■白鳳三仏
奈良・新薬師寺「香薬師如来立像」(旧国宝、像高約73㎝)
東京・深大寺じんだいじ「釈迦如来倚像」(国宝、像高約60㎝)*本著表紙写真
奈良・法隆寺「夢違観音像」(国宝、像高約86㎝)
並べてみると、よく似ている。
うつくしいし、持ち運びできる大きさだ。
いずれも、実際にいた誰かの念持仏だったのだろうという。
「香薬師如来立像」だけどうして、国宝ではないのか。
昭和25年に当時国宝が全部重文に指定しなおされ、あらたに国宝が選定された。
この像は、盗難(昭和18年)にあっていて、「所在地不明」のため指定対象から外れていた。それで旧国宝で重文となっている。
三度盗難にあい、今も行方不明になっている。
*レプリカや写真が残っている
その仏像の切り取られた右手(約8.5㎝)が見つかり、2015年新薬師寺に帰って来た。
「深大寺」は東京調布にある。都から遠く離れている。
しかも形からしたら、釈迦、よりも薬師如来だという。
2017年に国宝認定された。
「夢違観音像」は上記二体の如来とは違って、観音だ。
正式には、「観音菩薩立像」となるが、愛称として「夢違観音」と呼ばれている。
「悪い夢を見た時、この像に祈ればよい夢に変えてくれる」という信仰に由来するという。この伝承がいつから生まれたのかも定かではないという。
この、三像、よく似ている。
ここから話が始まる。
ミステリー小説を読んでいるようにおもしろく、仏像の写真がうれしい。
小説ではなく、ノンフィクション。
仏像への愛着が伝わってくる。
著書:「『深大寺の白鳳仏』武蔵野にもたらされた奇跡の国宝」
著者:貴田正子
発行:春秋社 2021年第一刷
