お義母さんにとって初孫にあたる、つくばのお義姉さんの長男はこの時、微熱があり念のため東京には来ずにつくばで待機していました。
昔からとても可愛がってもらっていたので、甥っ子も会えない事がとても辛そうでした。
携帯電話をお義母さんの耳元にあて、甥っ子は泣きながらお義母さんに話かけていました。
お義姉さん2人はクリスチャンなので、皆で手を繋いで一生懸命お祈りをしていました。
夕方頃に、だんだんお義母さんの顎が上がり一瞬呼吸が止まるような不規則な呼吸になってきました。
いてもたってもいられなくて、甥っ子はやっぱり東京へ行く!と決心します。
みんなで、甥っ子がこちらへ向かっている事。
もうすぐ着くからね!
一生懸命、お義母さんに話しかけていました。
お義母さんの反応は全く無かったのですが、でもちゃんと聞いていたのだと思います。
甥っ子が到着してから20分後に息を引き取りました。
それは、眠るようにとても静かでした。
お義母さんが東京に来てから、夫は特にお義母さんと話すわけでもなく、朝の挨拶と、仕事帰りにただいまという挨拶だけをしていました。
余命が1週間と言われた頃に、夫に今のうちに色々話しておいた方がいいよと言いましたが、夫はお義母さんに近寄ろうとはしませんでした。
ずっと寝室にいました。
あまりに、お義母さんの様子を見ないので私はあえてお義姉さんと夫と私のグループLINEで事細かに報告していたのです。
後悔して欲しくなかったから。
こんなに状態が悪いなんて知らなかった。
もっと話しておけば良かった。
そんな風に感じてもらいたくなかったから、お義母さんの辛い状態をLINEで全部報告していたのです。
お義母さんが亡くなる直前は、そんな夫もリビングのソファーからお義母さんの様子を見ていました。
最後まで自分の思いをお義母さんに伝えたりはしませんでしたが、亡くなった後そっとお義母さんの頬を触り
ありがとう
そう一言だけ呟きました。
後に夫の気持ちを少しだけ知る機会が出来ます。
エンジェルケアは訪問看護師さんがして下さりました。
看護師さんんはとてもベテランの方なのですが、涙を流して下さりました。
体がとても柔らかく、まだ生きているようでした。
死後硬直する時間帯なのに、体が柔らかくてお着替えがとてもしやすかったです。
最後までお義母さんは相手を思いやる親切なお人柄ですね。
看護師さんはそう話してくれました。
顔のお化粧は私がお義姉さんにお願いされ、任せてもらいました。
お義母さんは昔から女優さんのように美しい人でした。
何年か前に、夫の実家へ泊まりに行った時にお義父さんが昔のお義母さんの写真をみせて女優さんみたいでしょと得意げに話していた事を思い出しました。
お化粧をしてウイッグをつけたら本当に眠っているようで今にも起き上がりそうでした。
みんなでお母さん綺麗だね。
泣きながら話しました。
今まであまり協力的ではなかった夫でしたが、在宅診療の先生に亡くなったとの報告は俺がすると連絡してくれました。