3月31日迄の間に作成される不動産売買契
約に限って適用。
  
3) 登録免許税、および司法書士手数料
 
 不動産の所有者が変わった場合には、所有
 者のさまざまな権利を保全する為にその不
 動産を登記しなければなりません。

 

 売買による所有権移転登記と融資を利用し
 て購入する場合は抵当権の設定なども行い
 ます。
 
 [売買による所有権移転登記の場合]

 

   物件の固定資産税評価額×1%

 

  [抵当権の設定]

 

  債権額×0.4%

 

  [登記に関して司法書士に支払う手数料]

 

  司法書士の先生によって金額が異なり
  5~10万円程度。

 

4)不動産取得税

 

 不動産を新たに取得したに「不動産取得税
 」という税金が課されます。

 

 [土地]
  
  物件の固定資産税評価額×0.5×3%

 

  [建物]
 
  物件の固定資産税評価額×3%

 

 [各種保険、雑貨、消費税]

 

  融資を受けて物件を購入する場合、金融
  機関によっては火災保険などの保険の契
  約が必須となるケースがあります。

 

  通常、地震保険への加入はオプション扱
  いで必須ではありません、しかし、災害
  リスクを考慮してこの時点で合わせて加
  入するようにすると効率が良いでしょう
 
  さらに当然ながら、課税対象となる建物
  部分の購入には消費税もかかります。

 

5) 固定資産税、都市計画税

 

 不動産は購入の時だけでなく、保有してい
 るだけでも税金がかかります、毎年1月1日
 時点で市町村の固定資産課税台帳に登録さ
 れている所有者に課税されます。

 

 税額の計算式は下記のとおりです。

 

 [固定資産税]

 

  物件の固定資産税評価額×1.4%

 

  [都市計画税]

 

  物件の固定資産税評価額×0.3%

 

*物件購入段階でオーバーローン以外は、諸
費用の支払いが発生しますので、物件の決
済時迄に現金を用意しておく必要があります
(税金の支払いについては決済時点ではなく
数ヶ月遅れて支払い請求がきます)。

 

従って、頭金、諸費用の数値を計算に入れて
資金には少し余裕をもって、準備しておくこ
とが重要です。

 

紙上の試算でキャッシュフローが見込まれ、
物件、立地条件等、ある程度満足できる場合
には、次に物件の現状を調べる必要がありま
す。

 

従って、物件の購入を最終的に決める前には
、必ず現地を訪れて現地調査を行います。

 

物件概要書やレントロールなどの書類だけで
は、わからないこともあるからです。

 

1) 建物・周辺施設の確認

 

 建物そのものや周辺の状況を確認します。

 

 ・建物状況

 

  建物や設備の外観を確認し、汚れや経年
  劣化等、傷み具合を把握します。

 

 ・外壁の状況

 

  防水塗装の状況や、目立ったクラックは
  ないかを目視で確認します。

 

  経年により多少のクラックは発生してく
  るものですが、それがしっかり補修され
  ているか、又数が多かったり、大規模修
  繕を要する深刻なクラックがないかどう
  かを確認しましょう。

 

 ・駐車場の確認

 

  敷地内か敷地外か、数が足りているかど
  うかを見ます。

 

  特に地方では、車社会で一家族当たり2
  台が普通という場合もあり、客付けに大
  きく関わってくるケースがあります。

 

 ・テナントの確認

 

  物件内に店舗や事務所のスペースがある
  場合、どんな業種のお店や事務所が入っ
  ているのかを確認しておきます。

 

  人の流れなどを見てその店舗が流行って
  いるか、会社が儲かっているかどうかに
  ついても、出来る限り感じ取るようにし
  ます。

 

 ・入居状況の確認

 

  入居状況は事前に入手したレントロール
  の通りか、ポストや電気メーター等で確
  認を行います。

 

  問題のありそうな入居者がいないかどう
  かを確認します。

 

  もちろん完全なチエックはが出来るわけ
  ではありませんが、明らかにゴミ屋敷化
  していたり、闇金融業者の取り立てがあ
  りそうな気配、その筋の方がいらっしゃ
  らないかを確認します。

 

 ・物件の管理状況

 

