転生してまた来てくれた猫 | 4本脚のカワイイ家族と作る、会話のある家庭

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アニマルコミュニケーター ・カオリーナのブログ

アニマルコミュニケーターのカオリーナです。

 昭和も昭和、私がまだ子供だった頃の話です。

 ある年の夏、我が家に子猫がやってきました。
 
 私には10歳以上年が離れた兄がいるのですが、当時兄は大学の寮に入っており、そこで野良猫が子猫を生んだという事で、大学の夏休みで帰省する時に1匹連れて帰ってきたのです。
 私には初めての子猫でした。白黒のハチワレで、なんてちっちゃいビックリマーク子猫は何ともエネルギッシュ。田舎の家なので、ふすまやドアを開けるとかなりの広さになるのですが、そこをダーッとダッシュし、箱ティッシュからティッシュを取りまくるw そして爆睡。母が「『キ』の字になって寝てたよ」なんて言ってましたね。うちにはチャコという名の先住犬がいましたが、犬とは違う生態によく驚かされ、楽しんでもいました。ちなみに犬猫お互い顔合わせさせると、チャコは尻尾振ってましたが、子猫の方は威嚇してましたね。それはその後も続きました。

 ある時から子猫が下痢するようになりました。最初は毎日の排便時に、という感じでしたが、そのうち一日に頻回となり、更に触れると驚いて身体に力が入るのか、その場で下痢の便失禁するようになりました。後ろ脚は便で汚れてしまい、シャンプーしてもなかなか落ちません。
そして痩せてしまって身体は成長せず、あんなに元気だったのにぐったりしている事が多くなりました。
 ある時、この子を母と動物病院に連れて行く事になりました。当時の私にはその病気が何だか理解はできませんでしたが、どうやらよくないものであり、母が言うには「野良猫の子だから元々もっていたのだろう。今となっては治療も大変な状態。うちにはもう犬がいるし、治療中でさえ犬にうつる可能性だってある。犬の健康の為にも処分した方が良い、とも言われた」との事でした。私は血の気が引きました。
 両親は子猫を保健所に連れて行く事に決めました。私は泣いてそんなの嫌だと抵抗しましたが、「お父さんとお母さんだって何度も話し合ったの。本当は何とかしてあげたいけど、チャコだって大事。チャコまで病気になったらどうするの」
私にはぐうの音も出ませんでした。

 そして子猫を保健所に連れて行く日がやってきました。母が言うには、子猫がチャコの懐に収まり、チャコがそんな子猫の背中を舐めていたと。
まずいと思って2匹を引き離した母でしたが、「2匹の間ではきっとわかっていた。そして別れを惜しんでいたんだろう」と言っていました。
 正直私はギリギリまで諦めていませんでした。
なんとか直前まで考え直してもらえる可能性、子猫が逃げ果せる可能性なんかを考えていましたが、現実はそんな漫画のようにはいかないのです。


 保健所までは母のスクーターの後ろに乗って行ったのですが、帰りなんかはもう悲しくて悲しくて、自分が猫も助けられない本当に無力な子供で、そんな自分が子供ながらに本当に情けなくて悔しくて、家までわんわん大泣きしてました。我慢とか、自分を抑える事は、その帰路ではとてもとても…無理だったんです。
 これは本当に今でも辛く悲しい思い出です。


 そして、その時守った犬「チャコ」も、私が社会人2年目あたりに15歳で亡くなり、そこから更に更に後。私が再び猫を家族に迎えた後まで飛びます。

 アニマルコミュニケーターに必要なスキル…レイキやらオーラリーディングやらの講座をこなし、さてもうすぐ目玉であるアニマルコミュニケーション(AC)の講座だな、って言う時に、父の法事で実家に帰りました。ACは、写真を通して生きている動物や亡くなった動物、どちらとも話ができます。生きてる動物は今うちにいる「お触り禁止猫」で良いので、亡くなったチャコの写真や例の子猫の写真を探しました。ところが子猫の写真がどんなに探しても見つかりません。

