交流分析(TA)~エリック・バーンの「人生脚本」~(2) | 自由の翼 Die Flügel der Freiheit

自由の翼 Die Flügel der Freiheit

日々感じること、思うこと、考えること、私が私であること。

 

昨日の記事「交流分析(TA)~エリック・バーンの「人生脚本」~(1)」の続きです。

 

今日は、人生脚本の中で大きな役割を果たす「禁止令」「拮抗禁止令」について書いてみたいと思います。


「交流分析(TA)」の人生脚本には、幼少期に養育者や周囲の大人との交流の中から、または他者の観察学習などから、「~するな」という非言語的なメッセージを受け取り、脚本に組み込むことが多いとされています。この「~するな」というメッセージ「禁止令」と言い、次に示す13種が代表例になります。それぞれの禁止令がどのように影響するのかは、交流分析の本などに詳しく書かれているので参考になると思います。

「存在するな」 「成長するな」 「自分の性であるな」

「子供であるな」 「重要であるな」 「成功するな」

「所属するな」 「健康であるな」 「親しくするな」

「感じるな」 「考えるな」 「実行するな」 「欲しがるな」

これら全てが脚本に組み込まれるわけではなく、幼少期に自分が周囲から受け取ったと強く感じたメッセージとして人生脚本に組み込まれているので、禁止令が無い場合も、1種類の場合も、数種類の場合もあると思います。

これらに加え「エピスクリプト」という、自分で脚本を作るだけでなく、他者(主に親)の脚本を自分のものとして受け取ってしまうというものもあります。ネガティブな思い込みが世代を超えてバトンタッチされてしまう感じ(熱いポテトを誰かに渡せば自分は熱くない、という意味で「ホットポテト」とも呼ばれています)でしょうか。

非言語的メッセージによる「禁止令」に対し、言語的(言葉でハッキリと「こうしなさい」と何度も言われる)メッセージによる人生脚本に書かれる思い込みを「拮抗禁止令」(禁止令に拮抗する力を持つという意味)と言います。有名なものが5種類ありますが、これらは「ドライバー=行動に駆り立てるもの」とも呼ばれています。


「完璧であれ!」 「他人を喜ばせよ!」 「努力せよ!」 「強くあれ!」 「急げ!」

このようなドライバーを持つ人は、それを守ることが自分を守る方法だと思い込むことになるので、理由も分からず、必要以上に「こうあるべき」という強いストレスを自分に掛け続けることになります。とにかく行動することに駆り立てられるため、その結果への十分な予測や論理的な検討無しに、「とにかくこうしなくちゃ!」と常に焦りのような感覚で動き続けようとします。

これは私が個人的に感じていることですが、よくビジネス書などに出てくる「ポジティブ」にも、実は裏にこういう要素が隠れているような気もしています。

成功した人、有名人になった人、本を書く側の人たちの中にもドライバーを持ち、そのおかげで成功できたと思っている人はいるでしょう。そして、本を買う側の人が同じドライバーを持っていた場合、自分のドライバーを更に強化させてしまうことになるかもしれません。

これらのドライバーには着地点がありませんので、成功者になったら開放されるというわけでもありません。人生でどんなに成功したとしても満足できない、次はどうしよう、もっともっと…と駆り立てられる人が多いのには、こういう理由も考えられます。

ただ、これらの「拮抗禁止令(ドライバー)」は幼児期の言語的メッセージから脚本に自分が加えたものですので、非言語的メッセージによる「禁止令」よりはその存在に気付きやすいかもしれません。自分が子どものころに、親や周囲の大人からよく言われた言葉がヒントになるでしょう。

「これをしないと不安になる」「まだまだ足りないと感じて焦る」というような感覚に陥りやすい人は、「拮抗禁止令(ドライバー)」によるものかもしれないということは、もう少し広く知られると良いなぁと思っています。

 

次回に続きます。

 

 

本サイトのAuto-Grooveに、前日の自分のツイートをUPしています。

昨日のツイート

 

私のプロフィール詳細はこちらからご覧ください。

プロフィール詳細

 

DTMで曲作っています。現在14曲。こちらから聴けます。

Soundcloud Kaoru11

 

フォローしてね…