  共有部分の清掃具合や、ごみの集積場

  の状況、駐輪場の状況などを確認します

 

 ・室内状況

 

  可能であれば事前に空室の内覧をさせて
  もらいましょう。

 

  設備やリフォームの状況により修理、又
  は更新を必要とするのかを確認します。

 

 ・屋上の状況

 

  可能であれば、屋上の防水塗装の状況

  を確認させてもらいます。

 

2)周辺状況の確認

 

 ・競合するマンションやアパートの確認

 

  物件の近くに同じような間取りのマンシ
    ョンやアパートがあれば、当面の競合物
    件となります。

 

  その場合、特に入居状況がどのような状
    況か確認しておきます。
  
 ・建設中のアパートやマンションがないか
    どうか。

 

  周辺で何棟も新しいアパートやマンショ
    ンが建築されていると、当然その地域の
    需給は悪化します
 
  したがって、建設中のアパートやマンシ
    ョンの存在には、敏感になっておく必要
    があるわけです。

 

 ・嫌悪施設がないかどうか

 

  嫌悪施設というのは、ごみ焼却場、火葬
    場、ガスタンク、下水処理場、火薬類貯
    蔵所、悪臭・騒音・振動を発生させる工
    場、危険物を取り扱う工場
   
 ・スーパー、デパート、コンビニ等や最寄
    り駅までの徒歩距離の確認

 

  駅から実際徒歩で歩いてみて、実際のか
    かる時間、周辺の環境、人の動線や町と
    しての賑わいを確認します。

 

  物件周辺の状況については、昼間と夜間
    で様変わりする場合がありますのでよく
    チエックして置きましょう。

 

 ・物件周辺エリアの賃貸状況

 

  物件周辺やお寄り駅近辺の不動産屋さん
    も何軒か尋ね、その地域の賃貸市況のリ
    サーチを行いましょう。

 

  間取りや設備の良しあし、立地、入居者
    の属性、駐車場の必要性などについて、
    多くの情報を得られます。

 

   周辺の適性家賃水準や周辺エリアでの注
    目すべき動向(近くに新しい商業施設が
    開店する。大学の移転計画等の情報)

    管理費・広告費の有無や相場についても
    、具体的に聞いておくとよいでしょう。

 

 *物件の紙上での試算、次に現地調査での現
状確認で特に問題がなければ、次の買付証明
書の提出へと進めていきます。

 


不動産投資サイト等から、目的に近い物件が
発見されたら、まず、不動産会社に下記の二
つの物件資料を請求して詳細を調べます。

 

1) 物件概要書

 

 書式は業者によって多少異なりますが、記
  載されている内容は、次のような内容です

 

 ・物件名、物件価格、所在地、土地概要、
    建物概要、法規制の内容、正面利回りな
    ど、その物件に関する最低限の情報が記
    載されています。

 

 ここで注意しておくことは、法規制に合致
  しているかというポイントです。

 

 ①建蔽率、容積率が基準内に入っているか
    どうか?

 

    敷地に対して、建蔽率、容積率が定めら
    れていますこれに違反していないかを判
    断します。

 

    違反している物件だと金融機関によって
    は融資をしないところがありますので、
    しっかり確認します。

 

 ②再建築可能な物件かどうか?

 

    前面道路に接道されている部分の幅が2

    m未満ですと再建築不可となり、建物を

    解体して、再度新しく建築することが困

    難となります。(購入、売却する場合に

    同じような問題が発生します)

 

  ③固都税(固定資産税と都市計画税)を確認
    する。

 

    固都税について記載がありましたら、注

    意しておく(敷地の面積、建物の構造・
    規模により高額となる場合がある)、毎
    年発生する税金の為、キャシュフローに
    密接に関係してくる為。

 

2)レントロール

 

   このレントロールとは、その物件の現在の

   賃貸状況を示す一覧表です。

 

    レントロールには、入居時期と家賃、共有

    費、敷金等について記載されています。

 

    古い方から最近入居された方迄、家賃等に

    ついてバラツキがあることが発見されます

 

    直近で入居された方の家賃、共有費、敷金

    の有無等が今後の家賃と考えられますので

     、一度最新の家賃に引き直して、収入を

    計算し直して、利回りを出してみる必要が

    あります。

 

