美学とは | 無知を知る〜好奇心を満たす大人の勉強〜

無知を知る〜好奇心を満たす大人の勉強〜

好奇心だけが魂の喜びを知っている。



これからの人生は、自分の好奇心を満たすことを最優先に
生きていくつもりです。

先日勉強会の資料として送られてきた雑誌に

とっても心に響く短編がありました。







戦後の大学の風景を絡めた短編。
「美の教室界隈」 稲垣真美



美学部という学問があることを知ったのも
もちろん勉強会の方からの情報です。

芸術と哲学をミックスさせた学問?
よく分からないけど 初めて聞いたとき
とてもとても興味を惹かれたので覚えてます。



その美学部に講師として招ばれた主人公を軸に
お話は展開します。



舞台は恐らく東大でしょうか?


戦後の混乱の中 
学生たちが大学に戻ってきて
勉強を再開しその美学の授業風景が
とっても素敵で憧れました。



ずっと大学に行ってないことを
特になんとも思っていなかったけど
勉強会に入ってあまりの自分の教養の無さに
時々「大学に行ってたら違うのかなあ」
なあんて思うこともありましたが
当時の私は勉強ギライだったので
あの頃大学へ行ってたとしても 
結局勉強しなかったかも笑笑と思う。



美学部とは 美とは何か?を考える学問。


この小説の中でテキストに選ばれたのは
「ヘーゲルの美学講義」
そこから「カントの判断力批判」
へと展開していきます。



大学に入ったばかりの一年生最初の授業が
ヘーゲルの美学講義 (もちろん原書)
を訳して読みながら意見を出し合う
という形式のようです。


そして生徒の意見を先生が整理しながら
読み進めて理解を深めていく…



もちろんヘーゲルも知らないし
ドイツ語なんて分からない私は
単なる憧れで素敵〜なんて思うわけですが。


戦後なのでみんな18歳なわけでは
ないでしょうが、まあ20歳前後?
で ドイツ語の原書を自分たちで
訳しながら理解して意見していくんですよね?


今の日本の大学もこんな感じ?
いや違うよねーたぶん。
あっ一流大学だとこうなのかな?
よく分かりません汗汗



で、ヘーゲルはその中で
「自然美より芸術美はずっと高尚だと言える」
なんて言ってるんですよー
信じられない!!と思ったら
やっぱりその授業に参加してる女学生が
かみついてましたねー
その女子に「アナタもなんとか言いなさよ!」と肘でつつかれ
ゼミ一の美人女子が
「美を維持するには手間がかかる。
元がキレイかどうかに関わらず
化粧をしなきゃいけないし、そう装う女性自体がその瞬間アーチスト、芸術家に変わっているんじゃないか?」って。

なるほど。そう言われたら
自然美より芸術美が優ると言われても
あんまり不条理だとは思わないなあ。。


いつの時代もキレイでいたい
と思うのは女性ならではだなぁ 
なんて嬉しくなりました。


その次の
カントの判断力批判
についての考察も こんなふうに噛み砕いて
小説仕立てにしていただくと 
とっても楽しく読めそうです。




もちろんこの短編には
もっと重い深いテーマが流れています。
それについても 考えさせられ
なるほどそういうシステムは今の日本にも
流れていて それはずっと繋がってるんだなぁ
としみじみしました。



正直者がバカを見る
真面目に慎ましやかに生きている庶民に
しわ寄せが来る…
そんなシステムを破壊して 
新しい愛に満ちた社会が訪れることを
祈っています。



そうなるための今のこのコロナ禍なら
大歓迎なのですがね。








しばらく美学が頭から離れない…


谷川先生も哲学科の美学だったとか。
だから美について
いろいろ書かれているんですねー



あっという間に爽やかな季節になりました。

皆さんも「美」について
考えてみてはいかがでしょうか?笑笑



いつもブログを読んでいただき
ありがとうございます。