いや絶対ここにしまってあるはずなんだけど…。
 
 もしかして、何も話す事なんかないと、あの子が拒否してるって事なんだろうか。まあ実際そう思われても仕方ないし、ここで無理やり探して見つけたとしてもなんか良くないような気がして、結局チャコの写真だけ持って帰りました。
 母は私がそういうの習ってるのを知っているので「見つけたら送ろうか?」言ってくれましたが、断りました。これがきっと、あの子の答えなんだろうと。
ついでにずっと知りたかった事、そもそもあの時獣医さんに言われた病名は何だったのかを聞きました。病名は「回虫症」だったとの事。

 そしてAC関連全ての講座を終え、時々行われるAC練習会にも何度も出席し、その都度他の出席したアニマルコミュニケーターさんに、うちの現猫とお話してもらっていました。
「この子が私の元に来た意味、目的」を質問すると、不思議な事にどの方も答えは1つ、「かわいがられる事」。
こんなの当然と思われるかもしれませんが、これはペットによって答えは様々。
過去世からの繋がりがある子なら「もう一度一緒に暮らしたい」だったりするし、殺伐とした家庭に来た子なら「自分がいる事で、その家庭に笑顔をもたらしたい」だったり、面白いパターンとしては、「あの世である元ペットと知り合ったんだが、『自分が死んだ事で飼い主の悲しみが消えないでいる。自分はまだ転生出来る段階ではないので、代わりにあの飼い主の元に行ってくれないか』と頼まれた」とか。
…そこを敢えての「かわいがられる事」とは。
 いやいや、まともに触るのも嫌がるし撫でる事もできないけど…。まあ、スキンシップだけが「かわいがる」ではないですがね。

 ある時いつものように私から逃げる猫に対し、ふとその例の子猫の話をしたのです。
 子供の頃、うちにとってもかわいい子猫がいたんだけど…本当にかわいそうな事をした…と。
 
 そうしたら、その場に黙って座って静かに聞くその猫に、フッと重なるようにその子猫が見えたのです。

「もしかして、あなたがあの時のあの子か?!」

全て合点がいくのです。
触られるのを物凄く嫌う事
ー私に触られたびに、下痢便を漏らしていた

カリカリと一緒に吐物に回虫が混ざっていた事があった
ー意地でも下から出したくなかった

全てが過去世での恐怖の記憶として残っていたのでしょう。それが死に繋がってしまった事も含め。

 非力で悔しい思いをした子供時代と違い、今は都内で自分で働いて稼ぎ、猫を養うくらいの余裕はあり、近所に動物病院がいくつもあり、ペット保険なんていうのもある時代です。
 万全を期した私の元に、まさに満を辞してあの時のリベンジするチャンスをくれたのです。

それで「かわいがられる事」だったのか。

そんな事があった数日後、突然撫でるのを許してくれるようになりました。あんなに拒否してたのに…。うちお迎えしてから、まさに1年半以上経った日の事でした。


 念の為、次のACの勉強会でも他のアニマルコミュニケーター さんに聞いてもらいました。
「あなたはもしかしてあの時の子猫なの?」
質問が終わる前に食い気味で
「そうだよ」
と。
自分の勘違いではなかった事にホッとしました。

 では、うちで15年生きたチャコに関してはどうでしょう。これも聞いてみました。
「生まれ変わったら、また私の元に来てくれるのかな?」
しかし、こちらは残念ながら「もう来ない」との事でした。理由は私との学びはもう終わったから。「『卒業』といった方が正しいかもしれませんね」というアニマルコミュニケーター さんの言葉にちょっと寂しさを感じながらも納得し、もう亡くなって随分経ちますが、改めて「ありがとう」と感謝したのでした。
現在チャコは生まれ変わる準備をしているそうです。

 季節はもう春。これから動物たちの恋の季節が始まります。もしかしたらチャコが、今度はあなたの元に行くかもしれません。そうしたら、どうかあの子をよろしくお願いします。

元飼い主より。
私は今後も引き続き、うちの猫と学んでいきます。











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