    レントロールは、あくまでも「書類」に記

    載されている数字なので、実際には、実地

    調査で、裏づけを取る必要があります。

 

この二つの情報でほぼ紙上で詳細を確認し採
否を検討していきます。

 

キャッシュフローが期待出来て良い物件と思
われたら、次に現地へ行き、現地調査に移り
現状を確認します。
    


 


最低限の知識を押さえたら、いよいよ物件情
報を探していきます。

 

その地域の地価の値段や物件の価格、利回り
等を見ながら相場観を養っていきます。

 

優良な物件は数が少ないので、情報源をなる
べく多くし、間口を広くとり、少しでも多く
の物件情報に触れながら目を養っていくこと
が大切です。

 

この際、最も手軽に、かつ網羅的に物件の情
報を入手できるのはインターネット上の各種
不動産投資サイトです。

 

インターネット上に存在する代表的な不動産
投資サイトを下記に紹介します。

 

・健美家        :https://www.kenbiya.com

 

・楽待(らくまち)    : http://www.rakumachi.jp

 

・不動産投資★連合体:http://rals.co.jp/invest/

 

・HOME'S不動産投資 :http://toushi.homes.co.jp

 

・アットホーム   : http://toushi-athome.jp


上記のうち、特に「健美家」「楽待」が、
不動産投資家にとって有名なサイトと言えま
す。

 

物件の探し方の切り口としては、次のような
方法があります。

 

1)利回りを指定する

 

2)物件の構造から探す:木造、鉄骨、RC

 

3)物件の種類から探す:区分、戸建て、アパ
        ート、マンション、店舗・オフィス

 

自身の投資の目的、方向性を見ながら、いろ
いろ試して、経験値を積み重ねていくことが
必要と考えます。

 

<不動産業者との直通ルートを増やしていく>

 

インターネットで自身の投資方針に合いそう
な物件を見つけたら、そこに記載されている
担当の不動さん業者に連絡を取り、詳細の情
報を取り寄せます。

 

最低限、「物件概要書」と「レントロール」
は取り寄せたいところです。

 

・不動産業界では、「1000: 3: 1の法則」と
いう言葉が良く知られています。

 

1000件の物件情報を見て、3件の優良物件に
買付依頼を出し、やっと1件買えるという実
態を示した法則です。

 

実際物件情報はあふれるほどにたくさんあり
ますが、いきなりピッタリとはまる物件に出
会う可能性は低いようです。

 

その物件情報の獲得のみならず、その担当不
動産会社との情報提供ルートの確立にもつな
がることから、情報提供に対してはきちんと
お礼を言い、自分の探している物件の情報を
伝えることが重要です。

 

不動産会社はもちろん商売ですので、良い物
件があれば「買える客」のところに優先的に
話を持っていきます。

 

なぜなら、良い物件は希少なので、もたもた
していると他の不動産業者に持っていかれる
かもしれないからです。

 

その際の優先順位は下記のとおりです。

 

①現金購入できるお客さん

 

②すでに融資枠があるお客さん

 

③金融機関から見た属性が良いお客さん

 

というところです。

 

融資可能な金融機関の開拓・確保に取り組み
、優先順位を上げるべく動いて、それをアピ
ールできるとよいでしょう。

 

また、少しずつ不動産業者との直接ルートを
築いていくと、次第にそういうルートから、
勝手に優良物件の情報が入ってくるようにな
るものです、人脈を計画的に広げていくこと
で、有利にビジネスを運べるようになります


 


初心者が、最短で利益の出る不動産を購入す
る為には、まず、物件の情報収集から始まっ
て、物件購入する迄の一連の全体の流れをつ
かんでおくことが重要です。

 

順番を間違えて取り組んでいくと、スピード
が遅かったり、銀行に審査をお願いする時期
によっては、融資が遅れたり、希望する金額
が出なかったりといろいろ問題が、発生して
きます。

 

このような問題を事前に防ぐためにも、どの
タイミングで何が必要になってくるのかを自
身で把握しておくことが必要です。

 

それでは、不動産投資、物件購入迄の全体の
流れについて下記により説明していきます。

 

1) 情報収集

 

 事前に投資目的を決定し、投資の手法につ
 いても検討したうえでインターネット、メ
 ール、チラシ等で物件を検索する。

           ↓

2) 問い合わせ

 

 購入判断に必要な情報を取り寄せる(物件
 概要書、レントロール等)

           ↓

3) 現地調査・内覧

 

 必ず現地調査を行う。可能であれば空室の
 内覧も行う。

           ↓

4) 買付証明書の提出

 

 希望の条件に合致しているのであれば、手
 付金額や融資特約などを検討したうえで、
 購入希望の意思表示を行う。

           ↓

5) 売主承諾・交渉権獲得

 売主側からの回答があれば、交渉権を獲得
 できる。

           ↓

6) 金融機関に融資申し込み

 

 融資を利用して購入する場合は、このタイ
 ミングで金融機関に融資審査を申し込む。

            ↓

7) 売買契約

 

 ある程度、融資が見えた段階で、売買契約
 を取り交わす。

             ↓

8) 金融機関融資内定

 

 金融機関からの融資OKの連絡。

             ↓

9) 金銭消費契約

 

 金融機関と融資実行についての契約を取り
 交わす。

             ↓

10) 決済

 

 原則として売主・買主が同席し、融資実行
 金融機関などで決済と鍵の引き渡し、所有

 権移転登記などが当日中に行われます。

 

各ステップのポイントとなる項目については、

後で随時説明していきますが、今回はどうい

う事柄が発生してくるのかの全体の流れをま

ずは知識として知っておいて頂ければと思い

ます。

 


不動産投資に限らず、投資にはすべてリスク
が存在します。

 

リスクを事前に把握して、そのリスクに対策
を講じておけば、リスクではなくなり、安全
な投資となってきます。

 

それでは具体的に、どんなリスクが存在する
のか、代表的なリスクについてみていきます

 

1) 空室リスク

2) 金利上昇リスク

3) 滞納リスク

4) 災害リスク

5) 損害賠償リスク

 

それではリスクの詳細について解説いたしま
す。

 

1) 空室リスク

 

 不動産投資をしようとする時、たいていの
 人は満室時の想定利回りを意識して不動産
 を購入します。

 

 そのために、空室が賃貸経営における最大
 のリスクとなります。

 

 人口減少と、新築物件供給の過剰が相まっ
 て、需給のアンバランスが生じていて、簡
 単に入居者が決まらないのが現状です。

 この空室リスクへの対応は次のことが考え
 られます。

 

 ①最初から満室にできる物件を選ぶ

 

  不動産投資では「購入時点」での検討、
  物件選定が重要です。

 

  購入前にきちんと現地調査をして、満室
  にできる物件かどうか選定が必要です。

 

 ②あらかじめ空室リスクを織り込んでおく

 

  事前調査をすることにより、ある程度は
  地域による空室率の想定が出来るので、
  地域の平均的な空室率を織り込んだ想定
  利回りで検討することが重要です。

 

 <空室率の調査>

 

  たとえば、HOME'S 不動産投資「見える!
  賃貸経営」というウエブサイトで地域の
  空室率を調べることが出来ます。

 

  http://toushi.home.co.jp/owner/

 

2) 金利上昇リスク

 

  融資を受け、その借入の返済原資を家賃収
 入ととする場合,金利上昇は比較的大きなリ
 スク要因となります。

 

 このリスクを回避するには、以下のような
 対策を取っておくとよいでしょう。

 

 ① 事前にシュミレーショをしておく  

 

  多くの金融機関でも貸出時にストレステ
  ストを行っていますが、自身で、事前に
  どのくらいの金利まで返済が可能か、試
  算をすることをお勧めいたします。

 

 ② 物件購入時に金利の低い金融機関を選
  択する。

 

  金利のなるべく安い金融機関を選択する
  ことと、金利がある程度金融機関と交渉
  できる場合は、なるべく低く抑えることが

  重要です。 


 ③ 繰り上げ返済を実施する

 

  上昇した金利は、返済額に影響します。

  したがって、繰り上げ返済することによ
  って返済金を減らすことで、金利変動へ
  の耐性が高くなります。

 

3) 滞納リスク

 

 入居者がついていても、支払いが滞ってし
 まう滞納リスクがあります。

 

 このリスクへの対応としては次のことが上
 げられます。

 

 ① 家賃保証会社の利用
 
  仮に滞納が起きても、保証会社と契約し
  ていると、保証会社が家賃を立て替えて
  くれます。

 

  保証会社による保証が長期化した場合に
  は、保証会社が入居者に対して、立ち退
  きの訴訟を起こします。

 

  その保障費用についても、すべて保証会
  社が負担します。

 

 ② 募集する時に、入居者の属性を把握し
  ておく

 

  仲介不動産屋から入居者の斡旋をしても
  らうときに入居者の属性(勤めている会社
  、給与、家族構成他)を確認して、滞納の
  可能性のないような人を選ぶ必要があり
  ます。

 

*リスクをリスクのままにし、放置しておく
と、物件購入段階で決断が出来ずに、いたず
らに時間を費やしてしまい、時間が経過してか
ら問題を解決した時には、時すでに遅しという
状況になって、後で非常に後悔することになり
ます。

 

従って、物件には必ず、何かしらの問題や、
リスクがあるものと考えて、素早く、対策を
考える姿勢が非常に重要です。

 


 

土地には、一つの土地に4つの違った価格が
存在します。

 

この現象を指して「土地の一物四価」と呼び
ます。

 

それぞれの価格は、その必要性によって存在
していますが、その価格の意味するところを
理解して不動産投資に活用していくことが重
要です。

 

それでは、4つの価格の内訳を説明いたしま
す。

 

1) 実勢価格(時価)

 

  実勢価格とは、実際の取引が成立する(した
 )価格のことです。

 

 [時価]とも言い、売り手と買い手の間で需
 要と供給が釣り合う価格を指します。

 

2) 公示価格

 

 公示価格は、一般の取引価格に対して指標
 を与えることなどを目的として、毎年1月
 1日時点の更地価格
を、国土交通省土地監
 査委員会が公表するものです。

 

 政府が決定する、土地取引の参考価格と考
 えればいいでしょう。

 

3) 相続税評価額(路線価)

 

 相続税評価額とは、相続税や贈与税の課税
 基準となる土地の価格のことです。(3年
 ごとに更新されます)

 

 公示価格の80%を目安に決定されます。

 金融機関が、積算評価額を試算する際に使
 う土地の価格は、この数字です。

 

4) 固定資産税評価額

 

 固定資産税や不動産取得税、登録免許税な
 どの不動産関連の税を課税する際、基準と
 なる評価額です。

 

 公示価格の70%を目安に決定されています。

 

*ここでのポイントは、我々は土地の価格を
調べるときに、まずは路線価を調べます。

 

そして、この路線価をベースにして活用して
いきます
(銀行の土地の積算評価でも路線価
を活用しています)

 

この路線価を公示価格のレベルではいくらく
らいになるかを計算(路線価の数値を80%で割
り戻す)
して実際の実勢価格に近ずけておく
ことが、不動産投資を行う上で、購入価格に
対して、どのレベルで購入しようとしている
のかの判断(割安か、割高かを)をするのに必
要です。

 

このことにより、土地の価格の実勢地に近い
価格を把握することが可能となります。

 

 

 

銀行ローンを利用して、物件を複数棟買い進
めていく為には、銀行の信用力(担保余力)を
意識していく必要があります。

 

最初の物件だけで信用力(担保余力)を使い切
ってしまえば、それ以上物件を買い進めるこ
とはできなくなります、それは、[信用毀損]
に陥るからです。

 

よくあるのは、自分の信用力(担保余力)につ
いてあまり意識しないまま、一棟目の物件に
とにかく融資をつけて購入してしまうパター
ンです。

 

これは特に、個人で投資を行っている属性が
良い人に多いパターンでしょう。

 

たとえば、大企業に勤めている人や公務員な
どは、この[属性]が良いと判断されます。

 

すると、金融機関はその人の本業での給与収
入等を返済原資として見込み、極端なことを
言えば、どんな物件でも、最初はある程度の
融資をつけてくれます。

 

しかし、2件目の物件についてはそうはいき
ません。

 

返済原資としての本業での収入は、すでに一
件目の返済原資として計算に入れられていま
す。

 

そのため、純粋に物件の評価で融資が判断さ
れます。

 

このとき、一件目にキャシュフローが出ない
、評価が低い物件を購入してしまっていると
、残債が担保価値を下回る[担保割れ]の状態
になっています。

 

この状態を[信用毀損]といい、この状態にな
ると2件目以降の物件を買い進めなくなります

従って、融資を利用して複数の不動産を買い
進めるためには、金融機関から見て自身が常
に融資出来る状態、つまり担保余力がある状
態を維持する必要があります。

 

それには信用を毀損しないよう、物件の評価
価格を意識する必要があります。

 

金融機関の物件評価方法には、主に[積算評価
]
[収益還元評価]の二つがあります。これら
について詳しく説明いたします。 

 

1)積算評価

 

 金融機関の多くが、主体的に物件評価をする
 ときに活用しているのがこちらの評価です。

 

  ・積算評価額=土地評価額+建物評価額

 

 ・土地評価額=土地面積×路線価

 

 ・建物評価額=再調達価格×建延面積×(法
     定耐用年数-築年数)/法定耐用年数

 

 <建物の再調達価格のおおよその相場>

 

     構造     ・ 再調達価格   ・  法定耐用年数
                  ・   (万円/m2)    ・  (新築・住宅用)

 木造          ・         13                   22
 S造(軽量鉄骨)       13                   27
 S造(重量鉄骨)       16                   34
 RC造                    20                   47
 SRC造                  20                   47

 

 <土地の路線価の求め方>

 

国税庁ホームページ[財産評価基準書 路線価図
・評価倍率表]
下記のURLで調べることが出来ます

 

 http://www.rosenka.nta.go.jp/


 <金融機関の担保価値の考え方>

 

  ・担保価値=積算価格×担保掛け目(70~100%)

 

 ・余剰担保= 担保価値 > 融資額

 

  ・担保不足= 融資額 > 担保価値 (信用毀損)

 

 <純資産の考え方>

 

 純資産:(銀行の不動産評価額-借入金額) > 0


2)収益還元評価

 

 金融機関の中には、物件の収益性を主体に評価
 をしている金融機関もあります。

 

 収益物件から生じるキャシュフローを借入の返
 済原資として評価する方法。

 

 端的に言えば、キャシュフローが0からプラス
 となる価格が収益評価額です。

 

*積算評価と収益還元評価が高い物件はどちらも
価値の高い物件ということが出来ます。

 

・積算評価の高い物件

 

 銀行から見ると担保価値の高い物件となります
 から、借入金を多く借り入れることが出来、
 フルローン、オーバーローンの可能性が高い物
 件といえます。

 

・収益還元評価の高い物件

 

 物件の収益力から換算して物件価格を割り出し
 た価格となりますから、当然価格は高くなりま
 す。

 

購入する場合は、積算評価と収益還元評価が高く
、売値の安い物件が一番価値が高くなりますが、
なかなかそういう物件は現れない為、どちらか片
方が高くて、片方が低い場合は、低いほうを値引
きの理由にして価格交渉するという方法も考えら
れます。

 

いずれにしても、積算評価と収益還元評価をしっ
かり把握しておくことが購入時点で必要なことで
す。 

 

 

不動産投資で、最初の一棟目の購入する物
件を間違えてしまうと、次の購入が続かなか
ったり、また投資のスピードが著しく遅くなっ

てしまう結果となってしまいます。

 

従って、最初の一棟目は自分の投資の目的、
方向性を見極めながら、進めていくことが重
要です。

 

初心者が狙う物件として、まず区分か一棟物
かという選択がありますが、これについては
下記のように考えます。

 

結論から言うと、事業として不動産投資に取

り組むのであれば、一棟物のほうがお勧めで

す。

 

不動産の購入にかかる手間や時間は、一棟物
であっても区分であってもそれほど大きな差
はありません。

 

しかし、区分の購入では、区分一戸ごとに得
られるキャシュフローは、通常は毎月わずか
数万円です、[事業]として考えられる規模の
キャシュフローを得るには、何十戸も購入す
る必要があるため、現実的ではありません。

 

金融機関の側から見ても、区分の物件をたく
さん所有していると、既存保有物件の評価に
手間がかかり、嫌がられる可能性が高いでし
ょう。

 

又管理会社の側から見ても、一戸では賃借人
を客付けしても数万円の手数料にしかならず
、[弱小大家]となってしまいます。

 

そのため、賃借人を斡旋する[客付け]の際に
、後回しにされ、不利になりがちです。

 

次に物件の間取りについてですが、ワンルー
ムタイプ(1R,1K,1DK)がよいか、ファミリー
タイプ(2DK,2LDK,3LDK)が良いかの選択肢が
あります。下記に特徴を挙げます。

 

<ワンルームタイプ>

 部屋面積が狭く、マンション・アパートの
 総戸数を多くとれます。

 

 従って、同じ建築延べ面積であれば、ワン
 ルームタイプのほうが家賃収入を多くとれ
 、利回りは有利になります。

 

 又、ファミリータイプに比べて狭い分、退
 去時の原状回復費用はやすくなり、利回り
 やお金の面だけ考えればワンルームタイプ
 に軍配が上がります。

 

 学生は入学・卒業のタイミング、社会人で
 は移動辞令等のタイミングで引っ越しが発
 生しやすいため、入居期間が短いうえに、
 春などの特定の時期に退去者が重なりやす
 い、というリスクがあります。

 

 ・対象:学生、単身の社会人
 
 首都圏中心部、大都市部で駅から近い環境
 に適している。

 

<ファミリータイプ>

 学校や仕事、近所付き合いなど、入居して
 いる家族全員の都合があるため引っ越しが
 制限され、学生や単身者に比べて、入退去
 が少なく入居期間が長くなります。

 

 ・郊外や住宅地に適している。

 

*ワンルームタイプとファミリータイプでは
特性が異なりますので、それぞれの特徴を踏
まえて、バランスよく持つようにするのが良
いと思われます。

 

 

 

 

物件を選ぶ時に、なぜ物件の構造を重視する
必要があるのか、その理由は?

 

銀行融資を活用して購入する時に、銀行は融
資期間を設定しますが、基本的には対象物件
の耐用年数を基準に設定します。

 

借りる側としては、借入期間の長いほうが、
キャシュフローが出やすくなる為、耐用年数
の長い構造の物件、または融資期間を長くと
ってくれる銀行を選択することになります。

 

それでは、投資物件を[構造]によって分類し
、建物の税法上の耐用年数について見ていき
ます。

 

[新築の場合]
                                                                  単位:年
 耐用年数  
 用途    木造     S造        S造         S造     RC造    SRC造
                      材厚3mm ,   3~4mm  ,    4mm            
                             以下   ,    以下       ,     ~ 
          
住宅用     22        19          27           34        47         47
店舗用     22        19          27           34        39         39
事務所用  24        22          30           38        50         50
飲食店用  20        19          25           31       34/41    34/41

 

*飲食店用のRC,SRC造の法定耐用年数は延面積中の木造

内装割合30%を基準に変わる。

 

[中古の場合]

 

1)築年数が耐用年数を超えている場合

   耐用年数=法定耐用年数×20%
  
  (例、木造の場合)


   木造の耐用年数22年×20%=4年

 

2)築年数が耐用年数の一部を経過している場合

 耐用年数

 =(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%

 

 (例、RC造の建物で20年経っている場合)

 

 27年(RCの法定耐用年数47年-経過年数20年)
    +4年(経過年数20年×20%)=31年

 

*計算結果が2年未満の場合には耐用年数を

2年とする。

 

本来、この耐用年数は融資期間と直接の関係

はありません.

 

しかし、金融機関が不動産を担保に融資を組

む時,この耐用年数を[経済的耐用年数]とみ

なして、融資期間の限度とすることが多い為、

実際には密接にかかわってきます。

 

ノンバンクや信金などの一部の金融機関では

、耐用年数より長い期間の融資が可能なケー

スもあります。

 

しかし、その場合には耐用年数を超えると

価償却が認められず、デッドクロスが発生し、

税金が高額にかかり、キャッシュフローがマ

イナスになるリスクがあります。

 

従って、検討対象の物件に対して、自身の投
資の目標、目的を考えて試算をしながら、総
合的に判断していく必要があります。